「視聴率」を使って導き出す「視聴の質」を表す指標とは?
27FEB

「視聴率」を使って導き出す「視聴の質」を表す指標とは?

ビデオリサーチ マーケティング事業推進局 テレビ・メディア分析部 鈴木康之 2017/2/27 06:00

視聴率は当然ながら、どれだけの人にテレビ番組が見られたかを表す「量」的な指標です。たくさんの人に見られたということは番組のひとつの価値ではありますが、一方で、視聴の「質」という側面でも価値測定を行うべきという声をよく耳にします。これはもっともな話で、同じ視聴率でも、その中で「面白い」「目が離せない」と思ってくれている人が多い番組のほうが、より良い番組であると言えるからです。

■視聴の「質」を表す指標

では、この「質」的な価値、一体どんな指標で表すのが適しているのでしょうか。典型的なものとしては、視聴者へのアンケート調査によって取得する【好意度】や【満足度】といった指標が挙げられると思います。以下は、ビデオリサーチが実施している「番組カルテ(2016年11調査)」の満足度上位TOP15の番組です<図表1>。ランクインしているのは、「逃げるは恥だが役に立つ」「真田丸」「ドクターX・外科医・大門未知子」「世界の果てまでイッテQ!」といった話題を呼んだドラマや人気バラエティで、やはりこういった番組は視聴者の満足度が高いことがうかがえます。

■視聴率調査の中にも、視聴の「質」を表す指標がある

さて、ご覧いただいた番組の【満足度】ですが、実は、視聴率調査の中から算出出来る指標の中にこれと似た傾向を示すものがあります。それが<図表2>で示す【視聴分数割合】で、この指標は「番組を視聴した人が、放送時間のうち何%を見たのか」を表しています。

この【視聴分数割合】と【満足度】の関係を表したのが<図表3>になります。番組カルテの調査対象番組を【満足度】の高い順に50番組ずつグルーピングしてみると、上位グループほど【視聴分数割合】が高くなるという関係が見えてきます。

視聴者は番組を視聴して「面白い」と思えば視聴を続けるでしょうし、「面白くない」と思えばチャンネルを替えたり・テレビを消してしまいます。この一般的な視聴行動を考えれば、上記の【満足度】と【視聴分数】の関係には一定の妥当性があると考えられると思います。

■番組の健康診断に

また、【視聴分数】が【満足度】と関係性があると考えれば、番組の健康診断的な使い方をすることも可能です。<図表4>は、ある2つの番組について、5年ごとに【視聴分数割合】と【満足度】のスコア推移を比較したものになりますが、いずれの番組とも両スコアがパラレルに動いています。ここから読み取れるのは「番組Aは2010年時に評価のやや下がった時期があったが、そこからの盛り返しが見られる。一方、番組Bは堅調だった評価に翳りが見えており、何らかのテコ入れが必要」というようなことですが、【視聴分数割合】の推移をみていけばこのような「診断」を行えるということになります。

もちろん、番組が放送されている時間帯によって【視聴分数】は影響を受けるため(例:同じ時間帯に見たい番組が複数あればザッピングが発生する可能性がある)、一概に「【視聴分数】の長い番組=【満足度】の高い番組」であるとは言い切れません。しかし、ある程度「外的要因」を排除し比較軸を統一してあげれば、十分に「視聴分数≒満足度」として見ていただける指標であると考えています(例:同じ時間帯の放送番組を比較してみる/同じ番組を時系列で比較してみる)。一度、ご興味のある番組のスコアをご覧になってみてはいかがでしょうか。

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