世界に先駆け5Gを実現する日本! 2020年に具現化させる通信・放送の進化と高度化
24APR

世界に先駆け5Gを実現する日本! 2020年に具現化させる通信・放送の進化と高度化

編集部 2017/4/24 17:00

2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、10Gbps以上の通信速度という5G(第5世代移動通信システム)の実現を世界に先駆けて行おうとしている日本。その中心となる総務省ならびにキーとなる主要企業ではどのような取り組みがなされているのか。2017年4月5日に東京ビッグサイトで行われた通信・放送Week 特別基調講演『通信・放送の高度化に向けた取組み』でのセミナーレポートをお送りする。

■30年間でこんなにも進化した携帯電話サービス

総務省 情報通信審議会(2016.11.29)より

これまで携帯電話サービスは、1G→2G→3G→4Gと進化を遂げてきた。この”G”というのは”Generation”の略で、“第◯世代”を表している。1G からの携帯電話の歴史を振り返ってみると……

今からおよそ30年前、第1世代と呼ばれるアナログ方式の自動車電話やショルダーフォンが登場。続く第2世代では、ポケベルやPHSが登場した。そして第3世代ではインターネット接続が可能になり、携帯電話で音楽やゲーム、映像が楽しめるようになった後、スマートフォンが導入され一気に主流化。第4世代と呼ばれる現在では光ファイバーと同等の通信速度が実現し、動画視聴もスムーズに行われるようになった。現在は第4世代にあたるわけだが、きっとこの30年の歩みを経てきた人たちならば4Gの通信環境でも十分満足だと感じている人も多いであろう中、次世代通信技術5Gでは、いったいどんな進化を遂げるのか、その点を総務省 総合通信基盤局 局長 富永昌彦氏の発表から抜粋し紹介したい。

■2時間映画が3秒でダウンロード! 次世代通信技術「5G」の3つの主要性能

[写真]総務省 総合通信基盤局 局長 富永昌彦氏

富永氏によると、5Gの主要性能は主に3つあるという。
 1、超高速=2時間の映画を3秒でダウンロード
 2、超低遅延=ロボット等の精緻な操作をリアルタイム通信で実現
 3、多数同時接続=自宅部屋内の約100個の端末・センサーがネットに接続

これらの具体例として、2(超低遅延)では車の自動運転や遠隔手術といったことが可能になるほか、3(多数同時接続)では人が多いスタジアムやスクランブル交差点といった場所でも電波に接続しやすくなるという。

総務省 情報通信審議会(2016.11.29)より

富永氏の発表を補足しさらにわかりやすく噛み砕くと、現在、インターネットを利用したりメールを読んだりするには、自ら能動的にネットワークの世界にアクセスする必要がある。それが5Gの時代になると、身の周りに存在するあらゆるものが自動でネットワークに繋がるようになるため、 現在のようにスマホを操作しなくても必要な情報が自ずと入るようになるのだ。それには、社会のいたるところにセンサーが置かれ、5Gのネットワークにその情報が乗ることで実現されるわけだが、その頃にはスマホも腕時計型や眼鏡型のウエアラブル端末が主流になっており、 そこに情報が入ったり、従来のスマホ同様、通話や動画も見られる機能が搭載されているという。

総務省 情報通信審議会(2016.11.29)より

上記以外の実例を日常生活であげると、出勤時に「降水確率が高いから折り畳み傘を持って出た方がいいですよ」と教えられたり、卵や牛乳といった冷蔵庫に常備している食材が切れそうになると、購入を促されたりするようになる。あくまでもこれは一例で、先ほどもお伝えしたように、身の回りに存在するあらゆるものがネットワークに繫がるようになるため、すべてにおいて変化する5Gの時代がやってくると考えてよいだろう。

■高周波数帯域の開拓により実現する5G

ここまでの流れから、4Gから5Gへと変わることで、生活そのものがものすごいスピードで進化することが想像できたかと思うが、ではなぜ5Gがこれほどの変化をもたらすのか? それについて富永氏の発表では、1G→4Gと移り行く中で、携帯電話等の普及や免許を要する無線局の増加、それに加え免許不要局がかなり普及したため、電波利用が拡大された。それでも、総務省は、 電波利用を可能とする周波数の確保や適正な電波監理に努めてきたが、とうとう周波数に空きがなくなってしまったことから、そこで電波利用技術の研究開発を推進し、無線通信ニーズの拡大に対応するための、より高い周波数帯の利用に移行させることになったのである。すなわち、既存の技術を高度化し、それを組み合わせることによって、周波数利用効率のさらなる向上、高周波数帯域の開拓、ネットワークの高密度化を実現し、5Gで期待される要求条件に対応できる技術開発が進んでいるのだ。

最後に富永氏は、2020年に開催される東京オリンピックに向け、世界に先駆けた5G実現を目指し準備が進められているが、総務省ではその先をも見据えたネットワークインフラの在り方についての検討やLPWA(Low Power, Wide Area)の利活用の促進、ドローン通信環境の整備推進など、さらなる進化・高度化への動きがあると発表した。

■オリンピック映像をより高品質で楽しめる“フルスペック8Kスーパーハイビジョン”の本格普及化

[写真]日本放送協会 放送技術研究所 所長 黒田徹氏

さて、5Gについて触れたところで気になるのが、これら通信技術の進歩によって放送の役割はどう変わっていくのかという点だ。それについて日本放送協会 放送技術研究所 所長 黒田徹氏より『2020年へ、その先へ、放送サービスの高度化に向けた取り組み』と題した発表がなされた。

同研究所では現在、放送と通信を連携させたNHK Hybridcastサービスを展開しているほか、民放局に先駆けてテレビ番組のインターネット同時配信も行っており、インターネットを活用した新しいテレビ体験を実現するサービスを次々と実現している。当然5Gが実用化されれば、複数のコンテンツを組み合わせた新サービスも展開できるだろうと予測。また、昨年話題になった“フルスペック8Kスーパーハイビジョン”の2018年実用放送開始、2020年本格普及に向けた取り組みも進んでおり、東京オリンピックをより高品質な映像で楽しんでもらえるだろうと展望を語った。

■変わりゆく未来に対応する映像配信サービス

[写真]株式会社NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏

刻々と迫る2020年に向けた5G実現化への取り組み、さらにはその先の未来に向け、各機関が研究・開発を続けている。4Gから5Gへ移行することで、通信速度やデータ量の改善はもちろん実現できる未来は大きく変わるだろう。そうした変化に対応する企業の動きとして、最後に株式会社NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏から『映像配信サービスにおけるNTTぷららの今後の事業戦略』と題した同社の取組みが発表された。

同社は早くから4K映像配信サービスを手掛け、日本最大規模のIPプラットフォームを持つ“ひかりTV”を展開。ひかりTV開始から9年が経ち、4Kコンテンツも拡大され、テレビ向けに提供している放送コンテンツがスマホやタブレットといったマルチデバイスでも視聴可能になった。4Kに対応したスマートTVプラットフォームが完成した今、今後はスマートテレビの4Kプラットフォーム上に様々なコンテンツを追加し、ユーザの利便性向上を目指し、マルチデバイス対応も加速させていくという。

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