テレビ×VR、放送局が挑む360°メディアの未来【Interop Tokyo2017】レポート
09AUG

テレビ×VR、放送局が挑む360°メディアの未来【Interop Tokyo2017】レポート

編集部 2017/8/9 10:00

千葉・幕張メッセで、今年も「Interop Tokyo」が(6月7日から9日の3日間にわたって)開催された。500社を超える企業が最新情報を提供するとあって、3日間で12万人を超える関係者が訪れ、大盛況のうち幕が閉じた。6月8日には、関東の民放4局の見識者がセミナー「テレビ×VR ~本格化する体験配信、テレビ局が挑む360°メディアの未来~」を実施した。

上路健介氏

株式会社ジョリーグッド代表取締役CEOの上路健介氏が司会を務め、パネラーは日本テレビ放送網株式会社・日テレラボ調査研究部主任の加藤友規氏、株式会社テレビ朝日・技術局コーポレートデザインセンターの小林宏嗣氏、株式会社TBSテレビ・ビジュアルデザインセンタークリエイティブ開発部部長の長沼孝仁氏、株式会社フジテレビジョン・コンテンツ事業局局次長兼VR事業部長の種田義彦氏だ。

“世界初”の本格的パラレルVRドラマを完成させたのは、日テレだ。

加藤友規氏

加藤氏はいう。「『ゴースト刑事 日照荘殺人事件』というドラマです。おもしろさに体験というインタラクティブ(相互作用)を加えることによって、視聴から体験へ、不変から可変へをめざします。演出は、『進め!電波少年』でおなじみの土屋敏男さん、大人気脚本家の鴻上尚史さんなど。視聴者がゴースト刑事となり、各部屋を360°見て回って、事件の真相を探っていくという、新しいドラマのフォーマットです」。

“日本初”は、テレ朝だ。7月15日から8月27日まで開催の「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」で体験できる、空間移動型VR“ABAL:DINOSAUR”(アバル:ダイナソー)が、日本初公開。VR空間内を歩き、ふれて、時空を超えた恐竜の世界を冒険できる。

小林宏嗣氏

小林氏は、「これまでにサッカー、ドラマのバーチャル体験イベント、バラエティ、映画などでVRに取り組んできた弊社ですが、今回は歩き回りながら体験できるので、より臨場感を味わえます」と、“祭り”の柱になると胸を張る。

地上波でおそらく初めてVRを採りいれたのは、TBS。15年6月8日、東京・赤坂BLITZで収録した「オトナの!フェスNEXT」では、楽屋とステージに360°撮影用カメラを設置。ユーザーは、各メンバーの演奏を全方位で観られた。

長沼孝仁氏

昨年からは、報道番組『Nスタ』のウェブ上で、東日本大震災からの5年を観られるようになった。また、今年からは『SASUKE2017』のウェブで、プレイヤーの目から見たコンテンツを、360°ビューで観られるようになった。

種田義彦氏

フジは、高いコンテンツシェア率が自慢。「総合デジタルプロデュースがキーワードになっています」と種田氏はいう。フジVRでは、総合格闘技のRIZIN、大相撲中継、ドラマのエンディング、報道、アニメ、プロバスケットボールのB.LEAGUE、日本の名所などが観られ、「VRとAR(拡張現実)を縦軸と横軸で考えながら、総合デジタルパッケージを開発していきたい。正直なところ、まだ定着はしていませんが」と、課題はあるようだ。

コンテンツの種類は①ニュース・ドキュメンタリー②ドラマ③スポーツ④音楽ライブ・舞台⑤お笑い・バラエティ⑥街ブラ・観光。種田氏の言葉を借りれば、「昨年は“VR元年”と期待されましたが、それほど浸透しませんでした」。しかし、2020年の東京五輪に向けて、業界全体がすでに臨戦態勢。テレビ×スマホ×VR×ARから生まれるメディアテクノロジーに、大きな期待がかかる。

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