放送機器展から総合メディア展へ!Inter BEEボードメンバーに聞く注目の企画セッション【前編】
編集部
11月14日(水)から16日(金)までの3日間、千葉・幕張メッセで開催するInter BEE 2018。中でも、放送と通信の融合を展示とプレゼンテーションで提案する「INTER BEE CONNECTED」は、今年で5回目を迎える。同催しは、前年のInter BEEが終了してからほぼ1年をかけて、ボードメンバーが次年度のテーマの選定から内容、登壇者のリストアップや交渉などを一貫して進めており、今回は、ボードメンバーとして初期から参画する株式会社ワイズ・メディア取締役 メディアストラテジスト 塚本幹夫氏に、開催直前インタビューを実施。「こんなに開催前から盛り上がっている年はない」と、塚本氏が語る“今年のINTER BEE CONNECTED”の企画セッションについて伺った。
■INTER BEEは放送機器展から総合メディア展へ

塚本氏は、大学卒業後フジテレビに入社。バラエティ番組のアシスタントを2年経験した後、報道記者、ニュース編集長などを経て2007年にインターネット事業の責任者に抜擢。在京キー局で初となるプライムタイムのドラマ・バラエティ配信を開始した。そして2010年に IT戦略担当局長に就任してからは、メディアの渉外担当のような業務を行ってきたという。長くテレビ局に努めていた塚本氏は、「だんだんとテレビ業界全体の為に働きたいと思うようになった」と、2016年にフジテレビを退社。同年6月に株式会社ワイズ・メディアを設立した。現在は、同社取締役メディアストラテジストを務める傍ら、フラー株式会社常勤監査役、筑波大学客員教授、株式会社ビーマップ顧問、株式会社Jストリーム、Inter BEEアドバイザーと複数の肩書を持ちながら、メディア戦略家として活躍している。
フジテレビ在籍時代から、Inter BEEには欠かさず足を運んでいた塚本氏は、「Inter BEEは、アメリカで開催される世界最大級の放送機器展『NAB Show』に相当する展示会。もともとは放送機器展であったが、今は“総合メディア展”という位置づけが相応しいかと思う。家電見本市だった『CEATEC JAPAN』が、現在CPS/IoTの総合展への変革を進めているのと同様、Inter BEEも脱・放送を掲げ、ドローンやVR、5Gといった新たな分野をどんどん目指して行っている」と、“もはや技術だけではない”現在のInter BEEの魅力が語られた。
■INTER BEE CONNECTEDを支えるボードメンバーの活躍

INTER BEE CONNECTEDを支える初期ボードメンバーの1人である塚本氏は、5年間同催しに携わるうちに、「放送というものを実業でわかっている人たちが、放送局で新しいサービス、ビジネスを模索している人たちにどんな情報を提供するかが大切である」と思うようになっていったという。そのため、この5年の間には、ボードメンバーの一部を改編し、テレビ局、広告代理店、フリーのメディア関連のストラテジストやアナリストといった、自らも現場で活躍するさまざまな立場のメンバーを集結させた。
ボードメンバーは、テレビを中心とするメディアの新しいトレンドを探り、どんな催しにするかを検討。リーダーとしてメンバーを取りまとめる塚本氏は、「非常に個性豊かなメンバーが揃うため、会議では毎回のように白熱の議論が繰り広げられ、今年も夏頃にようやく骨格が決まりました」と話す。以後、今日まで、登壇者のアサインやオファー、構成の見直し等の作業を繰り返しながら当日を迎えようとしている。
■INTER BEE CONNECTED史上初の試みを実施
10月末時点で、基調講演はすでに300人を超え、各セッションも昨年以上に申し込みが伸びているようだ。「過去、セッションによっては、多くの人が立ち見になってしまうということもあり、ご迷惑をおかけしたところもありました。しかし、今年で5年目。これまで培ったノウハウをもとに、来場者にも気持ちよく参加してもらえたらと、今年から事前登録制を導入しました」と、改善を図ったとのこと。また、早い段階からメディアへ露出したことも手伝い、今年は早くも空席が残りわずかなとなってしまったセッションが続出するなど、例年にない盛り上がりを見せている。
また、各セッションにおいては、“インターネット時代にテレビというものをどういう風にとらえたら良いのか”を前提に、定番もの、伝統芸もの、新しい要素を加えた、その年の注目の話題を取り上げている。「来場者が興味を絞ってセッションを聴講できるように、今年は日別にテーマを設けました。うまくスケジューリングして、会場も回ってもらえたらと思います」。

中でも、15日17時半から開催される「After Hours! ユーザ目線でのテレビの未来(仮)」は、これまでにない試みとして注目を集めている。「展示場が終わった後に開始する同セッションは、お酒を飲みながら登壇者と聴講者でテレビについてインタラクティブな議論をする新しい催しです。ぜひたくさんの方に参加してもらいたいですね」と言いながらも、「結末はどうなるか誰も予測できない」と塚本氏は笑って話した。
後編では、3日間の企画セッションのラインナップと概要について、さらに詳しくインタビューした内容をお届する。