『OHK手話実況アカデミー』がバリアフリーの国際賞「ゼロ・プロジェクト・アワード2024」を受賞
編集部 2023/12/15 17:00
岡山放送株式会社(本社:岡山市北区下石井二丁目10-12 、以下OHK)が30年継続する手話放送の実績を生かし、障がいの有無に関わらず誰もが一緒にスポーツ観戦を楽しめることを目指し立ち上げた『OHK手話実況アカデミー』が、世界中のバリアをなくす取組を行っている団体「ゼロ・プロジェクト(本部:オーストリア・ウィーン)」の国際賞「ゼロ・プロジェクト・アワード2024」を受賞した。OHKは2021年に続き2度目の受賞となる。
「ゼロ・プロジェクト」は、国連障害者権利条約の理念に基づきバリアのない世界を目指し活動することを目的に、2008年オーストリアのエッスル財団によって創設された。毎年「ゼロ・プロジェクト・カンファレンス」をオーストリアの国連事務局で開催しており、障がい者の生活向上のために世界中で行われている革新的な実践や政策の発表を行うとともに、「ゼロ・プロジェクト・アワード」の表彰を行っている。このことからバリアフリーのアカデミー賞とも例えられる世界で唯一の国際賞と言われている。
今年のアワードには97か国から526のノミネートがあり、国際的な障がいインクルージョンコミュニティの専門家による審査を受け、革新性、影響力、拡張性という3つの基準に基づいて43か国77の取組が選出された。日本の受賞は3団体で、OHKのほか、色覚異常の人を補助するソフトウェア開発と提供を行う両備システムズ(岡山)と、手話を取り入れた合唱団・ホワイトハンドコーラスを手掛けるエルシステマ・コネクト(東京)が受賞、岡山市から2団体が選ばれた。
OHKが受賞した『OHK手話実況アカデミー』の取り組みは、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(東京都文京区、理事長:豊田章男)が企画した2022年アイデアコンテスト「Make a Move PROJECT」で、多様な人がレース観戦を楽しむためのアイデアとして、モータースポーツのリアルタイム手話実況を日本で初めて実施、その後も同基金の助成を受けながら『OHK手話実況アカデミー』を創設した。手話実況の人材育成と技術向上を目指し、ろう者や手話通訳者とともに様々な研修や実践を重ねていることが評価された。
ゼロ・プロジェクト・カンファレンスは来年2月21~23日の3日間、ウィーンの国連事務局で開催される。OHKはゼロ・プロジェクトの教育プログラム「スケーリングソリューション」12団体にも選出されており、手話実況の取組を世界に向けて広く発信する予定だ。