“ポスト有機EL”も登場!? CES 2018に見るテレビ新時代
02FEB

“ポスト有機EL”も登場!? CES 2018に見るテレビ新時代

 IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志 2018/2/2 10:00

2018年1月に、米ラスベガスでCES 2018が開催された。ここ数年で「自動運転」をはじめとする自動車関連技術の注目度が高まっているものの、家電の華である薄型テレビにも新たな製品や技術が毎年登場している。2017年には日本でも“ポスト液晶”である有機ELテレビが各社から登場したが、“ポスト有機EL”とも言える薄型テレビ技術も参考出展ながら展示された。CES 2018に見る薄型テレビの新トレンドを紹介しよう。

ラスベガス・コンベンション・センターの様子

■日本メーカーの有機ELテレビの行方も左右するLG

まず注目したいのが韓国のLGエレクトロニクスだ。液晶テレビを凌駕する画質を実現するということで注目されているのが有機ELテレビだが、現状ではこのLGがソニー、東芝、パナソニックに有機ELパネルを提供している。もちろん映像エンジンを使った絵作りによって画質は異なるものの、元のパネルは同じなため、その動向は注目される。

CES 2018でLGが発表した有機ELテレビ「LG AI OLED TV ThinQ」は高画質回路「α9」に加えて、独自開発の音声AIアシスタント「LG ThinQ」を搭載したのが大きな特徴だ。従来のスマートテレビと同様に「Googleアシスタント」にも対応し、音声でテレビをコントロールしたり、YouTube動画を検索して表示したりできる。

Googleアシスタントに対応すれば十分という考え方もあるが、独自開発することで他社のサービスを使うことによる“ブラックボックス化”を避けるという狙いもあるのだろう。2017年には音声AIアシスタントを搭載する「スマートスピーカー」が登場して注目を集めており、今後はさらに「音声で家電を操作する」というのが当たり前になってくると見られる。他社も独自音声AIアシスタントを搭載するようなスタイルになっていくのかは不明だが、そういった点でも今後の動向に注目したい。

■サムスンは「マイクロLEDテレビ」を参考出展

“ポスト有機EL”として注目したいのが、サムスンが参考出展した「The Wall」だ。これは画面全体に敷き詰めたRGB(光の3原色)の小型LEDを直接発光させることで、最大2000ニットの明るさと高コントラストを実現するというもの。2012年にソニーが参考出展した「Crystal LED」と似た技術と言える。

4Kテレビなら約2500万個(3840×2160ピクセル×3原色)、8Kテレビともなるとその4倍ものLEDが必要になるため、“ポスト有機EL”と呼ぶには実現性が低いかもしれない。しかし有機ELテレビはLEDバックライトを用いる液晶テレビに比べて最高輝度が低いことがネックのため、こういった最新技術の今後の動向にも注目したい。

AI関連では、独自開発の音声アシスタント「Bixby」を活用し、IoTプラットフォーム「Smart Things」の更なる拡大を目論む。

■パナソニックは新規格「HDR10+」に対応

パナソニックは「VIERA FZ950シリーズ」と「FZ800シリーズ」を発表したが、最大の特徴は新規格である「HDR10+」フォーマットに対応したことだ。「HDR」というのは「ハイダイナミックレンジの略で、4K・8K放送やUltra HD Blu-ray(4Kブルーレイ)に採用されている高画質化技術の一つ。映像のコントラスト差をより明確に表現できる技術として、4K・8K時代の高画質化には解像度だけでなく「HDR」への高度な対応が重要なカギを握る。

「HDR10+」は従来の「HDR10」に比べてシーンごとに輝度情報の最適化ができるようになり、特に中輝度域での表現力が向上しているのが特徴だ。

■ソニーは高画質エンジンの次世代モデルを発表

ソニーは、高画質エンジンの次世代モデル「X1 Ultimate」のプロトタイプを発表した。最新の有機ELテレビにも搭載している現行の「X1 Extreme」の次世代に当たるもので、85V型の8K液晶ディスプレイでHDR規格の上限である1万ニット(輝度の単位)という超高輝度の映像をデモしていた。

ソニーは8Kテレビを発売するといったアナウンスをまだしていないが、2018年12月の4K・8K放送スタートに向けて着々と準備が進められていることだろう。

■中国ハイセンスは「Alexa」搭載テレビも

中国のハイセンスも2018FIFAワールドカップオフィシャルスポンサーとして日本市場に進出しており、その動向は注目される。ユニークなのは「Amazon Alexa」対応テレビだ。

いわゆる「スマートテレビ」の主流はGoogleが提供するAndroidをベースにした「Android TV」になっていることもあって、音声AIアシスタントは「Googleアシスタント」が主流だ。一方でスマートスピーカーとしては先行するAmazon Alexaが米国では大きなシェアを取っており、今後どのような業界地図になっていくのか、その動向にも注目が集まっている。YouTubeなどのサービスを持っていることもあってGoogleアシスタントが優勢だとは思われるが、LGのように「選択できる」というのはユーザーにとってうれしいポイントではあるだろう。

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