31 MAY

フジテレビ、映像情報メディア学会で技術振興賞2部門を同時受賞

編集部 2020/5/31 18:00

フジテレビが、5月29日(金)に開催された一般社団法人・映像情報メディア学会の第66回定時社員総会で、2019年度(第47回)技術振興賞の進歩開発賞(現場運用部門)とコンテンツ技術賞の2部門を同時受賞した。進歩開発賞は3年連続、コンテンツ技術賞は2年連続の受賞となった。

進歩開発賞を受賞したのは“クラウドを活用した「総合コンテンツ管理システム」の構築”。フジテレビは、それまでVTRで管理していた番組素材をデータファイルとして管理する「総合コンテンツ管理システム」を2019年2月から稼働させている。このシステムでは、放送用番組素材とインターネット動画配信用番組素材などをデータファイルとして一括管理。放送が終了したアーカイブ素材はクラウドサービス上に保管することにより、必要となる機材とスペースを減らしてコストを削減し、運用の自動化と省力化を実現。これらの功績が評価され今回の受賞となった。

コンテンツ技術賞を受賞したのは“放送と連携した気軽に楽しめるマルチアングル映像コンテンツ~CMAF-ULLによる超低遅延配信技術の実用化~”。従来のライブ配信では15~45秒もの遅延時間が課題であったが、新たに「CMAF-ULL」(Common Media Application Format – Ultra Low Latency)と呼ばれる超低遅延化技術を実用化することで、従来同様に運用が容易でかつWebブラウザで気軽に視聴できる環境を保ちつつ、遅延時間を地上デジタル放送と同等の2~3秒程度と大幅に改善。実際に『FIVB ワールドカップバレー』(2019年9月14日~10月15日の日本戦全22試合)、『サッカー・キリンチャレンジカップ2019』(2019年11月19日)、『東アジア E-1サッカー選手権2019』(2019年12月17日・18日)では、テレビ放送を見ながらほぼ同じタイミングで、スマートフォン等で注目選手や会場映像を楽しめるマルチアングルライブ配信コンテンツを提供することに成功した。

このCMAF-ULLの大規模な実用化は、システム構築に用いたAWS(アマゾン ウェブ サービス)のマネージドサービスにおける世界で初めての事例でもあり、これらの功績が評価され今回の受賞となった。