03 MAR

「VOD」「SNS」のアプリ利用率が伸長!マクロミル、エルダー・シニア層のインターネット利用動向を分析

編集部 2021/3/3 14:30

株式会社マクロミル(本社:東京都港区)は、エルダー・シニア層のインターネット利用動向について、スマートフォンの「アプリログデータ」とインターネットリサーチによる「アンケートデータ」を使用し分析した結果を発表した。

分析背景として、ネットの利用率は近年大きく増加。特に60代以上の利用率増加によって引き上げられおり、年代別に見ると、2019年の時点で60代は9割に達し50代以下とほぼ変わらない利用率となっている。また、70代でも7割、80代以上も6割と過半数が利用しており、シニア間でもネットの利用が広く普及している(図1-1)。また、50代以上を中心にスマホでのネット利用が伸長し、50代以上のスマホユーザーが後押ししている(図1-2)。

このようなネット利用者の変化を踏まえ、50歳以上をエルダー層、65歳以上をシニア層と定義し、同社が保有するスマホの「アプリログデータ」とインターネットリサーチによる「アンケートデータ」を使用して、最新のエルダー・シニア層におけるネット利用状況の詳細を分析。その結果、2020年下半期のエルダー・シニア層のメディア利用頻度は、テレビ(6.6日/週)、ネット(5.3日/週)、新聞(4.2日/週)、ラジオ(2.0日/週)である。また、ネット利用については、パソコンの利用が(5.4日/週)、スマホの利用が(5.3日/週)。一日当たりの利用時間は、ネット(3.3時間/日)が、テレビ(3.2時間/日)をわずかに上回っている。この半年で利用の増減を尋ねると、「ネット利用が増えた」が3割、「テレビ利用が増えた」が2割半で、ネット利用が増えたと答えた人が多い結果となっている。

アプリのカテゴリーごとに利用率を見ると、高いものから「Movie」「SNS」「News」「Music」「VOD」となっている。「VOD」と「SNS」は直近1年以内も、まだ伸長を続けている(図2-1)。「VOD」と「SNS」の直近1年の利用率増加を後押ししたアプリは、VODでは「Netflix(+1.0Pt)」「Amazon Prime(+0.9Pt)」、SNSでは「Instagram(+4.2Pt)」「LINE(+2.6Pt)」「Twitter(+0.9Pt)」。(図2-2)。利用時間は、「YouTube」の伸長が目立ち、2019年7月時点では179分/月、2020年12月では280分/月と、1年半で約1.5倍に増えている。2020年下半期では、「LINE」の利用時間に迫る勢いで伸長したことからも、エルダー・シニア層が「YouTube」を定常的に利用するようになった様子がうかがえる。また、「TikTok」や「ABEMA」は新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2020年3月前後から利用時間が上昇している。一方、「SmartNews」や「Twitter」、「Facebook」は、2020年3~5月に上昇が見られたが、その後、以前の水準となっている(図2-3)。

利用率、利用日数、利用時間の3つの指標で各アプリのポジションをまとめると、利用率により大きく3つのグループに分かれる(図2-4)。利用率高グループの「LINE」「YouTube」は、この1年の伸長を鑑みると、まだまだ頭打ちとは言えない様子。利用率が中・低のグループでは、エルダー・シニア層に受け入れられるアプリが二極化しています。間口(利用率)も奥行(利用日数や時間)も増加している「Instagram」や「TVer」は、エルダー・シニア層のスマホ利用増に伴い、今後も利用が拡大していくと推察される。

<概要>

・リサーチについて

■分析対象:Androidデバイスを保有するスマートフォンアプリモニタ 全国50~69歳の男女
■有効回答人数:2020年12月 15,509名
■割付:性別・年代・エリアで割付し、スマートデバイスインターネット利用人口にウエイトバック

・アンケートデータについて

■調査主体:マクロミル
■調査手法:インターネットリサーチ
■調査対象:全国20歳以上の男女(マクロミルモニタ会員)
■有効回答人数:1,974名(エルダー・シニア層907名、一般層1,067名)
■割付:性別・年代・エリアで人口構成比に合わせて割付

※分析対象は、一般層に含有するエルダー・シニア層も含めた1,489名

■調査期間:2020年12月4日(金)~12月8日(火)

※1 主要ネットメディア: SNS LINE 、 Twitter 、 Facebook 、 Instagram )および、動画サービス( YouTube 、 TVer 、 ABEMA 、 TikTok )と定義

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