左から)日本テレビ ICT戦略本部 鈴木努氏と岸 遼氏 営業局デジタル営業の石原大士氏

12 MAR

日本テレビ、ドラマ『おしゃれの答えがわからない』の斬新的な展開に注目! 「2.5どら」やホットペッパービューティーとのコラボCMなどの狙い~担当者インタビュー

編集部 2021/3/12 08:00

“めるる”こと生見愛瑠の初主演ドラマ『おしゃれの答えがわからない』(日本テレビ※関東ローカル、毎週日曜深夜)は、2月28日の地上波初回放送に先駆ける形で「2.5どら」と呼ばれるマンガフォーマットでの配信をスタートさせたり、ホットペッパービューティーとのコラボCMも流したりするなど、さまざまなメディアを活用したコンテンツ発信を行なっている。

ドラマ全体の企画・プロデュースする日本テレビICT戦略本部の鈴木努氏、「2.5どら」の仕掛け作りを担当した同本部の岸遼氏、そしてスポンサーとの新たな関係性を築いていった営業局デジタル営業の石原大士氏に、今回の取り組みの経緯や狙いなどについて伺った。

■ドラマ初主演“生見愛瑠(めるる)”の変身した姿や振り切った演技が話題に!

『おしゃれの答えがわからない』は、生見愛瑠が主役の「おしゃれアレルギー」を持つ地味な大学生・木ノ宮茜役を演じる青春ラブコメディ。ちょっと不思議なカリスマ美容師・マコトを浜野謙太、大学の同級生・富永悠人役を佐藤流司、須藤愛華役を鈴木ゆうかが演じる。

鈴木氏:コロナ禍でいろんな思いを持ちながら卒業シーズンを迎えている学生に対して、若い人たちが前向きになれるようなメッセージが届けばいいなというドラマです。中身はラブコメなので、結構振り切った内容になっていますね。

岸氏:そうですね、思いっきりやらせていただいています(笑)

鈴木努氏

茜が小・中学校時代の同級生で人気者の悠人に大学で再会し、「相変わらず地味だなー、お前」と言われたことがきっかけとなり、マコトの力を借りて見違えるほどのおしゃれ女子に変貌を遂げていくストーリー。しかし茜には「おしゃれアレルギー」があり、事あるごとに白目を剥く、キラキラゲロなどしながらも克服をしていくという展開だ。

鈴木氏:ドラマ初主演の生見愛瑠さんが、白目などのチャレンジングな演技もしっかりとこなしてくれていて、「あそこまでやるんだ!」といった驚きの声が出ています。

生見愛瑠さん本人もモデルとして注目を浴びるようになる前には、ドラマの中の茜と同じような経験をしていたということもあり、共感が好演を生み出しているという一面もあるそうだ。

■「2.5どら」でスマホしか見ない層にもアプローチを

『おしゃれの答えがわからない』は、さまざまなメディアを活用して今までにない発信・配信を行っており、「2.5どら」は、ドラマの内容をマンガのフォーマットに落とし込んだ2.5次元ドラマ。動く実写マンガとも言え、ドラマ1話分のストーリーが月~土曜日に分けられて複数のプラットフォームに先行配信されている。

岸氏:ドラマはコンテンツ自体が完成品ですごく大きな情報量を持ちますが、もう少しライトに触れてもらえないかと思って作ったのが「2.5どら」です。

鈴木氏:岸さんの発明ですよね!

岸氏:テレビの代わりにスマホを見ている世代に、テレビ派生のコンテンツを届けるのにはどうすればいいかと考えた時に出たものです。2年前から企画だけはありましたが、同じ部署に来た鈴木さんに見せたところ、いつの間にか企画が通っていました(笑)。

岸 遼氏

テレビ発の動画コンテンツは、スピンオフなどのアナザーストーリーや番組の一部を切り出したものなど、ドラマ本編を加えて制作されるものがあるが、この「2.5どら」はドラマの内容をすべて、しかも本編の地上波放送に先駆けて配信される。

岸氏:スマホだけを見ている人は、ドラマのコンテンツすべてを見られないという問題がありました。それなら全部楽しんでもらって完結して、それでも「この『2.5どら』は映像になったらどう見えるんだろう?」と地上波の放送を見てもらうのが流れとしてはいいのではないかと考えました。

鈴木氏:映像が見たくなるという飢餓感が生まれるという計算はしていましたけれども、岸さんが全部出すとは思っていませんでした(笑)。

「2.5どら」の反響は大きいようで、今まで見たことがないコンテンツだとネット上で話題となっている。また、この実写マンガは「SmartNews」「めちゃコミック」「Renta!」「TikTok」というプラットフォームでも配信されている。

鈴木氏:普段あまりテレビに触れていない人たちに、テレビのコンテンツが届けられるというのは、すごく大きなことだと思っています!

■ドラマ連動CMなど多方面のメディアにも積極展開!

今回の取り組みは、地上波での本放送、TVerなどデジタルでの二次利用、「2.5どら」と3方向に展開している。この流れを受ける形で、ホットペッパービューティーとの連動CMもドラマ本編の放送前にオンエアされている。

石原氏:連動CMでは、スマホでホットペッパービューティーを使って主役の茜がサロンの予約をしています。ドラマ本編では見えない部分がCMで種明かしされるという、視聴者にとっては面白く見ることができる内容です。

石原大士氏

鈴木氏:ドラマの番宣にもなりますし、ホットペッパービューティーの広告にもなるという両者Win-Winの形で、CMはドラマが始まる1週間前に流しました。生見愛瑠さん本人のSNSなどでも発信してもらっていたので、演技と役柄も相まって反響が大きかったですね。

石原氏:今までになかった3方向の展開によって放送とデジタル、コンテンツと広告が融合が実現された感じがあります。テレビ局とは思えない(笑)、面白い作品になっていると思います。

<おしゃれの答えがわからない×HOT PEPPER Beauty 連動CM#1「新しい出会い篇」>

その他に、ドラマ主題歌の「color」は、TikTokを中心に活動している「ポケットからきゅんです!」でブレイクしたひらめさんが書き下ろしていたり、ドラマ放送前にはドラマ出演者が本人のTwitterアカウントで積極的に視聴を呼びかけ、真夜中にTwitterでトレンド入りするほか、プレスリリースも頻繁に出してYahoo!トピックスなどのデジタルメディアに取り上げられる回数を増やすなど、多方面にドラマコンテンツが露出する仕組みを作り出している。

鈴木氏:現場でInstagramの投稿を行っていると、出演者の方から「私も撮影してくださいよ! 公式インスタ出たいです!」といった声もあり、チーム全体がSNSへの露出に対して積極的だということがすごく大きいです。

現場にて)石原氏とスティーブ役の當間ローズさん!

石原氏:営業にいる人間ではなかなか思いつかない斬新な取り組みだと思います。これからも2人のアイデアからどうマネタイズしていくかを考えていきたいと思います。

鈴木氏:確かに。まだ断片的でトータルの取り組みが見えていない中でも、「どういう仕組みになっているの!?」といった問い合わせが多いですね。

岸氏:「2.5どら」は全部で24話作ります。露出するメディアもコンテンツの量も多くて、本当に大変な作業量ですが、最後の放送が終わる頃にようやく全体が見えるものになると思います。

石原氏:テレビ局と新しい取り組みをやる際には、ぜひ、日本テレビに考えさせてください!

初回放送後、一時はTVerの再生回数ランキングで11位のポジションを得る結果となった。数あるプラットフォームを横断した取り組みがどういう結果に結びついていくのか、引き続き注視していきたい。

■2.5どら配信プラットフォーム

【SmartNews】
https://b.smartnews.be/sr/wCi63whxNkEb6rVmoGhB7xc

【めちゃコミック】
https://sp.comics.mecha.cc/

【Renta!】
https://renta.papy.co.jp/

【TikTok】
https://www.tiktok.com/@oshakota

■動画配信(TVer)
https://tver.jp/corner/f0068838