毎日放送、PTPを利用した放送TS信号のIP伝送実証実験に成功
編集部 2021/3/19 14:00
毎日放送、株式会社メディアリンクス、セイコーソリューションズ株式会社は、PTPを利用した放送TS信号のIP伝送実証実験に国内初(※2021年3月3日現在)で成功したと伝えた。
PTP(Precision Time Protocol)とは、高精度な時刻同期を行うための次世代プロトコルのことで、1μs(100万分の1秒)以下の時刻同期確度が担保でき、時刻はもちろん、周波数基準として利用可能。
これまで、GPSを用いた独立同期方式でのIP伝送実験は実績があるが、今回のPTPを利用した従属同期方式での伝送成功は国内で初めて。地上デジタル放送中継ネットワークの冗長化は、災害時等の放送の継続にも非常に重要であり、従属同期方式を採用している放送局にとっては大掛かりな改修をすることなく、SFNを構築している親局、中継局といった送信所への伝送が実現可能となる。
今回の実験は、メディアネットワークの高い技術力を持っているメディアリンクスと、放送業界のIP化システムに欠かせないPTP同期をサポートするセイコーソリューションズ、そして近畿広域圏で地上基幹放送事業を行う毎日放送の3社が協業して実現した。
今後、海上伝搬、遠距離異常伝搬などの不安定伝送路に代わる新たなルートとしても期待でき、仮に見通しがない送信所間も新たにマイクロ基地局を建設しなくても、短時間で構築できる。引き続きIPとPTPをベースとしたSFNの実現に向けて、各種検証に取り組んでいく。
<製品の紹介・MDP3020 SFN>
・メディアリンクス
https://jp.medialinks.com/products/ip-edge-devices/mdp-3020-ip-media-gateway/
・TS-2950(セイコーソリューションズ)
https://www.seiko-sol.co.jp/products/time_server/time_server_lineup/time_server_pro/
・TS-1550(セイコーソリューションズ)
https://www.seiko-sol.co.jp/products/time_server/time_server_lineup/time-server-pro-ts-1550/