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毎日放送、映像’20「支え合い~中国残留邦人と介護施設~」で坂田記念ジャーナリズム賞を受賞

編集部 2021/3/28 20:00

株式会社毎日放送は、第28回坂田記念ジャーナリズム賞において、同社が製作・放送したテレビドキュメンタリー『映像20支え合い~中国残留邦人と介護施設~」が、第2部門(国際交流・国際貢献報道放送の部で坂田記念ジャーナリズム賞を受賞した。

受賞番組を制作した和田浩ディレクターは、前年度も『映像’19使い捨て異邦人~苦悩する外国人労働者たち』で、第2部門放送の部特別賞を受賞しており、国際問題を描いた作品で2年連続の入賞です。坂田記念ジャーナリズム賞は、新聞・放送の報道を通じて関西の文化発展に貢献した故・坂田勝郎氏の遺志を継承するために発足した公財坂田記念ジャーナリズム振興財団が、関西を拠点にした優れた報道活動を顕彰するもの。受賞番組の概要は下記の通り。

番組名:映像20支え合い~中国残留邦人と介護施設~
放送日時:2020年9月27日(日)24:50〜25:50

スタッフ:プロデューサー奥田雅治(報道局ドキュメンタリー報道部)
     ディレクター和田浩(報道局ドキュメンタリー報道部)

中国出身の田山華栄さんは日中障害者交流の仕事に取り組む過程で、中国残留孤児が高齢化し言葉や文化の壁で日本の介護施設に馴染めないケースを知った。彼らが通いやすい施設を開こうと2020年1月、夫・幸雄さんと高齢者介護施設「三和之家」を開いた。中国語ができる残留孤児2世の介護員も配置している。開所直後からコロナ禍で利用者は減少し、開業費用の返済が重くのしかかるが、利用者が少なくても施設を開け続け、1食200円と格安で昼食提供をする。施設に通う宮島満子さんは終戦時、中国・旧満州にいた。当時9歳だった宮島さんは、両親と兄弟姉妹の8人を亡くし、中国人養父母にもらわれ、2人の兄たちとも生き別れた。19歳で結婚、4人の子供に恵まれ50歳で日本に永住帰国。宮島さんにとって「ここは過酷な人生を送った私にとって、憧れた祖国で楽しく過ごす、最後の場所」だという。戦後75年の夏、高齢化した中国残留孤児たちとそれを支える人たちの声を聞いた。