リモート収録システムを使った『99人の壁』番組画面 司会:佐藤二朗氏

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フジテレビ『99人の壁』リモート収録システム、映像メディア学会技術振興賞コンテンツ技術賞を受賞

編集部 2021/4/23 10:00

フジテレビの“『超逆境クイズバトル!!99人の壁』リモート収録システムの開発”が、4月21日(水)に行われた一般社団法人・映像情報メディア学会の理事会で、同学会が主催する2020年度(第48回)技術振興賞・コンテンツ技術賞を受賞した。フジテレビがコンテンツ技術賞を受賞するのは3年連続となる。

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『超逆境クイズバトル!!99人の壁』(毎週土曜19時~)は、1人のチャレンジャーが壁となった99人のブロッカーと早押しクイズなどで戦うクイズ番組で、毎回スタジオに100人を超える参加者を集めて収録を行っていた。コロナ禍により参加者をスタジオに集めての収録ができなくなったため、ブロッカーが自宅からリモート参加し、スタジオのチャレンジャーと早押しクイズ対決ができるシステムを開発した。

本システムは、スマートフォンを利用した「リモート早押しシステム」と100人を超える参加者に一斉に個別情報連絡を行う「参加者連絡システム」をAWS(Amazon Web Services:アマゾン ウェブ サービス)上に自社開発し、一般的なweb会議システムと組み合わせたものだ。

参加者連絡システムは、従来は番組スタッフが一つひとつ手作業で参加者個人宛にメールをしていた情報を正確に一斉に送信するシステムで、これにより大幅な作業時間の削減と人為的な誤りの軽減を達成した。またリモート早押しシステムをスタジオセット内の電飾や音響と連動させる仕組みも開発し、コロナ禍における参加型番組収録に大きく貢献した。

コロナ禍において各社がリモート収録を工夫して行う中で、新規 開発技術と既存技術を有効に組み合わせ、番組の演出方法を守りつつ、リモート参加者による早押しクイズ番組の制作手法を 約3カ月の短期間で確立した本システムの有効性とアイデアが高く評価され、今回の受賞となった。

プロジェクトマネージャー/リーダー 上田容一郎氏(フジテレビデジタルコンテンツ部)

■プロジェクトマネージャー/リーダーの上田容一郎氏(フジテレビデジタルコンテンツ部)コメント

「この試みはコロナ禍が始まった当時、制作者達が世の中の皆様と同じように不安な気持ちや苦悩を抱えながら生活している中で、“何か少しでもほんのわずかであっても視聴者の皆さまにエンターテインメントの力で希望を示せないか? 明るい未来を感じてもらえないか?”と部署の垣根を越えて会社の仲間が一丸となって取り組んだ挑戦でした。今回いただいた名誉ある賞は僭越(せんえつ)ながらフジテレビの仲間との記念碑とさせていただこうと思います。本当にありがとうございました」

『超逆境クイズバトル!!99人の壁』公式サイト