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ニールセン、スポーツコンテンツの視聴行動と意識に関する調査結果を発表

編集部 2021/6/1 10:00

ニールセン デジタル株式会社(東京都港区)は、視聴者のスポーツコンテンツに関するメディアと広告の視聴行動と意識に関する調査の第3弾である「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2021 Vol.3」をもとに、消費者のスポーツコンテンツ視聴についての分析結果を発表。

実際に多くのスポーツで、「ファンがいない風景が寂しかった」、「応援の音・声がなくて寂しかった」と感じる人も多く、各スポーツの無観客や縮小された試合をメディアなどを通して観戦した約20%の人は、試合が無観客/縮小されたことが要因で、以前に比べて観戦頻度が減っていたことがわかる。一方で無観客試合を観戦した人の中には、打球音や選手の声が聞けることを新鮮に感じたり、選手のプレイに集中できたりと、新しい楽しみ方の発見もあり、多くは無観客であっても観戦し続ける意向があることもわかった。実際に過去1年に、インターネット利用者の32%が無観客、または縮小して実施された試合をメディアなどを通して観戦しており、観戦者数上位3つのスポーツを見ると、観戦者の約80%が、観戦頻度は変わらない、もしくは増えたと回答した(図表1)。

また、オリンピック・パラリンピックが無観客で開催された場合、インターネット利用者の83%、スポーツ関心層の81%の人が「大会への関心は変わらない、もしくは高まる」と回答しており、共に高い水準となっている(図表2)。スタンドが無観客になった場合でも、他の多くのスポーツイベントと同様に、オリンピック・パラリンピックはファンからのサポートが期待できるのではないか。ソーシャルディスタンスが推奨される中で、今までとは異なる形の応援が定着しつつあり、今まで通りの楽しみ方ができないからこそ、数多くのファンは従来のテレビを始めとするメディアでの観戦に加え、自身のニーズに合わせた観戦ができるデジタルコンテンツに観戦スタイルをシフトしていく可能性が高い。コンテンツを提供する企業としては、ファンのデジタル体験を最適化する施策を検討することが重要。

ファンの無観客試合に対してのニーズは、様々なスポーツを通して共通している。オリンピック・パラリンピック関心層の29%が、「好きなカメラアングルを選んで観ることができる」ことで無観客観戦をより楽しむことができると回答した。次いで多かったのは、「打球音や選手の声が強調される」で19%、「応援音声あり・なしを選んで観ることができる」で16%となっており、ファンはカスタマイズされた体験を重要視している。オリンピック・パラリンピックが無観客で実施された場合、コンテンツを提供する企業としては、オリンピックコンテンツの配信に対する制限が多く、カスタマイズできる余地が限られている中で、なるべくファンの期待に応えることが重要。

デジタル上のコンテンツは、ファンが何をどこで観るか、誰と共有するかなど、自身で選択することが可能。そのため、試合の最初から最後まで全部観るのか、一部だけを観戦するのか、それとも観戦はせず結果だけを確認するかなど、自身に最も都合の良い内容とタイミングを選択し視聴することを、デジタルは可能にする。

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