21 JUL

ニールセン「スポーツコンテンツの視聴行動と意識に関する調査結果(Vol.4)」を発表

編集部 2021/7/21 07:00

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社は、視聴者のスポーツコンテンツに関するメディアと広告の視聴行動と意識に関する調査の第4弾である「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2021 Vol.4」をもとに、消費者のスポーツコンテンツ視聴についての分析結果を発表した。

オリンピック・パラリンピックは世界中の観客を魅了し、様々な国から集まるアスリートの姿が報道され注目が集まる。今年は、新型コロナウイルスの影響が長期化し、今でも世界中の多くの人々の生活に影響を及ぼしているため、オリンピック・パラリンピックの開催形態は過去の大会とは大きく異なるものとなるだろう。開催地の東京では4度目の緊急事態宣言が発令され、開催直前に一部を除き無観客での実施が決定。また、感染拡大の懸念からパブリックビューイングも多くの場所で中止が決定され、観戦スタイルも大きく変化することが想定される。

直近まで実施の可否や開催方法が不透明な上、多くのメディアでは新型コロナウイルス関連のニュースが大半を占め、オリンピック・パラリンピックに向けた話題が少なかったこともあり、観戦に対する関心が低下しており、その結果、テレビ等での観戦はせずに、結果だけ確認しようとする人が増えているよう。実際に、インターネット利用者のうち17%はオリンピック・パラリンピックを観戦せずにニュースで結果だけ確認したいと回答しており、2020年2月から5ポイント増加した。(図表1)

オリンピック・パラリンピック関連コンテンツを提供する企業としては、開催期間中に視聴者とのエンゲージメントを高めるためにも、この意識の変化を把握し、どのようなコンテンツが必要とされているかを理解することが重要。ニュース記事や結果を確認し、それをきっかけに関心が高まり観戦を始める人もいるだろう。視聴者がどのようなコンテンツをどこで視聴しようと考えているのかを把握した上で、自社メディアに取り入れることで大会期間中のエンゲージメントを高めることが期待できる。そのためには、オリンピック・パラリンピックに対しての関心が高い人だけでなく、関心の低い人も含めた視聴者全体の意識の変化を考慮することが重要。

■オリンピック・パラリンピック低関心層でもニュースの結果は確認

スポーツの試合が無観客で実施された場合でも、過去に実施された調査結果からは多くのファンは観戦し続けるであろうと推測される。そのため、オリンピック・パラリンピックファンにおいても、開催方法が無観客に変わっても大会そのものに対する意識は変わらず、もともと関心の高い人は観戦し続けることが期待できる。試合に対しての関心が「どちらともいえない」「あまり/まったく興味がない」と回答した人のうち、22%は観戦はせずにニュースの結果を確認する予定であると回答した。オリンピック・パラリンピックに対しての感心が高くない人でも、友人や知人との会話についていくためや、単に情報収集のためなど、ニュースで結果だけは確認する予定であることがわかる。

■求めるコンテンツは年代によって異なる

ニュースで結果を確認する際に、どのようなコンテンツが求められているかは、年代によって大きく異なりる。若年層は迅速な結果を求める傾向がある一方で、上の年代ではより詳細な情報を好む傾向にある。実際に、観戦はせずにニュースで結果を確認する予定である人が求める情報として、15-34歳では「日本のメダル獲得状況」が最も高く55%。一方、35歳以上では、「見どころのシーン、ハイライト」が高く、35-49歳では58%、50歳以上では59%となっていた(図表2)。

ニュースで結果を確認する予定の人がどのメディアを使用するのかを見ると、各年代ともテレビの利用が最も高く、15-34歳では64%、35歳以上では約80%となっていた。しかし、求めるコンテンツによっては他のメディアが選択され、中でもデジタルメディアはどの年代においても重要な役割を持っている。デジタルネイティブである15-34歳に注目すると、若年層は自身が必要とする情報を自ら探しに行く傾向にあることから、検索・ポータルサイト/アプリとSNSの利用が最も高い結果となり、それぞれ51%と37%。一方で、35歳以上では、情報がまとまって提供されるニュースサイト/アプリなど従来のニュース提供形態に近いニュースメディアの利用が多くなっていた。ニュースサイト/アプリは35-49歳で49%、50歳以上で36%と2番目に高く、50歳以上で新聞は34%で3位(図表3)。各年代が求める情報と使用するメディアのニーズは異なるため、コンテンツを提供する企業は、ニーズの違いを理解し、これらをどのように活用することでエンゲージメントが高められるかを検討した上でコンテンツを提供していくことが重要。

リリース