05 NOV

TVISION INSIGHTS、TBS『オールスター感謝祭』は視聴者にどのように見られていたのかを調査

編集部 2021/11/5 11:00

人体認識技術を用いて、テレビの視聴態勢「アテンションデータ」の取得・提供を行うTVISION INSIGHTS株式会社(以下TVISION)は、今年で30周年を迎えたTBSのバラエティ番組『オールスター感謝祭』について、視聴者にどのようにみられているのかを調査。調査を行ったのは、TVISIONのインターン生で、大学生アナリストの黒崎氏。幼いころから同番組に慣れ親しんできたという黒崎氏は、この1年で多くの長寿番組が終了していく中、『オールスター感謝祭』は視聴者にどのように見られているのか、その全体の視聴傾向と、特に若い世代の視聴傾向についてTVISION独自の視聴態勢データを基に分析した。

『オールスター感謝祭』は、1991年10月5日の秋より毎年、番組改編期である春と秋の年2回、TBSテレビ系列で生放送されてきた長寿番組のひとつ。クイズ形式で展開される同番組には毎回、数多くの芸能人がクイズの解答者として参加するほか、定番の企画も数多くあり、幅広い層から人気を博してきた。

今回、分析に使った主な指標は、その番組を見ている人の中で視聴者がどれくらいの割合でテレビを見ていたかがわかる「アテンション含有率」。上記、折れ線グラフは、個人全体の世帯視聴率とそのアテンション含有率を並べたものだ(左軸が世帯視聴率、右軸がアテンション含有軸の目盛り)。

番組で最も視聴者に注目されたのは、21時25分あたり(★マーク)。番組の名物となっている「ミニマラソン30周年記念レース」のゴールシーンで、アテンション含有率は27.7%を記録した。日本を代表するトップランナーの藤光謙司(短距離)と、佐藤悠基(中・長距離)のデットヒートの末、藤光謙司が見事勝利し、100万円の賞金を獲得。ゴールに差し掛かると実況の盛り上がりやBGMの変化などで、注目を獲得したことが推測される。

番組後半は、世帯視聴率は上昇したが、アテンション含有率は低下。『オールスター感謝祭』のファンは最初から見ており、後半は“ながら見”している、という実際の視聴の様子がうかがえる結果となった。

では、若い世代にはどのように見られていたのか。TVISION INSIGHTSでは、Teen層(男女13~19歳)とMF1層(男女20~34歳)の視聴の様子を比較。グラフを見ると、長年ファンを獲得している『オールスター感謝祭』も、やはり若年層を注目させ続けるのは難しかったことが見てとれる結果となった。

番組の序盤では、若手芸人などが多く企画に参加する場面があり、Teen層の高いアテンション含有率を獲得。その中で最もアテンション含有率を獲得したシーンは清野菜名、坂口健太郎出演の秋ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』の宣伝シーンだった。

しかしTeen層のアテンション含有率は、番組後半にかけて下降傾向に。5時間超という長時間にわたるクイズ形式での番組構成や、後半に多かった定番企画が若年層には定着していないことが考えられる。反対に、MF1は中盤に上昇した場面があり、その中で注目されたのは「ミニマラソン30周年記念レース」の序盤のシーン。長年『オールスター感謝祭』に慣れ親しんだ視聴者たちの定番企画への注目度は、変わらず高いようだ。

コラムURL