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福島中央テレビのオリジナルドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』が日本民間放送連盟賞・最優秀賞を受賞

編集部 2021/11/11 17:00

2020年に開局50周年を迎えた福島中央テレビ(本社:福島県郡山市)が制作したオリジナルドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』が、放送文化の向上に貢献した番組や個人・団体を表彰する「ギャラクシー賞」(放送批評懇談会)2020年度テレビ部門“選奨”を受賞。さらに全国の民間放送事業者を会員とする一般社団法人日本民間放送連盟が1953年に創設した「日本民間放送連盟賞」で、2021年番組部門テレビドラマ番組の最高賞である“最優秀賞”に選出された。

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ドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』は、“いま伝えたいメッセージ”と“福島の魅力”を全国に発信するために、オール福島県内ロケで制作された作品。監督・脚本は、2016年に福島中央テレビ開局以来初となる自社制作のオリジナルドラマ『タチアオイの咲く頃に~会津の結婚~』(2017年の民放連賞でテレビドラマ部門“優秀賞”受賞)の制作に続きタナダユキが担当。作品には「どんな過去でも、どんな今日でも、明日を信じて前を向いて歩いてきた“福島”から、全国に想いを届けたい」という願いが込められているという。

Copyright© 2021 映画『浜の朝日の噓つきどもと』製作委員会

制作にあたり、福島中央テレビのスタッフをはじめ、監督自らも福島を訪れ、東日本大震災後に起きた様々な出来事を取材。たくさんの人たちとの出会いの中から心に残ったエピソードを集め、見たもの、感じたことをひとつの物語に仕立てられている。

去る11月9日、民間放送70周年記念全国大会で行われた日本民間放送連盟賞の表彰式では、『「福島のいま」を、嘘つきで癖のある登場人物たちを通して、やさしく視聴者に問いかける。緻密な構成、考え抜かれたセリフの数々が、クオリティの高いドラマに結実した。』と高く評価された。

【受賞コメント】菅澤大一郎プロデューサー(福島中央テレビ コンテンツ局次長 兼 制作部長)

この度は大変栄誉ある賞を頂き、この上ない光栄であるとともに深く感謝いたします。

『浜の朝日の噓つきどもと』は開局50周年記念作品として制作しましたが、コロナ禍により様々な周年イベントを中止せざるを得なかった中での最大の喜びとなりました。

遡ること5年、開局45周年の際に福島県内民放テレビとしては初のオリジナルドラマを制作。それがタナダユキ監督とともに制作した『タチアオイの咲く頃に~会津の結婚~』でした。このドラマは2017年に同賞の優秀賞を頂いたのですが、弊社の様な規模の放送局としてはドラマ製作の全てが初めてのことばかりで大変な苦労をした思い出が遠い昔の様です。

その経験を普段の番組作りに積極的に生かし、数多くの自社制作番組でドラマの手法を用いた番組作りを続けてきたチカラが集大成として今作に注がれたと感じています。

東日本大震災からの10年間に、地元のテレビ局として取材してきた中で実際に経験した絶望と希望、怒りと感謝、喜びと悲しみ、様々な喜怒哀楽のエピソードで構成する物語。1時間のドラマと2時間の映画の別の物語を同時に撮影しました。

震災から10年が経ちましたが、風評被害を始め、福島の震災は終わっていません。諦めなければいけない事もたくさんあるし、くじけそうになる時もあるけれど、それでもこの街で生きている。

そんな福島の人たちとともに今回の受賞の喜びを分かち合いたいと思います。

■ドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』

監督・脚本:タナダユキ
出演:竹原ピストル、高畑充希、柳家喬太郎、小柳友、六平直政、吉行和子
主題歌:Hakubi「アカツキ」(unBORDE)

ドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』公式サイト

※現在、hulu、Amazon prime video、U-NEXTなど、16の配信事業者で配信中

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』も公開

また、ドラマの前日譚が描かれた映画『浜の朝日の噓つきどもと』も9月10日に全国公開された。震災後の福島・南相馬に実在する映画館を舞台に、病に倒れた敬愛する恩師との約束を守るため、閉館寸前の映画館「朝日座」再建に向け奔走するストーリー。“嘘”から始まるハートフルな物語を通して、新型コロナウイルス感染拡大や相次ぐ自然災害など困難な状況に置かれているエンタメ文化へエールを送る作品となっている。

■映画『浜の朝日の嘘つきどもと』

監督・脚本:タナダユキ
出演:高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、竹原ピストル、光石 研/吉行和子
主題歌:Hakubi「栞」(unBORDE)

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』公式サイト