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フジテレビ×NHK、「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究」が「ルミエール・ジャパン・アワード2021」グッドプラクティス・アワード本賞を受賞

編集部 2021/11/29 17:00

11月17日(水)に開催された先進映像協会日本部会主催の「ルミエール・ジャパン・アワード2021」にて、フジテレビとNHKが協力して取り組んだ「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~」が、グッドプラクティス・アワード本賞を受賞した。

「高精細映像とオブジェクトベース音響の研究~視聴者がカスタマイズできる立体音響コンテンツの制作~」は、次世代の音声符号化方式でも採用されているオブジェクトベース音響の効果と制作ワークフローを研究するため、フジテレビとNHK放送技術研究所が協力し、ユーザ自身がコンテンツをカスタマイズすることが可能な3次元立体音響コンテンツの制作に取り組んだもの。

今回は、箏(こと)が主旋律の楽曲『Scorpion~11月の鐘~』(作曲:MAKI code“M”、箏演奏:吉永真奈)の動画を4K/HDRの高精細映像とオブジェクトベース音響による3次元立体音響で制作、将来の放送や配信における新たな視聴体験の創造を目指したという。箏(こと)の主旋律に対して、オーケストラバージョン、ロックバージョンなど異なる4つのタイプの伴奏を用意し、視聴者が切替操作をすることで、好きな伴奏を選択することができるようになっている。

この技術を使えば、映画の中の特定の出演者の声を大きくしたり、スポーツ中継の音声をホーム側スタンド、アウェー側スタンドのどちらかのみにしたりするなど、視聴者が自分の好みに合わせて音声をカスタマイズすることも可能になる。「ルミエール・ジャパン・アワード2021」では、高精細映像、オブジェクトベース音響による3次元立体音響の組み合わせにより、さらなる可能性を展望できる先駆的な取り組みであると評価された。

また、同アワードにて、フジテレビは1月2日(土)にBSフジで4K放送したドキュメンタリー番組『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』が4K部門特別賞を獲得した。

『TimeTrip江戸-東京 続・日本最古の360度パノラマ写真の謎』は、昨年4K部門優秀作品賞を受賞した『TimeTrip江戸-東京 日本最古の360度パノラマ写真の謎』の続編。前作では、明治時代に東京復活大聖堂(ニコライ堂)の建築足場最上部から撮影された日本最古の360度パノラマ展望写真を、高解像度でデジタル化し4K/HDRコンテンツに仕上げることにより、ルーペだけでは見つけることのできなかったディテールを浮かび上がらせた。

今作では、改めてこのパノラマ写真を検証し、いまだ不明な撮影者や撮影の目的などの謎をクローズアップ。江戸幕末を再現した緻密なCG画像、4K/HDRならではのニコライ堂内の美しい質感表現、先進映像技術を用いることによる歴史的な発見に説得力を強める効果などが評価された。

■「ルミエール・ジャパン・アワード」とは

国内で制作・公開された優れた先進映像コンテンツを表彰することで良質なコンテンツの拡大と品質向上を目的として、2011年より実施。主催する先進映像協会日本部会は、3D、UHD(4K・8Kなどのウルトラハイディフィニション)、VR(バーチャルリアリティー)などの先進的な映像技術を活用したコンテンツ表現が、教育啓発・表彰・調査研究を通して発展・普及されることを目的とする業界団体。グッドプラクティス・アワード本賞は、先進映像分野の普及・発展への寄与が期待される取り組みに贈られる賞。

「ルミエール・ジャパン・アワード」公式サイト