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テレビ静岡、FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」で金賞を受賞

編集部 2021/11/22 12:00

フジ系列各社の技術部門による、第29回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」が、11月19日(金)に開催されたFNS理事社技術責任者会議において決定。金賞には、テレビ静岡の“『爆笑問題の深海WANTED』駿河湾-水深2500m-深海定点撮影カメラの開発”が選ばれた。

FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」は、日常業務の中から生まれた身近なアイデアやちょっとした工夫から、独自の技術開発や研究までを対象としており、FNS系列全社のイベントとして定着。今年は、系列21社から34件の応募があった。

テレビ静岡は、希少深海生物の捕獲と水族館での展示をテーマにした番組『爆笑問題の深海WANTED』を、2015年から年1回のペースで全国ネット放送。同番組の企画で深海撮影のプロジェクトはスタートし、深海魚の生態を映像に収めるべく、駿河湾最深部である水深2500m、深海の暗黒・高圧・低温という過酷な環境に堪えられる定点撮影カメラシステムを開発した。

番組では、このシステムを使って駿河湾最深部、水深2000~2500mの撮影を4回実施。今年は水中ドローンメーカーFullDepth社の協力も得て、フレームに合計4台のカメラを取り付け、360度撮影も行った。撮影した映像素材は合計100時間に迫るという。

『爆笑問題の深海WANTED』は、国内外の水族館や研究機関と連携して番組を制作。2017年放送の第3弾ではニューカレドニアのヌメアにあるラグーン水族館の協力で水深200~400mの定点撮影を行い、深海底で群れるオオベソオウムガイ(固有種)の撮影に世界で初めて成功した。今回、このシステムを使って撮影された駿河湾最深部の映像は、東京大学大気海洋研究所の猿渡敏郎助教に提供され、ソコボウズという深海魚の生態研究に利用されている。また、この水深を長時間撮影した映像は他にあまりないため、別の研究機関でも映像素材を解析し新種生物の発見を目指している。

深海定点撮影カメラシステムは、一から撮影設備を検討し、カメラフレームと前に付ける餌かごを制作、運用においても試行錯誤の末、課題を解決し、深海の素晴らしい映像撮影に成功したことが大きく評価され、今回の金賞受賞となった。

『爆笑問題の深海WANTED』オフィシャルサイト

第29回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」受賞技術

<金賞>
テレビ静岡
『爆笑問題の深海WANTED』駿河湾 最深部‐水深2500m‐ 深海定点撮影カメラの開発
<銀賞>
東海テレビ
激安!1万円台でできるモバイル伝送機器監視装置「パケキャッチュ(Packet Catch U)」の開発
<銅賞>
テレビ西日本
ストレスフリーのマスターへ!マスター監視の負荷軽減を目指した映像監視アプリの開発