11 JAN

ビデオリサーチ×オルツ 脳科学者・茂木健一郎氏のデジタルクローンの生成に成功

編集部 2022/1/11 08:30

株式会社ビデオリサーチ(東京都千代田区、以下「ビデオリサーチ」)は、 P.A.I.(パーソナル人工知能)を開発する株式会社オルツ(東京都港区、以下「オルツ社」)と共同で進めているデジタルクローン開発において、この度「高度な専門知識を持つ有名人をモデルにしたデジタルクローン」の開発に成功したことを発表した。

ビデオリサーチは、2021年1月にオルツ社とパートナーシップを締結し、AI技術を活用した次世代のマーケティングリサーチ手法『リサーチ4.0』の実証実験を行うプロジェクトを開始。今回の取り組みでは、脳科学者・茂木健一郎の協力を得て、高度な専門知識を持つ有名人・知識人をモデルとしたデジタルクローン化の可能性を検証することを目的とした実証実験が行われ、茂木のデジタルクローンを開発。様々な問いかけをする実験を行った結果、同氏が持つ専門知識を基にした回答をデジタルクローンから得られることに加え、専門知識の領域にとどまらず、価値観を土台とした広範囲な返答を得ることに成功したという。

【関連記事】ビデオリサーチ、デジタルクローン手法を活用した『リサーチ4.0』の開発を開始

すでに、オルツ社と共同開発した「デジタルクローン・アンケートシステム Nulltitude」の実証実験では、2021年11月に実際の調査回答者を再現したデジタルクローンを生成することに成功。今回、茂木との実証実験で得られた成果は、この「デジタルクローン・アンケートシステム」の精度検証にも貢献するものとして、従来の調査手法における課題解決が可能となり、既存の技術とは異なる次世代型の「リサーチ技術」の実現へ近づくことができるという。

【関連記事】ビデオリサーチ×オルツ、アンケートモニターとして「デジタルクローン(仮想調査回答者)」を使用した“次世代リサーチ”を実現

■「有名人・知識人をモデルにしたデジタルクローン」 生成の流れ

【デジタルクローン生成手法 第1種】個人の価値観を多く含むデータから生成のイメージ

本デジタルクローンは、「デジタルクローン生成手法第1種」というクローンの元となる実在する個人の価値観を多く含むデータを学習素材として用い、生成。「平均モデル」という膨大な人々の思考を統合した巨大なデータの集合体に、デジタルクローンの対象となる個人の個性が反映された比較的少量のデータを合わせることで、人間としての基礎的な思考を保ちながら、個人が持つ価値観・性格を反映した「個性モデル」が生成される。これに対し今回の実験では、茂木の許諾のもと、同氏の著作やSNSへの投稿などを学習素材として使用し、「オルツ・クローンモデリング・エンジン」により「個性モデル」を生成した。

【デジタルクローン生成手法 第2種】大規模定量データからの生成のイメージ

「オルツ・クローンモデリング・エンジン」による「デジタルクローン生成手法第1種」は、実在する人間の思考データを学習素材として用いるのに対し、「デジタルクローン生成手法第2種」はデータ自体には個人の価値観を反映させず、個人の大規模な定量データを用いてデジタルクローンを生成する違いがある。

従来の調査及びマーケティング活用などの目的で実施した顧客アンケート調査によって収集された定量データ(各種属性など)を用い、第2種の手法を活用することでデジタルクローン生成が可能となる。つまり第1種の手法により生成した茂木のデジタルクローンの結果と第2種の結果を、質問の問い方、回答・判定の方法など総合的に検証することで、精度の向上や活用方針の策定に生かすことができるなど、「デジタルクローン・アンケートシステム」をさらに深化させるうえで、重要な知見を得ることができたという。

参考:茂木健一郎氏のデジタルクローン動画