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26 JAN

TBS、「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」の開催を発表

編集部 2022/1/26 13:00

TBSは、1月21日(金)に行われたオンライン会見にて、昨年の第1回に続き、今年も「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」を開催することを発表した。

TBSは、昨年『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』のヒットを受け、1955年の開局以来、テレビでは伝えきれない真実を劇場映画という形で世に送り出す「TBSドキュメンタリー映画祭」を開催し、全22作品を発表。今年の映画祭では、新作『ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』をはじめ、社会派からエンターテインメントまで幅広いジャンルの新たに11作品が制作され、発表されるという。

また、TBSドキュメンタリー映画祭の開催を機に、昨年10月には歴史的な事件の真相や今世界で起きている衝撃の出来事、そして市井の人々の日常の瞬間を切り取り、日々取材を続けている記者やディレクターの熱い思いを、多くの人により深く、より丁寧に発信していくことを目的に、ドキュメンタリー映画を総括する新ブランド「TBS DOCS」を発足。「TBS DOCS」は、TBSドキュメンタリーフィルムズの略称で、今後はTBSの“報道魂”がテレビとは全く違うスケールアップした劇場映画として制作・発表され、永久保存されることになった。

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オンライン会見では11作品の監督も出席。それぞれの作品の想いが語られた。前列左から立山芽以子監督、守田哲監督、酒井祐輔監督、武石浩明監督/後列左から大久保竜プロデューサー、松原由昌監督、中島哲平監督、川西全監督、山本一雄監督/(モニター内)左から須賀川拓監督、西村匡史監督、武田一顕監督 Copyright© TBSテレビ

1月22日に開催されたオンライン会見で「TBS DOCS」プロデューサーの大久保竜(TBS報道コンテンツ戦略室長)は、「TBS DOCS」について「三島由紀夫の映画が幸いヒットしたことが大きなきっかけに、社内でドキュメンタリーの可能性がもっとあるのではないかという声が上がり、日本でもドキュメンタリーを見る文化がもっと広がればいいなという願いを込め、ブランドを立ち上げました」とコメント。

また、2回目となる「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」については、「前回の22作品は報道局が中心で制作しました。TBS社内で他のセクションの若手クリエイターたちから『自分にもドキュメンタリーの企画がある』といった声が多く上がり、今回はオールTBSの形で、事件性のあるものや政治、アーティスト密着ものなど、幅広いジャンルの作品が揃い、上映できることになりました。」と紹介した。

「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」は、3月18日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷(東京)で7日間の上映を皮切りに、全国で順次開催予定。上映作品は下記の11作品。

「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」概要

[開催期間]3月18日(金)〜3月24日(木)7日間 ほか全国順次開催
[開催場所]ヒューマントラストシネマ渋谷(東京)

「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」公式サイト

■「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」上映作品

『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』
監督:立山 芽以子

『池袋母子死亡事故 「約束」から3年 (仮)』
監督:守田 哲

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『永遠の総理候補・石破茂 嫌われた正論 (仮)』 
監督:中島 哲平

『完黙 中村喜四郎~選挙無敗の男が負けた時 (仮)』
監督:武田 一顕、松原 由昌

『ももいろクローバーZ ~アイドルの向こう側~ (仮)』
監督:酒井 祐輔

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『ライブで歓声が聞こえる日 コロナ禍に抗う音楽業界 (仮)』
監督:川西 全

『戦争の狂気 戦場特派員が見た中東和平の現実 (仮)』 
監督:須賀川 拓

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『難病と私~萌々花20歳 だから私は前を向く』
監督:山本 一雄

『日の丸 ~それは今なのかもしれない~ (仮)』
監督:佐井 大紀

『地下鉄サリン被害者家族の25年 ~さっちゃん最後のメッセージ~ (仮)』 
監督:西村 匡史、神保 圭作

『クライマー山野井泰史 ~垂直に魅せられた人生〜 (仮)』
監督:武石 浩明

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「TBS DOCS」プロデューサー・大久保竜のコメント

――「TBS DOCS」立ち上げのきっかけは?

三島由紀夫の映画が幸いヒットしたことが大きなきっかけです。私自身もドキュメンタリー好きで、この企画も最初のところで非常に関わりました。そんな中、社内でドキュメンタリーの可能性がもっとあるのではないかという声が上がり、日本でもドキュメンタリーを見る文化がもっと広がればいいなという願いを込め、ブランドを立ち上げました。

――テレビというメディアを持っているのに、なぜ映画を?なぜ映画祭という形を取ったのでしょう?

ドキュメンタリー映画の制作は三島由紀夫の映画のヒットはベースにはありますが、劇場の大きなスクリーンで見る臨場感の魅力が一つあります。報道局やテレビの現場を見渡してみますと、日々のニュースとして放送されない部分や、放送後もさらに深く掘り下げて取材を尽くして届けたいという思いがあるというのは感じました。例えば、ニュースに限定すれば、一度放送されて終わりということではなくて、その後もっと追求して新たな事実とともに届けたい、そんな続編があるのではないかと。ストレートニュースを出すだけではなくて続編も出していきたいという気持ちを取材記者は強く持っているし、そういった素材のVTRもTBSにはあるので、それを利用した形でドキュメンタリー映画という手法を使って、より深く、より丁寧に伝えることができるのではないかと思いました。

また、ドキュメンタリー映画祭にしたのは、ヒューマンから事件、政治、アーティストの密着ものなどさまざまなドキュメンタリー作品を一度に見られるのも一つの魅力と考えたためです。放送コード的なことでは、例えば『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』は、レイプをした犯人や被害者の方々の証言も入っています。これを今の地上波でどこまで放送できるのかなど、そこは常にせめぎ合って挑戦しているところですが、映画にすることによってその表現の幅が広がるのは間違いないので、そういう意味もあります。