09 MAR

IBC岩手放送・岩手日報社、震災を伝承する特設サイト「鵜住居~UNOSUMAI」公開

編集部 2022/3/9 13:30

IBC岩手放送と岩手日報社は、東日本大震災から11年の節目を前に、震災デジタルプロジェクトとして共同制作した特設サイト「鵜住居~UNOSUMAI」を両社のホームページで公開した。「鵜住居(うのすまい)」は、東日本大震災の津波で岩手県釜石市の中でも特に大きな被害を受けた地域。

震災プロジェクト特設サイト「鵜住居~UNOSUMAI」

「11年目、ふるさとを歩く」|鵜住居出身の岩手日報記者がIBCアナウンサーを案内。2人は1年間、ラジオとデジタルコンテンツで鵜住居を発信してきた

両社は去年4月から、岩手日報記者が出演するIBCラジオ番組『デジタルニュース・ラボ』を共同展開。番組内で鵜住居出身の若手記者が自らのふるさとを見つめる新聞特集記事を定期的に取り上げ、震災後のまちと人の姿を、新聞・放送だけでなく、多様なデジタルコンテンツとして発信してきた。その集大成として今回、「鵜住居」というひとつのまちに焦点をあてた特設サイトを制作し公開。震災以前の住民の営みや、まちに残る震災の教訓を風化させずにデジタルデータとして残していく狙いがある。

3Dデジタルマップ「触れる思い出、まちの記憶」|5つのエリアから選択し、自在に動かせる3Dマップ上でピンをクリックすると、その場所の「思い出」がテキスト表示される

サイトでは、「釜石の出来事」や「ラグビーW杯」など「鵜住居」にまつわる記憶をデジタルで再構成。資料へのリンクや3D映像を多用し、11年前の震災を自分ゴトとして追体験してもらえるような工夫が施されている。また震災前のまちの復元ジオラマに手書きで残された「住民の思い出」を、デジタル化して3Dマップに収録。自在に動く3Dの地図上で目印のピンをクリックすると、「思い出」がポップアップしてテキスト表示されるなどインタラクティブなコンテンツづくりにもこだわったという。3DなどのデジタルコンテンツおよびWEBサイトはIBCが自社内で制作。震災前の3Dマップは、記者が母校の鵜住居小学校で行った授業でも教材として活用された。

「刻まれたことば、みらいへ」|釜石・鵜住居に残された震災の教訓、碑に刻まれたことばを映像化

震災から11年が経ち、震災を知らない、記憶にない子供たちが多くなる中、地元の新聞社と放送局が手を携え、従来の伝え方とは違うデジタルコンテンツを通じて、特に若い世代への震災伝承・継承につなげていく。

震災プロジェクト特設サイト「鵜住居~UNOSUMAI」