05 MAY

HBC、第59回ギャラクシー賞にてテレビ部門入賞、報道活動部門、ラジオ部門で奨励賞を受賞

編集部 2022/5/5 09:00

HBC北海道放送が制作したテレビドキュメンタリー番組『ネアンデルタール人は核の夢を見るか~“核のごみ”と科学と民主主義~』が、第59回ギャラクシー賞テレビ部門に入賞。また旭川いじめ問題の関連報道と「“誰かのこと”じゃない」キャンペーンが報道活動部門で奨励賞、「隠された性暴力~28年前の少女からの訴え~」がラジオ部門で奨励賞を受賞した。テレビ部門は14本が入賞し、その中から大賞1本、優秀賞3本、選奨10本が選定され、6月の贈賞式の舞台で発表される。

■テレビ部門入賞『ネアンデルタール人は核の夢を見るか~“核のごみ”と科学と民主主義~』

【放送日時】2021年11月21日(日)1:58~3:28
【内容】
2020年8月、北海道の寿都町と神恵内村で、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定の応募に向けた動きが明るみとなった。住民説明会では反対意見が続出。賛成派の住民も少なくなく、マチは二分されていく。寿都町長は住民投票を求める声があるにもかかわらず、「肌感覚では賛成派が多い」として2か月で応募に踏み切ると、神恵内村も同じタイミングで応募を表明する。
核のごみは地下300メートルより深い場所に埋める地層処分。人体に影響がない放射線量になるのは10万年後とされている。いまから10万年前はネアンデルタール人がいた時代だ。
衆院選では核のごみが大きな争点とならないまま、10月には寿都町長選挙が行われ現職が勝利した。反対派の候補が4割以上も得票するなど、マチの分断はより深まることに。
私たちは10万年後まで責任をもって核のごみを処分できるのか。処分地の決め方はどうあるべきか。先送りできない課題が突きつけられている。“核のごみ”がつきつけた科学と民主主義のありようについて考える。
【その他の受賞】
2021年 第76回文化庁芸術祭 優秀賞
2021年 メディア・アンビシャス大賞 映像部門 北海道賞
2022年 科学ジャーナリスト賞2022 優秀賞

【関連記事】HBC『ネアンデルタール人は核の夢を見るか~“核のごみ”と科学と民主主義~』が科学ジャーナリスト賞・優秀賞を受賞

■報道活動部門奨励賞『旭川いじめ問題の関連報道と「“誰かのことじゃない”」キャンペーン』

【放送日時】2022年1月から『今日ドキッ!』内で不定期放送
【内容】
旭川市で、中学2年生(当時)の廣瀬爽彩さんが公園で凍死した状態で見つかった。第三者委員会は4月いじめを受けていたと認めた。現代のいじめはSNSをつかうなど、複雑で見えにくい。目指すのは認知件数をゼロにして表面上「ない」ことにするのではない。大切なのはいじめが起きたときに教員や大人らが迅速にそして適切に対処することだ。誰しもがいじめる側、いじめられる側になる可能性がある。周囲にいる「傍観者」の存在もいじめを深刻化させている要因だ。いじめは決して“誰かのこと”ではない。苦しむ子どもたちを一人でも減らすため、周囲の子どもや大人たちが考え、行動するきっかけにするため、みんなとともに考えていきたい。

■ラジオ部門奨励賞『隠された性暴力~28年前の少女からの訴え~』

【放送日時】2021年5月31日(月)3:00~3:30
【内容】
絵を描くのが大好きな15歳の少女。通っていた札幌の中学校で、美術を指導してくれたのは、13歳年上の男性教諭だった。卒業式の前日、教諭から、突然キスをされたという。その後も19歳になる4年余りにわたって性暴力を受けていたと、少女は証言。少女は成人後、自身の顔と名前を公表して裁判を起こし、被害を訴えた。札幌市教育委員会がその訴えを認め、教諭を懲戒免職処分にしたのは2021年1月。28年の月日が経っていた。全国で相次ぐ性暴力。わかっているのは氷山の一角だ。性暴力が隠され、苦しみが続くのはなぜか。教育行政や司法の壁だけでなく、社会の大人一人ひとりが抱える課題を見つめる。
【その他の受賞】
2021年 日本民間放送連盟賞 番組部門 ラジオ報道優秀賞