モバイル映像伝送を活用したカメラマン1名での生中継

18 AUG

四国初「2022よさこい鳴子踊り」のテレビ生中継でモバイル映像伝送の実証実験を実施

編集部 2022/8/18 09:00

株式会社高知放送(以下、高知放送)は、株式会社NTTドコモ四国支社(以下、ドコモ)と、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とで、8月10日、11日に開催された「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」のテレビ生中継において「docomo MEC(TM)」、株式会社ソリトンシステムズが提供するモバイルエンコーダー「Smart-telecaster(TM) Zao-X」(以下、「Zao-X」)およびドコモの5G回線を活用した、四国初となるモバイル映像伝送の実証実験(以下 本実証実験)を実施した。

本実証実験では、四国に新たに追加された「docomo MEC」の新基盤を利用することで、リアルタイム性の高い通信が求められるテレビ生中継においても、モバイル映像伝送が可能であることが実証された。

近年、SNSを活用したリアルタイムの情報発信が活発化しており、テレビにおいても視聴者のニーズに応えるため、生中継によるリアルタイム性の高い情報提供が求められている。しかし、テレビ生中継を行うためには、安定かつ高速な映像伝送環境を構築する必要があるため、中継車と中継カメラ間の有線ケーブルによる接続や、敷設工事を伴う光回線接続が必要となり、生中継ができる場所に制限があった。

従来の有線ケーブルによる4名体制での生中継

本実証実験では、「2022 よさこい鳴子踊り特別演舞」の模様を、中継カメラからモバイルエンコーダーである「Zao-X」、「docomo MEC」を経由し、中継車までの区間の映像伝送を5G通信にて実施した。

本実証実験の仕組みを活用することにより、テレビ局は、これまで有線ケーブルでは不可能であったカメラのポジショニングや、制限のない移動しながらの撮影が可能となり、より迫力のある映像を提供できるようになった。

また、「docomo MEC」が提供する通信経路を最適化できる機能により、よりリアルタイム性の高い映像伝送を実現した。高知放送の技術部門の方からは、「機材も軽量・コンパクト、カメラマン1名で手軽に中継映像が届けられた」とコメントをいただき、本実証実験の有効性を確認できた。また、視聴者にとっても生中継できる場所が広がることで、迫力ある映像をリアルタイムに視聴する機会が増えることが期待される。

(※1):「docomo  MEC」は、5Gの可能性を広げる、国内初の「MEC」(Multi-access Edge Computing)サービス。

5Gの特長を最大限に活用できる「MEC」(Multi-access Edge Computing)により、リモートをよりリアルに、リアルを楽しく・快適にする、最先端ソリューションを創出できる。日本全国9か所に拠点があり、地域の課題解決に寄与する。

(※2):「Smart-telecaster  Zao-X」は、携帯電話回線を利用して高画質の映像をライブ中継するシステム。

独自の圧縮伝送技術である「RASCOW」を「RASCOW2」へと進化させ、映像伝送最大の課題だった遅延の問題も解消、超短遅延の映像伝送を可能にしている。

Zao-X

docomo MEC