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TVISION、関東VS関西の視聴傾向を比較 テレビ番組・CMの注視のされ方に違いはあるのか

編集部 2022/9/9 16:00

TVISION INSIGHTS株式会社(以下TVISION)は、関東と関西で、テレビ番組、CMの注視のされ方に違いはあるのかを分析した。

TVISIONでは、2021年10月より関西地域でも調査パネルの運用を開始しており、関東と関西における注視データによるテレビの見られ方の違いを番組、CMに分けて検証した結果を発表した。

*注視データ:ご家庭のテレビに人体認識機器を設置し、テレビの自然な視聴態度を1秒単位で計測して取得したデータ

注視されている番組ジャンルは関東と関西で違うのか? 番組ジャンル別注目度比較

テレビの前にいる人のうち、テレビ画面に視線を向けていた人の割合を示すTVISION独自の指標「注目度」を使って、番組ジャンル別での関東と関西の見られ方の違いを分析した。

関西で一番よく見られたジャンルは「ドラマ」だった。これは、関東の「ドラマ」の注目度より高いという結果だ。続いて、「音楽」「アニメ・特撮」も、関東より関西の方が、注目されていた。また「バラエティ」は、お笑い好きという関西のイメージにも関わらず、関西より関東のほうが注目度が高くなっていた。

関西で注視されていた番組は?番組放送回注目度ランキング

番組ジャンル別注目度比較で、「ドラマ」の人気が高かった事を裏付けるように、関西の番組ランキングでも、「ドラマ」ジャンルが10番組ランクインしていた(上記表の青色網掛け部分)。本リリースでは割愛しているが、同時期の関東の番組ランキングでは、「ドラマ」ジャンルが7番組しかランクインしていなかったので、関西の方が「ドラマ」がよく注視されているといえる。

関西ではお笑い芸人起用のCMの注視が高い?CMクリエイティブランキング比較

最後にCMの見られ方についても、関東と関西を比較。2022年4月4日から2022年7月3日に放送された500GRP以上の15秒、または30秒のよく見られたCMランキングを作成し、関東、関西の比較をした(次項の表を参照)。

本ランキングに使われている「クリエイティブスコア(Cスコア)」は、クリエイティブを注視で評価するためのTVISION独自の指標だ。Cスコアを活用することで、放送された枠の影響を取り除き、個々のクリエイティブが持つ注視を獲得するパワーを評価することができる。

ランキングを見ると、アイフルやKDDIなどのシリーズもので知名度の高いCMが、関東、関西どちらのランキングでも上位にランクインしていた。また、関西で10位に入ったくら寿司「旬の極み とろといくらフェア」篇のCMに注目すると、関東と関西の見られ方に興味深い対比が見られた。

このCMは、関東では47位(Cスコア:107)と高水準ではあるものの、関西ほどの注視を獲得するには至らなかった。また、このCMの1秒ごとの注視のされ方を関東と関西で比較すると、関東では握りのアップを中心に注目が高まっていた一方、関西ではダウンタウンの松本人志の登場に注目が集まった。同じCMでも関東と関西で注目されるシーンが違うことが分かった。

今回は番組のジャンル、番組放送回やCM素材の関東関西比較を行ったが、集計粒度や期間、対象セグメントを変更しての分析も可能。