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日テレ、AIモザイクソフト「BlurOn(ブラーオン)」映像情報メディア学会にて「技術振興賞進歩開発賞(現場運用部門)」を受賞

編集部 2023/4/28 11:30

日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区、以下日本テレビ)は、(一社)映像情報メディア学会にて「技術振興賞進歩開発賞(現場運用部門)」を受賞した。

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テレビ番組の映像において、個人情報保護・プライバシー保護の観点から通行人の顔などに「モザイク入れ」の編集が必要な場合があるが、1分の映像へのモザイク入れで1時間以上かかることがあるなど、制作現場の大きな負担となっていた。

その課題を解決するために、日本テレビとNTTデータが共同開発したAIモザイクソフト「BlurOn(ブラーオン)」は画像認識AI技術によりモザイク入れ編集を自動化することで、作業時間を最大90%削減することに成功し、番組制作現場の働き方改革に貢献している。

BlurOnは日本テレビの番組はもちろん、ポスプロ(映像編集会社)にも導入され、活用が進んでいるだけでなく、放送業界以外でも利用が進んでいる。ドライブレコーダーや監視カメラの映像を取り扱う業界などにおいても個人情報を保護した適切な映像活用を推進している。今回、主に以下の点が高い評価を受け、受賞に至った。

①独自開発のAIによる圧倒的な高精度の実現
被写体の検出に適した独自開発のAIに、トラッキング技術や動き推測技術を組み合わせることで99%超の検出精度を記録し、手作業での修正を最小限に抑えることで、モザイク入れ作業時間を最大90%削減することに成功した(※日本テレビによるベンチマーク映像での検証結果)。

②番組横断開発プロジェクトによる「現場で本当に使える」各種機能の開発
社内外の番組制作・編集スタッフと開発プロジェクトを組織し、半年間にわたりのべ数十回の実際のOAでBlurOnをテスト利用することで改善点をまとめて開発にフィードバックし、使いやすいユーザーインターフェースや多様な事前設定、フェードイン/アウトなどの便利機能を実装することで「現場で本当に使えるアプリケーション」に仕上げた。

●BlurOnユーザーのコメント
「手作業と比較して段違いに処理速度が速い」
「もうBlurOn無しでのモザイク入れ作業は考えられない」
「編集作業が効率化されて早く仕事が終わるようになり助かっています」
「社会的にも個人情報保護の要望が高まっているので、こういうソフトは絶対に必要だと思います」

●受賞者のコメント
起案/設計/運用 加藤大樹(社長室 新規事業部)
「自分自身も10年以上番組編集に携わっていてモザイク入れ作業を効率化できないかとずっと悩んでいました。今回AIに強いNTTデータと映像制作に強い日本テレビが協業することでBlurOnを開発することができ導入した番組制作現場の作業が楽になったという話を聞くと、諦めずに取り組んでよかったなと嬉しく思います。最新テクノロジーと映像制作の知見を組み合わせて、今後も広く社会の役に立つプロダクトを開発し続けていきたいです。」