31 JUL

テレビ東京、中国・東南アジア市場で独自IPビジネス “刀姫(かたなひめ)プロジェクト” 始動

編集部 2023/7/31 15:00

テレビ東京グループは中国と東南アジアをターゲットに新たなコンテンツIP(知的財産)を開発したことを発表した。

台湾出身の若手イラストレーターや日本のアニメ脚本家とタッグを組み、海外でも高い人気が続いている“日本の名刀”や、“世界の名剣”などをモチーフにしたキャラクターを創る。テレビ東京(本社:東京都港区)の100%出資による中国現地法人「杭州都之漫文化創意有限公司」(本社:中国浙江省杭州市)が中心となり、今秋を目途にまず中国版ツイッターの微博(ウェイボ)などに展開する。キャラクターと世界観の認知度を高めて、WEBコミックやスマートフォン・PC向けのゲームや、Vtuberなどに広げ、その後は、東南アジアへ拡大し、アニメ化や商品化による収益の拡大を目指すという。

中国や東南アジアでは、“Z世代”と呼ばれる若者たちがアニメやキャラクターになじみ深い層として知られている。そうした世代をターゲットに、SNSやミニゲーム、ショートムービー、WEBコミックなどにキャラクターを展開していく。中国を皮切りにアジア市場全体にキャラクターの認知を広げていく戦略となっている。

通常は、人気漫画などをアニメ化してからゲームなどに展開するのが一般的だが、今回はデジタル・ネット時代にあわせてIPキャラクターを最初に作り、認知度を高めてゲームを開発し、その後アニメ化なども視野に入れるという、今までとは異なる展開に挑戦するスタイルをとっている。

テレビ東京は、「放送・配信・アニメ」事業の3本柱で相乗効果を生み出し、コンテンツ価値を最大化する「トライブリッド戦略」を進め、放送だけに頼らない収益構造の改革に取り組んできた。これまでにもシンガポールを拠点にNFT(非代替性トークン)のゲームプラットフォームを展開するDigital Entertainment Asset Pte. Ltd. (略称:DEA社、本社:シンガポール)に出資し、テレビ東京が手掛けるコンテンツから派生するゲームや商品化ビジネスを拡大していく方針。さらに、東南アジアで約7億人の登録者を保有する映像配信会社・POPS社(本社:ベトナム)と資本提携し、ファミリー層向けにアニメなどのコンテンツ配信事業をスタートさせている。今回のビジネススキームでもテレビ東京グループとして、ユニークな世界観を持つオリジナルIPを育て、中国と東南アジアで本格的なアプリゲームやアニメなどのビジネスに発展させることで、収益の拡大を目指す。