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朝日放送テレビ、第105回全国高校野球選手権大会中継において5G-SAを活用した中継技術実証を実施

編集部 2023/9/13 19:00

朝日放送テレビ株式会社は、5G-SA(5Gスタンドアロン)を活用した中継技術実証をKDDI株式会社及びソニー株式会社、ソニーマーケティング株式会社(以下、両社あわせてソニー)の技術協力により、先日開催された第105回全国高校野球選手権大会において実施したことが発表された。

野球中継におけるカムコーダーを用いた無線でのライブ伝送で、5Gの特徴である低遅延・高速大容量に加え、混雑したスタジアムかつ真夏の暑い環境においても、安定した映像音声伝送が可能であることが実証できたという。

昨今普及が進んでいる5Gは、5G-NSA(5Gノンスタンドアロン)だけでなく、5G-SA(5Gスタンドアロン)サービスも開始され、5G本来の特徴である低遅延・多接続・高速大容量という特徴をスポーツ中継等で活かすことが可能になりつつある。今回、KDDI株式会社から技術協力された5G-SAで実現するSLA(上り下り帯域)保証型ネットワークスライシング機能に、ソニーから技術・機材協力いただいたHEVCコーデックを用いた低遅延トランスミッターの試作機と5G対応スマートフォン、カメラを組み合わせることにより、5G-SA網で無線でのライブ伝送によるカメラ本線とリターン信号の映像伝送とカメラ制御が実証された。

高品質で低遅延かつ安定した本線カメラの上り伝送に加え、カメラマンにとっても十分な品質での低遅延なリターン映像の下り伝送が可能で、有線カメラと混在させて使っても遜色ないことが確認できたという。さらに、自由自在に移動ができる無線でのライブ伝送の強みを活かし、ケーブル敷設が難しい場所からの映像伝送を実現し、地上波放送とBS4K放送、バーチャル高校野球での中継に使用された。

今後このような技術を既存の中継システムに取り入れることで、ケーブル取り回しが不要なコンパクトながらも高品質な映像音声伝送が可能になり、中継技術が更なる進歩を遂げていくことで、コンテンツ制作における価値向上が期待できるという。