毎日放送、NECとNEC通信システムと共同で複数のVRゴーグルを一括管理する“効率的な同期再生プラットフォーム”の実証実験を実施
編集部 2025/11/19 00:00
株式会社毎日放送(以下、毎日放送)は、日本電気株式会社(以下、NEC)と日本電気通信システム株式会社(以下、NEC通信システム)と共同で複数のヘッドマウントディスプレイを単一のコントローラー(PCやタブレット)から一括操作・管理できるプラットフォームの実証実験を、11月8日(土)に日本のプロレス団体であるDRAGONGATE主催の「KING OF GATE 2025 DRAGONGATE No.1 CHAMPION SHIP」にて行った。
従来、VR環境を運用する際、ヘッドマウントディスプレイ毎に個別の映像再生や停止作業が必要だったが、本プラットフォームにより、管理者の負荷軽減と運用効率の大幅な向上、集団での一体感のある高没入感を実現する。
■実施背景
近年、VRゴーグルの性能向上と価格低下が進み、個人レベルでの没入感のある体験が身近になった。しかし、従来のVRコンテンツは基本的に単独視聴を前提としており、多くの人が集まるイベントでは、多数のデバイスの再生管理に手間がかかり、複数台を再生するイベントでの安定運用が困難という課題があった。
また、体験者たちが同一空間にいても、各自の視聴開始タイミングや進行がずれることがあり、参加者間の共感や熱狂が生まれにくいなど集団での一体感の欠如の課題もあった。このような課題を解決するため、本プラットフォームの開発・実証実験を実施した。
■概要(プラットフォームと実証結果)
VR同期再生プラットフォームは、以下の特長を実現している。
▼完全同期再生
複数台のVRゴーグルに対し、誤差を抑えた同期再生指示と制御を実現。参加者全員が同時に映像の開始、クライマックス、終了を迎えることができる。
▼一元管理システム
イベント運営側は、PC等の管理画面から全デバイスの接続状態をリアルタイムで把握し、映像の再生・停止をコントロールすることができる。
▼複数コンテンツ視聴
プラットフォーム上で複数コンテンツから、視聴したいコンテンツを選択して同期再生することができる。
【イベント実証の結果】
実証実験では、DRAGONGATEの試合の約1分半のコンテンツを、参加者約80名に提供した。ヘッドマウントディスプレイの装着案内から視聴体験、その後のアンケート実施まで約5分で1回の視聴体験を提供できた。
参加者からは、「隣の人と同じタイミングで感動を共有できた」「こんなに近い距離で選手を見られるのは嬉しい」といったフィードバックが得られ、従来のコンテンツ視聴では得られなかった「現地を超える体験・感動」の創出に貢献できることを確認した。
■今後の展望
NECは今回の実証成果を踏まえ、本プラットフォームのさらなる機能拡充と実用化に向けた開発を加速させる。今後もMBSをはじめとする企業との共創を通じて、メディア業界が抱える課題を解決し、豊かで多様な情報発信に貢献するという。
なお、本サービスに関する詳細な説明とデモンストレーションは、下記展示会のブースにて実施する。
【Inter BEE 2025 出展概要】
日時:2025年11月19日~21日
会場:幕張メッセ
ブース番号:小間番号8109