TBSテレビ系列28社(JNN)、地上波初の統合テレビマスター導入を決定
編集部 2026/10/5 15:00
株式会社TBSテレビは、TBSテレビ系列28社(JNN)およびBS-TBSの放送設備の根幹である「テレビマスター(主調整室)」および「営放システム(※編成・営業の基幹システム)」を集約し、統合テレビマスター化することを決定した。本プロジェクトはすでに正式に始動、開発ベンダーとして日本電気株式会社を協力パートナーとし、2029年より順次、新システムでの運用を開始する予定だ。
1.概要
テレビマスターは、放送局ごとに配備され、各局の営放システムと連携して放送データを取得し、日々の番組や特別番組などを自動運行する重要な設備だ。同社は、JNN系列と協議を重ね、次期システムの更新時期を見据え、次世代のテレビマスターおよび営放システムを集約し、統合する「センター方式」を導入することとした。
2.背景と目的
放送業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、JNN系列として、各局個別に行ってきた放送設備への投資・運用について、統合テレビマスターの導入により、効率的な設備投資体制を構築することとし、放送事業の安定的な運営を果たし、系列各局が各エリアに根差したより質の高いコンテンツを視聴者・ユーザーに届けていく。
また、次期システムでは、大地震などの大規模災害時における特別番組への対応を一層迅速化し、視聴者へ必要な情報をいち早く届ける体制を整える。
さらに、系列全体の経営リソースを最適化するとともに、各局のデータ入力作業の一元化やマスター運用の集約化など、業務効率化とDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進する。
これにより創出された時間や人材を、地域に根差した魅力的なコンテンツ制作や新事業へ集中的に投入するとともに、センターへの高度な専門知見の集積を通じて、JNN系列全体で将来にわたり高品質で信頼される放送技術の確実な継承と持続的な進化を目指す。
3.技術的特長
最新のデジタル技術と安定した基盤を融合させ、次世代の放送インフラにふさわしいシステム環境を構築する。
● 先進技術による運用の高度化・効率化
AI等の先進技術を活用し、放送運行業務の高度化および効率化を推進する。正確で安定したオペレーションを実現し、放送品質の維持・向上を図る。
● 変化に強い柔軟なシステム基盤
クラウド技術をはじめとする最新のシステム構成を採用する。将来的な放送サービスの高度化や、環境変化に応じた新たな取り組みにも柔軟に対応可能な拡張性を備える。
● 安心・安全な放送を支える高信頼なバックアップ体制
信頼性の高いネットワーク環境と冗長性に優れたシステム構造により、大規模災害などの有事においても放送を維持・継続できる強固な事業継続体制(BCP)を確立する。
4.今後の展開
JNN系列では、本年7月に本プロジェクトの開発に着手しており、約2年半の開発・テスト工程を経て、2029年より順次、各局での運用を開始する予定だ。共通のシステム基盤を確立することで、系列全体として、最新放送技術の迅速な実装が可能となる。さらに運用ワークフローの自動化・高度化や、先進的な広告、データ基盤との柔軟な連携など、インフラとオペレーションの未来を切り拓く新たな選択肢が広がる。JNN系列全体が一つとなり、放送インフラと業務プロセスそのものを次世代へと進化させる取り組みを、着実に推進していく。