自由な視点による試合観戦の様子

16 OCT

キヤノン、国際スポーツ大会でボリュメトリックビデオ技術によるライブ観戦の新たな映像体験を提供

編集部 2026/10/16 17:45

キヤノン株式会社は、国内で開催された国際的なスポーツ大会におけるバスケットボールの試合を対象として、ボリュメトリックビデオ技術により撮影・生成した3D空間データを、クラウド配信基盤を通じて個人のスマホ・タブレットおよびパソコンにライブ配信※1する実証実験を、2026年9月下旬に実施した。実際のスポーツ競技を同技術で撮影し、生成した3D空間データを多数の視聴者ヘライブ配信する本実証実験は世界初※2の取り組みであり、視聴者一人ひとりが自由な視点で競技を楽しめる新たな観戦体験の可能性を示した。

撮影拠点・3D 空間データ生成拠点・視聴者を結ぶ 本実証実験の構成イメージ

ボリュメトリックビデオ技術は、約100台のカメラで同時に撮影した映像から、空間全体を3Dデータ化する技術だ。キヤノンはこれまで、撮影から映像生成までをリアルタイムに行うことができる本技術を、スポーツ中継や音楽のライブ配信などの映像制作向けに提供してきた。生成した3D空間データを個人のスマホやタブレット端末へインターネット経由で配信すれば、視聴者がそれぞれ自由に視点を操作しながら視聴を楽しむことが可能になる。しかし、3D空間データは情報量が膨大であるため、多数の視聴者が同時に利用するライブ配信の実現が課題となっていた。

この課題に対し、今回の実証実験では、バスケットボールの競技会場で撮影した映像からキヤノンの川崎事業所でリアルタイムに3D空間データを生成し、そのデータを効率的に圧縮することで、クラウド配信基盤を通じて多数の視聴者へライブ配信する技術を実証した。その結果、約750台の端末による同時視聴を実現した。参加者は、コート全体を見渡す視点や選手に迫る視点など、各自の端末で自由に視点を操作しながら試合を観戦した。

近年、スポーツ観戦の視聴環境が多様化するなか、視聴者自身の興味や関心に応じたインタラクティブな観戦体験へのニーズが高まっている。これまでのボリュメトリックビデオ技術は、テレビ中継におけるハイライト映像など、放送コンテンツ向けの活用が中心だった。今回の実証実験では、視聴者が任意の視点を選び、競技空間を立体的に捉えるパーソナライズ化されたライブ観戦が実現し、新たなスポーツ観戦体験の可能性を示した。

本実証では、競技会場から川崎事業所へのデータ伝送に、NTT等の次世代通信基盤「IOWN※3 APN」を活用した。同社は今後も、パートナー企業や施設管理事業者との協業を通じて、ボリュメトリックビデオ技術のさらなる高度化を進め、スポーツ観戦における新たな価値創造に取り組んでいく予定だ。

※1 撮影から参加者の各端末での映像表示までの所要時間は約16 秒。
※2 2026 年10 月14 日現在。(キヤノン調べ)
※3 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network の略、アイオン)とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。

ボリュメトリックビデオホームページ:
https://global.canon/ja/vvs/