「ヘリ位置スーパー用逆ジオコーダーのAI 開発」イメージ図
関西テレビ、第34回FNSテクニカルフェア『あんたが大賞』で金賞を受賞!生成AIを活用した災害時のヘリ映像支援システムを開発
編集部 2026/11/5 16:00
フジテレビ系列各社の技術部門によるFNSテクニカルフェア『あんたが大賞』は、日常業務の中から生まれた身近なアイデアや工夫から、独自の技術開発や研究までを対象に、各社の技術やアイデアを共有し、FNS系列全体の技術力向上につなげる場として開催されている。
このたび、第34回FNSテクニカルフェア『あんたが大賞』が決定した。今年は系列19社から26件の応募があり、金賞には関西テレビ放送株式会社の「ヘリ位置スーパー用逆ジオコーダーのAI開発」が選ばれた。
本システムは、ヘリ映像の音声チャンネルに含まれるGPS位置情報を読み取り、「逆ジオコーディング※」によって、機体位置に対応する都道府県・市区町村名を映像に重ねて表示するアプリケーションである。災害時に在阪局間でヘリ映像を共有する「関西モデル」を背景に、「災害時に共有するヘリ映像の撮影場所をすぐに把握したい」という現場の要望を受け、撮影地域の確認や素材判別にかかる負担の軽減を目指して開発された。
※逆ジオコーディング:緯度経度情報から地名や住所に変換すること
開発にはChatGPTとCodexを活用。開発者が要件を正確に伝え、AIによるプログラム作成や信号解析、検証の結果を確認した。開発者はソースコードを一行も直接書くことなく、通常業務の合間の約3日間で主要機能の原型を構築し、その後も実機による検証や機能追加を重ねた。 高度とカメラの向きが取得できる場合は、平坦な地面を仮定して撮影対象の位置を推定し、その地名も表示することができる。また、任意の範囲を登録することで、イベント会場名や「大阪湾」などの名称を表示することも可能である。
地名の判定には、国土交通省「国土数値情報」の行政区域データを使用。必要なデータをあらかじめPCに用意しておけば、地名の判定から文字スーパーの出力まではインターネットに接続せずに行うことができる。データを差し替えることで市町村合併や名称変更にも対応でき、位置情報と当時の行政区域データがあれば、過去映像に当時の地名を表示できる。
本システムは、PCと映像入出力機器のみのシンプルな構成とすることでコストを抑え、位置情報の読み取りから文字スーパーの出力までを一体化した。ソースコードに加え、仕様書、設計資料、検証記録を整備し、担当者が代わった場合でもAIを活用して改修・保守を進めやすい形にまとめている。
■受賞者コメント
◆金賞受賞
松井勝正氏(関西テレビ放送 総合技術局制作技術センター)
「『災害時に共有するヘリ映像の撮影場所をすぐに把握したい』という現場の要望と、上司からの相談が開発のきっかけでした。ChatGPTの『できますよ』という言葉にも後押しされました。 当初は、同様の機能を持つアプリのサブスクリプション契約が提案されていたそうです。生成AIにも利用料はかかりますが、アプリ開発に活用することで、それを上回るコスト削減につながったと考えています。放送局の特殊な用途に対応するアプリは、外部に開発を依頼すると高額になりがちです。今回は生成AIの活用により、費用を大幅に抑えられました。また、運用に合わせた改善や細かな要望にも素早く対応できる点は、大きな利点だと感じています。 今後もこうした取り組みを続け、開発を多くの人に引き継げる環境を整えていきたいと考えています。この取り組みが、現場のアイデアを生成AIとともに形にするきっかけになれば幸いです。今回の受賞を大変光栄に思うとともに、検証にご協力いただいた皆さま、機会をいただいた皆さまに感謝申し上げます」
(引用:リリースより)
■第34回 FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」受賞事績
<金賞> 関西テレビ放送
ヘリ位置スーパー用逆ジオコーダーのAI開発
<銀賞> テレビ静岡
OR-Toolsを活用した勤務表自動生成システムの開発
<銅賞> 東海テレビ放送
リアルタイム地図マッピングシステム わたMAPの開発と運用