左から小倉啓輔氏、小野仁氏、菅原悠平氏、河副文夫氏

26 SEP

テレビ朝日『超人女子戦士 ガリベンガーV』最新技術を取り入れた配信イベント「ガリベン納涼祭」で予想を超える反響

編集部 2020/9/26 09:00

テレビ朝日は9月5日、バイきんぐ・小峠英二と電脳少女シロによる異色バラエティー番組『超人女子戦士 ガリベンガーV』(毎週木曜 深夜1時26分放送)の有料配信イベント「超人女子戦士 ガリベンガーV ガリベン納涼祭」を開催した。

これは昨夏の豊洲PIT(東京都江東区)で行われたリアルイベント「スーパーヒロイン知能大戦」、今年3月の配信イベント「筋肉&妖怪大進撃」に続いて3回目の開催となる。ますます進化した双方向イベントについて、制作関係者に見どころや狙いを聞いた。

答えてくれたのは、小野仁氏(IoTv局 IoTvセンター 先端コンテンツビジネス担当部長)、菅原悠平氏(コンテンツ編成局 第2制作部 プロデューサー)、河副文夫氏(ビジネスプロデュース局 IP推進部)、小倉啓輔氏(ビジネスプロデュース局 イベントプロデュースセンター)。

ガリベン納涼祭

■双方向コミュニケーションをテーマにした配信イベント

――「ガリベン納涼祭」とはどういうイベントですか?

小野氏:VTuberたちが特別講師を迎えて超難問を学び成長していくという異色のバラエティー『超人女子戦士 ガリベンガーV」では、ファンとのリアルな交流を目的としてこれまでいくつかのイベントを開催してきました。

菅原氏:1回目は昨年夏にリアルイベントとして豊洲PITで開催しました。2回目は今年3月にパシフィコ横浜で開催する予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で急遽リアルイベントから配信イベントに切り替えました。そして3回目となる「ガリベン納涼祭」は、「双方向」をテーマに配信イベントとして行いました。

――「双方向」をテーマにした狙いは?

菅原氏:最初のリアルイベントで、応援してくれるファンの方々のものすごい熱量を感じ、2回目は結果的に配信になってしまいましたが、その熱量はTwitter上から伝わってきました。それで3回目は、ファンの方々との交流や双方向コミュニケーションができる配信イベントにしたいと考えたのです。

――今回、これまでと違う点は?

小野氏:3回目で初めて、配信専用のコンテンツとして作った点が、これまでとの大きな違いですね。

菅原氏:ファンの方々にZoomを使って画面上に登場してもらったり、お題に投票できたり、スワイプ機能を使ってカメラを切り替えられる「推しカメラ」で楽しんでもらったりと、テレ朝動画の新しいシステムなどを取り入れて制作しました。

――新たな試みを取り入れた「ガリベン納涼祭」の反響はいかがでしたか?

小野氏:事前に設定した目標を上回るファンの方々が視聴してくださり、ライブ配信のスタート直後にTwitterのトレンド4位になるなど、非常に手応えがありました。出演したVTuberのファン、そして番組ファンの皆様の熱い応援を実感することができました。

■推しを堪能できるスワイプビデオと、番組に参加できる投票機能

河副氏:スワイプビデオによるマルチアングル機能を使って、好きな出演者の専用カメラに視点を切り替えながら配信を楽しめるというものです。通常の配信チケットに1000円プラスして販売しました。「ガリベンガーV」の視聴者はデジタルに馴染んだ方が多いので、新しい取り組みをしても受け入れられる土壌があると考えて行いました。

スワイプビデオ
スワイプビデオ(画面をスワイプすることでカメラを切り替えられる)

――ファンの方々の反応はどうでしたか?

河副氏:自分がずっと観ていたい『推しVTuber』がいるファンの方も多くて、今回のイベントではチケット購入者の半数以上がスワイプビデオを追加購入してくださっていて、ライブ配信中のTwitterでも好意的な意見をたくさんいただけました。

――投票機能も盛り上がっていましたね。

河副氏:配信中のお題に対して赤か青を選ぶなどして、ファンの方が意思表示を可能にするもので、今回は無料で投票権をお渡ししました。将来的にはギフティングやプレゼントなどの機能を持たせたいと考えています。

投票機能

■Zoomを利用し、出演者とファンによるリアルタイムでのやり取り

――ファンとコミュニケーションもイベントの大きな魅力でした

小倉氏:今回は最初から配信イベントとして開催することを決めていたので、どのようにすればファンの方々が参加することができるか模索していました。そんな中、新型コロナ禍の影響もあって、オンライン会議が社会的にも普及したこともあり、多くの人にとって導入するハードルが下がっていたと思います。そこで今回は200名を募集してスタジオのモニターに出て、出演者と一緒に番組を作っていくような企画を目指しました。

――ファンの方々の反応はいかがでしたか?

小倉氏:リアルな会場だとファンのリアクションを肌で感じることができるのですが、従来の配信イベントだと反応している姿が確認できませんでした。でもZoomの画面では皆が同じタイミングで笑うなどの顔が見られたのがすごく良かったです。ファン同士のつながりもできたと思っています。

――Zoomとはいえ多数の一般の方が画面に出て問題はなかったですか?

小倉氏:念のために、配信画面に映してはいけないモノを出す人がいないか確認はしていました(笑)。けれど、非常に楽しそうに参加されていたようでまったく問題はありませんでした。

――新しいコミュニケーションの方法が生まれたとか?

小倉氏:Zoomに参加された方々の音声が配信に乗るような環境設定はしていなかったのですが、一部の参加者がフリップボードのように紙にコメントを書くことで意思表示をして、それが自然と皆さんに広がっていきました。出演者の先生方やゲストも真似して使うような感じで、制作側の想像を超えた双方向の盛り上がりが生まれたのではないかと思っています。

■最新技術を取り入れ、ファンがより楽しめるイベントを

――今回のイベントで良かった点と、次にチャレンジしたいことをお聞かせください。

河副氏:テレ朝動画では、色々な動画配信プラットフォームとの差別化が一つのテーマでした。その中でテクノロジーを使うことが目的になるのではなくて、技術的な表現とコンテンツの中身の共存が重要で、今回のイベントはそれが非常にマッチしたものができました。これからも視聴者の方に本当に喜んでいただける配信を実現していきたいと思います。

小倉氏:配信の動画を観るという所から、参加するという所に昇華できたのがすごく良かったです。イベント会場のすごい熱量を表現できて、ファンの方に体感していただけたのではないでしょうか。番組も2周年を迎えますので、新たなVTuberのイベントなど新しいことにチャレンジしたいです。

菅原氏:「ガリベン納涼祭」はファンの方々に支えられて成功したものだと思っています。ファンの方々が画面に出る所がどうなるのかまったく想像できなかったのですが、やり始めたらMCの小峠さんもその面白さに気づいて上手に立ち回ってくださいました。今後はVTuberそれぞれの魅力を活かしたイベントにもトライしていきたいと思います。

小野氏:新型コロナ禍明けに向けて、少しずつ陽が差してきた時期に、このイベントができたことは、本当に良かったと思っています。でもやはり、リアルなイベントでやりたいという思いは強いです。観てくれたファンの方々も、みんなで同じ空気を吸えるような日を待ち望んでいると思います。今はしっかりと配信のイベントを作って楽しんでいただいて、行く行くはリアルで、みんなで集まる大きなイベントを必ずやりたいと思っています。

※「ガリベン納涼祭」は、アーカイブで9月30日(水)23:59まで動画視聴可能(チケット販売は9月29日(火)23:59まで)

販売サイト:テレ朝動画