05 JAN

変革期を迎えているビデオ・マーケティング〜「CCI BROADCASTING FORUM」レポート

編集部 2021/1/5 11:00

CCI(サイバー・コミュニケーションズ)主催のカンファレンスイベント「CCI BROADCASTING FORUM 2020 テレビ放送とオンラインビデオの未来へ向けて ビデオマーケティングを成功に導くプレミアムビデオコンテンツとは」が、2020年11月27日にオンラインで開催された。

本稿では、株式会社サイバー・コミュニケーションズ 取締役の安達紳之介氏によるオープニングセッション「変革期を迎えているビデオ・マーケティング」の模様をレポートする。

■動画配信サービスの利用率・利用時間が大幅に上昇。今後も続く見通し

冒頭、安達氏は動画配信サービスの利用実態について紹介。コロナ拡大前の昨年12月と今年6月に行ったメディア利用状況調査の結果を比較した。

各メディアの中で、利用率はインターネットが最も高く、テレビ、動画配信サービスが続く結果に。コロナ拡大による影響で「おうち時間」が増えたことにより、昨年と比べてメディア全体の利用率は上昇。とくに動画配信サービスに関しては、3.7ポイント増加。各エリアの利用頻度について、動画配信サービスでは、週4日以上利用するヘビーユーザー層の割合が大きく増加したという。

続いて安達氏は各メディアの1日当たりの平均利用時間を紹介。

1日あたりのエリア全体の平均利用時間は4.9時間で、昨年に比べ0.6時間増加。各メディアの利用時間のユーザー層の内訳は、テレビ動画配信サービスにおいて、1時間半以上利用するヘビーユーザー層の割合が大きく増加。動画配信サービス全体でも、30分以上1時間半未満のミドルユーザー層を含め、20ポイント以上の増加が見られたという。

「放送局様のキャッチアップ番組も今後増加していく傾向の中で、動画配信サービスの利用時間の伸長は今後も続くと思われる」と安達氏。動画配信サービスの増加を加速させる要因のひとつであるテレビへのネット接続率も50.7%と大幅に増加したと述べた。

■インターネット広告費予算は回復基調。プログラマティック広告への注力が顕著に

続いて安達氏は、インターネット広告市場に関わる職種(広告主・広告会社・メディア・プラットフォーマー・アドテクノロジーベンダー)を対象に実施した、インターネット広告予算に関する調査結果を紹介。今年7月に実施した第1回調査と、10月より実施している第2回の速報値の抜粋を比較した。

今年上期のインターネット広告費予算は、2019年上期と比較して61.5%が「減少した」と回答。その一方で下期については、2020年上期に比べ、47.3%の方が「増加した」と回答。「私たちの提案活動からも、回復傾向を実感している」と安達氏は語る。

今年下期、取引手法別でのインターネット広告費については、回答者の50%以上が「動画を含む運用型広告が増加」と回答。プログラマティック広告への注力が際立つ結果になったという。

■交通・レジャーは予算の減少が続くも、他業種は来年大きく増加の見通し

続いて安達氏は、コロナ禍における各業種のキャンペーン費への影響に関して説明。今年上期に比べ、下期のキャンペーン費が減少した業種については、約3割が「交通・レジャー」と回答。グローバルにおいても同業種で6割が「減少した」と回答しており、上期に続き、同業種の減少が引き続き目立つ。

一方、キャンペーン費が伸びた業種については、2割が「飲料・嗜好品」と回答。今年上期では「情報通信」が最も増加したが、下期においても15%が「増加した」と回答。グローバルでは、「金融・保険」が大きく増加した。

来年2021年上期の広告費の見通しについては、6割「増加する」、グローバルでも同様に6割が「増加する」と。さらに「大きく増加する」との回答は、国内では8%に、グローバルでは20%となり、景気回復への期待を感じさせる結果となった。

「来年に向けて広告費が増加する可能性として、期待すること」という質問項目では、6割が「新しい生活様式による新需要および消費喚起」と回答。「東京オリンピック・パラリンピック開催による需要喚起」という回答も約6割にのぼったという。

「新しい生活様式の中でオリンピック・パラリンピックが開催され、動画配信サービスとコンテンツが充実し、視聴が伸びる」と安達氏。「広告主様のニーズにもよりお答えできる動画広告市場が形成されていく」と大きな期待を示し、セッションを締めくくった。

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