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HTB制作映像、第62回科学技術映像祭で内閣総理大臣賞と部門優秀賞のW受賞

編集部 2021/3/11 16:00

第62回科学技術映像祭で、HTBが制作し2020年6月27日(土)に放送した『HTBノンフィクションたづ鳴きの里~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~』が、最高賞の内閣総理大臣賞。また、2020年11月8日(日)に放送したHTB制作『テレメンタリー2020 介護崩壊~救えなかったクラスター~』が自然・くらし部門の部門優秀賞を受賞した。

科学技術映像祭は、優れた科学技術映像を選奨することで科学技術への関心を喚起するとともに、その普及と向上をはかり、社会一般の科学技術教養の向上に資することを目的として昭和35年に開始された日本で最も権威のある科学技術の映像祭で、「自然・くらし部門」「研究・技術開発部門」「教育・教養部門」の3部門に応募された作品の中から各賞を選定。入選作品は、全国の科学館等で上映会が実施される。

今回、内閣総理大臣賞を受賞した、『HTBノンフィクションたづ鳴きの里~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~』は、かつて絶滅寸前までに追い込まれた国の天然記念物タンチョウを呼び戻す運動を続ける農民たちを5年にわたり現地で取材し、四季折々の美しい映像を交えて描いたドキュメンタリーで、現地では100年以上ぶりとなるタンチョウの繁殖や貴重なヒナの撮影にも成功した。

今回の受賞について沼田博光ディレクターは、「このような素晴らしい賞をいただき御礼申し上げます。「マチにタンチョウを呼び戻す」という試みを知ったのが2015年頃。夢を感じて町や人々の姿を撮影し始めました。それが本当にタンチョウの棲む町に変わり、幸運にもその一部始終を映像に納めることができました。ツルを呼ぶ活動は、地域の環境もそこに暮らす人々の心も豊かに変えていきました。人の暮らしのすぐ隣に住む生き物たちに関心を寄せて、少し寄り添うだけで私たちは幸せな気持ちになれるということを、番組を通して知るきっかけになればと思います」と喜びを語った。

HTB北海道onデマンド『HTBノンフィクションたづ鳴きの里~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~』

また、自然・くらし部門の部門優秀賞を受賞したテレメンタリー2020『介護崩壊~救えなかったクラスター~』は、17人もの入居者が亡くなり国内最大級の新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)となった札幌市の介護老人保健施設について、札幌市の見解と、施設の報告書、独自取材を基に検証し、「介護崩壊」を起こさない為の教訓を探ったドキュメンタリー。

この受賞について阿久津友紀プロデューサーと北村玲奈ディレクターは共同で、「新型コロナウイルス感染の第2波で起きた当時の最大のクラスター。冬に更なる拡大が予想されていたことから、できるだけ早いタイミングで検証することで多くの人が備えられるのではないかと思い制作しました。コロナ禍で起きたひとつの介護老人保健施設の事例から、放置されてきた介護制度のひずみ、固定化された縦割り行政、自治体の壁が阻む医療支援体制など、数々な問題点が見えてきました。いまも最前線で戦っておられる医療・介護従事者のみなさまに感謝するとともに、今後、この受賞によりさらに多くの方々に御覧いただくことで、浮き彫りになった様々な課題が解決に向かうことを切に祈ります」とコメントを寄せた。