左から)株式会社テレビ愛媛 尾谷牧夫代表取締役社長、砥部町 佐川秀紀町長、伊予市 武智邦典市長、松前町 岡本靖町長

07 APR

テレビ愛媛、中四国民放初となる地上波データ放送での自治体広報サービスを開始

編集部 2021/4/7 08:00

テレビ愛媛(EBC)は4月1日より、地上デジタルデータ放送を利用した自治体広報情報提供サービス「市町の広報」をスタート。中四国地域の民放テレビ局では初の取り組みとなる。開始に先立つ3月24日、株式会社テレビ愛媛 尾谷牧夫代表取締役社長、砥部町 佐川秀紀町長、伊予市 武智邦典市長、松前町 岡本靖町長の4名が松山市の同局本社で会見を行った。

■自治体が入力した情報をテレビ愛媛のデータ放送画面で配信

「市町の広報」は、テレビ愛媛の地上デジタルデータ放送を利用し、自治体からの広報情報を提供するサービス。自治体側がインターネット経由で直接情報を入力し、その内容をテレビ愛媛がデータ放送に随時掲載する。

視聴者はリモコンの「dボタン」でデータ放送を起動し、「市町の広報」メニューから市町別に自治体の生活情報・災害情報を見ることができる。

市町の選択画面。デフォルト表示する市町を設定することも可能

一項目あたりに表示できる文字数は、最大で全角680文字(1ページ170文字×4ページ)。文字情報のほか、自治体のウェブサイト等へ誘導できるQRコードも掲載できる仕組みだ。

4月1日現在、運用する市町は砥部町、伊予市、松前町の1市2町。その他の市町についても、テレビ愛媛が参加を提案中という。

■「ほとんどの家庭にある」テレビを活かして防災行政無線を補完

今回配信を開始する1市2町を代表し、伊予市・武智市長が挨拶。今回のシステムは「防災無線での言葉が文字化されて出てくるという位置づけ」といい、「高齢者の方々にとってはテレビが重要な情報を得る有効な手段」と、テレビのデータ放送を通じた発信の意義を語った。

伊予市・武智邦典市長

「防災行政無線は屋外のスピーカーからの声が聞き取りにくい場合があり、個別受信機についてもまだ普及が進んでいるとは言いがたい。これまでもパソコンやスマートフォンを活用してさまざまな情報発信を模索してきたが、高齢者の実情を考えたとき、ほとんどの家庭にあるテレビを通じた情報発信がふさわしいと考えた」(武智市長)

「今回のサービスでは、(テレビの)画面にリアルタイムな情報が表示され、いつでも再確認することができるなど、多くのメリットがある」と武智市長。「(伊予市は)高齢化の進む地域」であるといい、「災害時の防災行政無線を補完するための有効な手段として」今回のシステム導入を決めたという。

■「地上波デジタルの電波を使った地域貢献」とテレビ愛媛社長

続いてテレビ愛媛・尾谷社長が挨拶。「アナログ放送の時代から何十年とみなさまの暮らしに根付き、毎日のように接していただいているテレビ画面で、地域のいろんな情報を簡単に受け取っていただけるようになる。非常時でもテレビさえ映れば、地域の自治体が発信する的確な情報を迅速に見ていただくことができる」と、そのメリットを語った。

「(地上波デジタル放送の)電波を使った貢献のかたちを考えるなか、生まれたアイデアからスタートした」と尾谷社長。「(今回のサービスを通じて)局の姿勢が(放送)エリアのみなさんに伝わっていければ」と思いを語った。