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読売テレビ、加古川市の防災情報配信に協力

編集部 2021/4/7 14:20

読売テレビが、兵庫県加古川市の防災情報の配信に協力することで合意し、4月7日(水)に契約を締結する。これは、加古川市が発信する避難勧告などの防災情報を、読売テレビの放送波を使って、加古川市内の屋外拡声器や専用の戸別受信機などに配信するもの。

自治体の防災情報を、地上デジタルテレビジョン放送波を使って配信することで合意し、契約を締結するのは、全国初のことである。加古川市では、10月の情報配信開始を目指し、年度内には戸別受信機の市民への配布も計画している。 

読売テレビでは、今後も自治体の防災情報配信に協力していく予定。契約締結式は、4月7日(水)に加古川市防災センターで実施。

<防災情報配信の概要>
①    加古川市が防災情報(避難情報や災害発生情報)データを発信(※1)
②    防災情報データを、読売テレビが放送波に載せて配信(※2)
③    加古川市内各所の屋外拡声器や専用戸別受信機などで住民へ防災情報を伝達
④    公共施設(避難所等)の遠隔解錠 

※1 災害情報、武力攻撃事態など、住民の生命・財産に重大な被害を招く事象及び住民の生活に不安・不信を与える事象にかかる情報を発信。
※2 放送帯域(読売テレビの放送帯域で送信できるデータ量の約 1%の 200Kbps)を使って、加古川市の防災情報配信を行う。放送そのものには影響は無い。

テレビ放送波を使った情報配信の仕組みは、放送波の隙間を利用して情報を送信する技術「IPDC(IP Datacast)」によるもので、インターネットで利用されている IP(Internet Protocol)を放送波に活用し、広く一斉にデータを配信。自治体が防災情報を一斉に発信する方法としては、「防災行政無線」が一般的だが、台風などの場合、屋内にいると風雨の音で屋外拡声器の音声が聞こえないとの指摘があるほか、無線設備の維持・更新に多額の費用がかかるなどの問題点が指摘されていた。「地上デジタルテレビジョン放送波」は、日本全国ほとんどの家庭で屋内アンテナ配線まで完備されており、専用の戸別受信機を利用することで音声が聞こえにくいという問題が解消できる見込み。もとより加古川市では、V-Low 帯域(※3)を利用した防災情報配信を行ってきたが、当該事業会社の業務撤退により、その業務を読売テレビの放送帯域を利用した形で読売テレビが引き継ぐことになったという。

※3 デジタル化(地デジ化)前のアナログテレビ放送で使用されていた電波の周波数帯域のうち、90MHz~108MHz の帯域を指す通称。

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