27 APR

ニールセン、消費者の動画コンテンツと動画広告に関する視聴動向レポートを発表

編集部 2021/4/27 08:00

ニールセン デジタル株式会社(東京都港区)は、動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2021(Nielsen Video Contents & Ads Report 2021)」を発売し、そのレポートを元に動画コンテンツの利用状況と利用者の意識を分析・発表した。昨年、オンライン動画サービス市場では大きな動きがあった。Disney+やNHKプラスといった世間の話題を集める新たなサービスが開始されたことや、特に有料動画サービスの利用状況が大きく変化。今回の調査によると、インターネット利用者における有料動画サービスの利用率は昨年の30%から36%に増加していることが確認できた。この成長率の伸長は直近3年間では最も大きなものとなっている。

主要動画サービスを直近1年以内に利用し始めた人と、1年以上前から利用している人を比較した。性別では、最近利用し始めた人は女性が52%を占める一方で、既存の利用者では女性の割合が46%。また年代別では、最近利用を始めた人全体では19歳以下の人が多くなっている一方で、女性では20~49歳の人も多くなっている(図表1)。女性の幅広い年代で利用者が多くなっているのは、利用を開始した理由として「話題になっているから」という回答が多いことを考慮できる。動画サービスの様々なコンテンツがメディアで話題に上がったことをきっかけに、緊急事態宣言の発令に伴う外出制限により、休日の過ごし方の1つであった映画館の利用が難しくなったことや、テレビドラマの制作本数が減少した期間があったことが要因と考えられる。また職業別に見ると、最近利用し始めた人では学生の割合が多くなっている。これも、自宅でのオンライン授業が増加して外出が減少したことを受け、通学時間の代わりに生じた新たな時間を動画サービスの利用に充てていたことが考えられる。

主要動画サービスを1年以上前から利用している人は、洋画や邦画のジャンルを好んで視聴する映画好きが多くなっている一方で、直近1年以内に利用し始めた人では洋画や邦画に加え、アニメ、国内ドラマのジャンルも同程度に視聴していた。さらに、多くのメディアで話題になった韓流ドラマの視聴も多くなっていた(図表2)。これは、既存の利用者が特定のジャンルに対して強い関心を持っていた一方で、最近利用し始めた人は、動画サービスの様々なコンテンツがメディアで話題に上がったことをきっかけに動画サービスを利用し始めた人が多かったことから、特定のジャンルに偏らずに様々なジャンルを視聴しているためだと考えられる。

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