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読売テレビ、「人種問題」オンライン開催 理解深める初の試みでアナウンサーとの「対談」も実施

編集部 2021/4/30 15:30

読売テレビは、4月26日(月)より、読売テレビおよびグループ会社の社員、協力会社スタッフなどを対象とした動画視聴によるオンライン全社人権研修会を開催している。

この研修会は、人権に関する幅広い知識を得ること、理解を深めることを目的に一昨年より実施しており、これまで「西成問題」、「同和問題」、「LGBTQ」をテーマに開催してきた。第4回となる今回は「人種問題」をテーマに、京都精華大学ウスビ・サコ学長を講師に招き、「人種問題とそこから見える差別の本質」と題して講演を行った。

新型コロナウイルス感染防止の観点から、研修会は事前にビデオ収録。また今回は初めて、オンライン研修の理解度を深める試みとして、同社アナウンサーを聞き手にテレビ・メディアにおける人種表現の問題点の解説や、疑問に答える対談パートを別途設けての2部構成とした。4週間の期間内に、各自がイントラネットに設けられた特設サイトへアクセスし動画視聴するオンライン形式で実施する。

アフリカ・マリ共和国出身、中国留学などを経て1991年に来日したサコ氏は、講演において、さまざまな局面で感じた文化の違いや自らが受けた差別・区別の実体験を語った。「BlackLives Matterは黒人のみならず差別を受けるすべての人々のためになった運動。日本人は、アジアではなく西洋社会に近いアイデンティティで、差別問題も他人事のようで自分が差別する側にいたとしても自覚がない人が多かった。新型コロナや最近のアメリカでのアジア系差別を受けてようやく理解が進んできた」と指摘。「社会は多様化しているのに日本のメディアは多様化していない。テレビでは、例えばアフリカの人はいかに視力がいいか、動物好きか、など笑いをもってステレオタイプを肯定化する表現が多かった。これからは、その人をありのままに伝えていく場を増やし、お互いの違いの理解を深めることが大切。実際に差別を受けた当事者とコミュニケーションをとり、その人がメディアで発信できれば、知識を与えるだけでなく社会のものの見方が変わっていくと思う」と話した。読売テレビでは、時代とともに変容する人権問題への意識を高めるため、今後もこの研修会を適時開催する予定である。