日本テレビ放送網株式会社（以下、日本テレビ）は7月16日、バーチャルYouTuber（以下、VTuber）を起用した同局初の地上波レギュラー番組『プロジェクトV』のオンライン制作発表記者会見を行った。

同番組は日本テレビがVTuber事業を本格的に拡大させていくという5つのプロジェクトのひとつとなり、会見ではこれらすべてのプロジェクトの概要が明らかにされた。会見は非常に盛りだくさんの内容となり、日本テレビのVTuber事業拡大への意気込みが伝わってくるものとなった。

発表を行ったのは日本テレビ 社長室 新規事業部の大井基行氏、進行は同局アナウンサーの豊田順子氏が努めた。

■日本テレビが運営するVTuberネットワーク「V-Clan」の新たな展開が始まる

最初に発表されたプロジェクトは＜V-Clanネットワークが世界最大規模に進化！＞というもの。日本テレビは、“VTuberを次のステージへ”というビジョンのもと、VTuberのネットワーク「V-Clan」を運営している。これは同ネットワークに参加しているVTuberの活動を支援するもので、豊富な実績と経験を生かしてVTuberコンテンツの企画やプロデュースを行っている。

【関連記事】日テレ若手社員、LIVEPARKで『VTuberおバカぐらんぷり』をプロデュース！〜インタビュー（前編）

今回このネットワークに、VTuber界を支える四天王の1人のミライアカリ、トップクラスの男性VTuberの天開司、抜群の歌唱力で幅広い活動を行うかしこまり、福岡県ご当地VTuberの舞鶴よかと、福島の地方創生VTuberせんのいのり、そしてアメリカを拠点とする海外発のVTuberエージェントVShojoが一気に加わると発表された。

新しいメンバーを加えたV-Clanネットワークは、合計メンバーが100名以上、YouTubeの合計登録者数は800万人を超える世界最大規模のVTuberネットワークになった。大井氏は「全員が魅力的で個性があって、これからの可能性がある方ばかりです。我々はメンバーのVTuberの活動を全力でサポートしていきたい」と改めて「V-Clan」の方向性を示した。

二つ目のプロジェクトは＜VTuber専門WEBメディア「Up-Station」を設立＞というもの。「Up-Station」とは、VTuberの新しい魅力と出会うWEBメディアで、毎月100本程度の記事をはじめ、VTuberの魅力に迫る独占インタビューや、ユニット・グループ内でのリレー企画など、ここでしか読めない記事が多数掲載されるものになる。

続いて発表されたのは＜V-ClanネットワークでVTuberの活動を支援する新サービスを開始！＞。日本テレビがVTuberの活動を、セールス、プロモーション、コミュニティの3つの側面から全力でサポートを行うというもの。月額980円から一般のVTuberも参加することができる。大井氏は「有料だからこその、価値のあるものを提供したい」と豊富を語った。

■日本テレビ初のVTuberレギュラー番組『プロジェクトV』放送開始！

次のプロジェクトは、＜日本テレビでVTuberのレギュラー番組がスタート！！＞。VTuberが主役となる、日本テレビでは初のレギュラー番組『プロジェクトV』（初回放送7月28日（水）25:09～26:09、関東ローカル）の放送開始が発表された。

“VTuberがまだ見ぬ現実世界の猛者と共演し、新しい魅力や価値を発見する”というコンセプトで制作される同番組のレギュラー出演陣は、因幡はねる、星川サラ、ミライアカリ、富士葵、鈴鹿詩子といった個性溢れるVTuberたち。そしてMCとして謎の新人VTuberのミカエルも登場する。

今回の会見にはこの『プロジェクトV』の出演者5名とMCのミカエルが最初から姿を見せていて、豊田アナウンサーとのやり取りで場を盛り上げていた。

ここでミカエルは「VTuberが一流音楽家、一流格闘家、大物芸人や歌手といった、テレビならではのゲストとコラボし、VTuberの魅力を最大限に発揮する番組なんです」と番組の企画を発表。豊田アナウンサーも所属する日本テレビアナウンス室とのコラボも予定されているのだという。

「テレビとネットの掛け合わせで、本当に新しい番組を作っていきたいと思います。まだこの番組は関東ローカルで、月イチ深夜ですが、僕は本気でこの番組を全国ネットで、ゴールデンの週イチでやりたいと思っています！」と大井氏は力強く抱負を語った。

■来年春には番組連動イベントの集大成となる祭典を開催

最後に発表されたプロジェクトは＜地上波番組に連動して配信番組など5つの展開がスタート!!＞というもの。『プロジェクトV』の地上波放送に合わせ、ファンと一緒に作り上げるレギュラー番組『推しすぎてV』が配信される。ここには地上波番組と同じ5名とミカエルも参戦する。

加えて『プロジェクトV』の公式パンフレットの制作や番組公式ファンクラブの開設、初回エンディングテーマソングのオーディション開催といった、地上波から派生するさまざまな施策が明らかにされた。

そして番組連動イベントの集大成として、来年春には歌と笑いの祭典が行われることも発表された。このように、『プロジェクトV』はテレビ番組だけではなくさまざまなプラットフォームを使っての企画が準備されている。

最後に大井氏は、「本当に日本テレビが、本気でVTuberを盛り上げていきたいという熱い思いを持って、チームメンバーはもちろん、社内外の多くの方々の協力を得て、実現できたプロジェクトです。だからこそ成功させたいと思っています！」と熱い思いを語り会見は終了した。

日本テレビが運営するVTuberネットワークの「V-Clan」と地上波新番組『プロジェクトV』。テレビならではの仕掛けが、VTuberの世界にどう影響を与えていくのか、一層注目が集まる。

『プロジェクトV』公式サイト