19 OCT

TVISION INSIGHTS「YouTubeはテレビでどう見られているのか」視聴実態を分析

編集部 2021/10/19 11:15

各家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビの「視られている量」を測るTVISION INSIGHTS株式会社(本社:東京都千代田区、以下TVISION)は、世界初の試みとして人体認識データと、YouTube視聴履歴を組み合わせた調査を実施。テレビでYouTubeはどのように見られているのか、既存データでは見えない個人の視聴実態を分析した。

現在、テレビでYouTubeを見ている人は2,000万人以上(Google、日本、2021年3月)と言われている。またサイバーコミュニケーションズの調査によると、テレビで動画コンテンツを視聴している人は23%(2020年6月)と増加。TVISIONでは、今後さらに視聴人口が増えると予測される動画ストリーミングサービスが、テレビを通してどう見られているのかを知ることは、広告を出稿する企業にとって重要な要素であると考え、今回の調査を実施したという。

「同一アカウントを複数ユーザーで利用」という視聴実態を初めて具現化

ストリーミングサービスがテレビスクリーンで見られることが増加する中、一つの課題とされてきたのが、「アカウント」からデジタル的に取得した視聴データ(以下、アカウント・データ」では、「充分に視聴形態をカバーできないのでは?」という問題。一般家庭では、「1人のアカウントでログインしていても、アカウント保持者ではなく、同居者が視聴する」ということがよくあるからだ。これまでのアカウント・データでは、1人のアカウントの先にいる「ほんとうの視聴者が誰なのか?」を特定するのはとても困難だった。

その課題を解決し、あるべき「データ」を明瞭化しようとしたのが、今回の調査だ。具体的には、アカウント・データと、TVISIONでしか取れない「誰が、どれぐらい見た」データを組み合わせることによって、ストリーミングサービスの視聴実態を明らかにした。

母親はほんとうにゲームに興味をもっているのか?

上図左のように、この世帯では、母親のアカウントでYouTubeを視聴しており、アカウント・データからは、「アニメからドラマ、ゲームへと、幅広い興味を持つ視聴者」というログが取れる。しかし、このログをTVISIONの視聴データと組み合わせると、その実態は「アニメは好きだけど、TVドラマはながら視聴程度の母親」と「ゲーム実況大好きな子ども」という2人の組み合わせであることがわかった。

上記は一例だが、同データはアカウント・データだけではなく、テレビの前にいる個人の「視ている」データと掛け合わせて把握することで、ストリーミングサービスのコンテンツ、またはそこに投じる広告の投下精度を大幅に上げられる可能性を秘めていると言えるだろう。

YouTubeをテレビで視聴したとき、テレビの前には平均1.5人の視聴者

また今回の調査では、テレビスクリーンを通じて、YouTubeを視聴している人は平均1.5人(※)だったこともわかった。スマホやタブレットを通しての視聴はほぼ1人と考えられているため、テレビスクリーンならではの複数人視聴の多さを浮き彫りにした結果となった。

今後、TVISIONでは、テレビスクリーンを通して、YouTubeを中心としたストリーミングサービスの視聴傾向を取得し、広告を出稿されている企業に提供していく。現在、既に複数の広告主とトライアルが進行しているとのこと。そこでの検証を経て、2022年にはデータの提供開始を予定しているという。

※)「平均視聴人数」1.5人=「複数人世帯において視聴されたコンテンツごとの1秒以上視聴者の和」/「視聴されたコンテンツの総数」。例えば、コンテンツが2つあり、コンテンツAの1秒以上視聴者=1人、コンテンツBの1秒以上視聴者=3人のとき、この場合の平均視聴人数は(1+3)/2 = 2人となる。

【調査詳細】
期間: 2021年2月1日~5月15日
対象: TVISION関東パネルデータ+対象パネルのうち、410アカウント(うちOTT視聴96アカウント)のYouTube視聴履歴を取得。なお本調査は、TVISIONの既存パネルに対して追加で調査を行っており、パネルより事前に調査への明確な協力・データ利用許諾を取って行われた。