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NHK技研、テレビ放送とARコンテンツ配信がリアルタイムに同期する最新デモ映像を初公開

編集部 2021/11/16 17:30

「NHK放送技術研究所」(NHK技研)は、「アイデアと触れ合う、渋谷の10日間。」として、様々なカンファレンスや体験プログラムが開催される都市型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021」(以下、SIW)において、⾃由視点ARコンテンツでリアルタイム伝送技術の最新デモンストレーション映像を初公開。「多様化するメディア新時代~新たな視聴体験の創造へ」と題した、技術提供者・アーティストが議論する異業種トークセッションも行われた。

近年、AR技術が注⽬され技術進歩が加速しているなか、NHK技研では、これまでのテレビの枠を超えた新しい視聴体験を実現するため、ARコンテンツも放送と同じようにリアルタイムに伝送するストリーミング方式を開発。デモ映像には、ジャズミュージシャンの石若駿が提供したオリジナル楽曲にのせて、ワールドチャンピオンの肩書を持つダンスアーティストのMiyuが出演。壮大な大自然から渋谷のスクランブル交差点まで、様々に移り変わるシチュエーションの中で、Miyuが6変化しながら世界一のステップを披露する映像が流れた。

さらにテレビモニターに映るデモ映像にタブレットをかざすと、背景の映像とシンクロしながら踊るARのMiyuが目の前に飛び出す最新技術や、テレビと同期するだけでなく、タブレットを動かすと横や後ろに回り込むことができる自由視点のARなど、新たな視聴体験をしたイベント参加者からは驚きの声が多く上がった。

ステージでは、このデモンストレーション映像の技術開発に関わった、NHK技研のエンジニアの河村侑輝、映像ディレクターを務めた東映ツークン研究所の美濃一彦、映像に出演したダンスアーティストのMiyu、さらにネット配信初期の2010年から配信プラットフォームを開局したSUPER DOMMUNE代表の宇川直宏、ファシリテーターを務めた一般社団法人渋谷未来デザインの長田新子によるトークセッションを開催。「多様化するメディア新時代~新たな視聴体験の創造へ」をテーマに、若者のテレビ離れが指摘される昨今において、テレビが果たすマスメディアの役割について言及された。

普段はなかなか一堂に会することが少ない「エンジニア」「コンテンツディレクター」「アーティスト」という異なる立場の登壇者たちが、多角的な視点でアイデアを語り合ったトークセッション。今後のテクノロジーとエンタテインメントの更なる連携に大いに期待を感じるネットワーキングとなったようだ。

「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021」公式サイト