22 FEB

読売テレビ×加古川市、テレビ放送波を活用した防災情報配信の運用を開始

編集部 2022/2/22 09:30

読売テレビは、兵庫県加古川市と協力し、テレビ放送波を活用した防災情報配信の運用を開始したことを発表した。この取り組みは、加古川市が発信する避難指示などの防災情報を、読売テレビの地上デジタルテレビジョン放送波を使って、加古川市内の屋外拡声器や専用の戸別受信機などに配信するもので、全国で初めて実用化された取り組みとなる。

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加古川市では、昨年9月の実証実験も経て、今月から市内の町内会や消防団など災害時の支援組織に対して、合わせて600台の戸別受信機の配付を開始。専用の戸別受信機は、テレビ放送波が受信できる環境であればどこでも使用が可能で、屋内のテレビアンテナ線を接続することで、より確実に防災情報が受信できるため、暴風などの影響で聞き取りづらくなる屋外拡声器での情報発信を補う役割が期待されている。

2月19日には、加古川市の職員が10台の戸別受信機を野口町北地区の町内会長らに配付され、実際にテレビ放送波に防災情報データをのせて発信し、戸別受信機で情報が正しく受信できるかどうかのテストも実施。ブザーや音声に加えて本体ディスプレイの文字表示により、正しく情報が届けられることが確認された。戸別受信機を受け取った水足町内会長の橘一郎さんは「テレビの電波が受信できるのは新しい取り組みで良かった。小型でシンプル、取り扱いも簡単で、音も聞きやすかった」とコメント。加古川市は、戸別受信機の配付とともに、屋外拡声器などの整備を進めており、3月中にはすべての受信環境が整う予定だという。

左/防災情報を受信し鳴動する戸別受信機 右/避難所の鍵ボックスを遠隔解錠

■防災情報配信のイメージ

①加古川市が防災情報(避難情報や災害発生情報)データを発信(※1)
②防災情報データを、読売テレビが放送波にのせて配信(※2)
③加古川市内各所の屋外拡声器や専用戸別受信機などで住民へ防災情報を伝達
④公共施設(避難所等)の遠隔解錠
※1災害情報、武力攻撃事態など、住民の生命・財産に重大な被害を招く事象及び住民の生活に不安・不信を与える事象にかかる情報を発信。
※2放送帯域(読売テレビの放送帯域で送信できるデータ量の約1%の200Kbps)を使って、加古川市の防災情報配信を実施。放送そのものには影響はない。