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第22回「テレビ朝日新人シナリオ大賞」の大賞&優秀賞を発表!

編集部 2022/9/29 17:20

9月28日、第22回「テレビ朝日新人シナリオ大賞」(主催・テレビ朝日、後援・朝日新聞社、BS朝日、東映、幻冬舎)の受賞者が決定し、東京・港区六本木のテレビ朝日本社内で授賞式ならびに受賞発表会見が行なわれた。

2000年7月の創設以来、数多くのシナリオライターを輩出してきた「テレビ朝日新人シナリオ大賞」。古沢良太(映画『ALWAYS三丁目の夕日』、『探偵はBARにいる』シリーズ、ドラマ『相棒』『ゴンゾウ』『リーガルハイ』)、坂口理子(スタジオジブリ作品『かぐや姫の物語』、朝の連続テレビ小説『マッサン』、映画『チェリまほTHE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)、小峯裕之(『家政夫のミタゾノ』シリーズ、『ヒモメン』、『時効警察はじめました』、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』)、伊藤洋子氏(『遺留捜査』『刑事7人』)など多数の才能を見出してきた。

今回は、『家族』というテーマを設けてテレビドラマ脚本を募集。選考委員の井上由美子、岡田惠和、両沢和幸の3氏による最終選考会が行われ、3篇の受賞作品が決定し、大賞の発表が行われた。

大賞に輝いたのは、若杉栞南(わかすぎ・かんな)の『拝啓、奇妙なお隣さま』。また、優秀賞には平岡達哉(ひらおか・たつや)の『さすらいのパンツマン』、宮本真生(みやもと・まうい)の『代表取締役息子』が選ばれた。大賞には賞金500万円、優秀賞には100万円が贈られ、授賞式では受賞者の3人にテレビ朝日代表取締役会長・早河洋より賞状が贈呈された。

受賞の言葉および受賞者のプロフィール

大賞

若杉栞南(わかすぎ・かんな)/『拝啓、奇妙なお隣さま』

私は現在22歳で、このシナリオ大賞がスタートしたときはまだ生まれていなかったのですが、第22回の大賞を22歳という年齢でいただけたことをうれしく思っております。大学4年生で就職を考える中、どうしても脚本を書いていきたいという思いが消えず、就職せず、脚本家を目指したいという決意を家族に伝えたとき、彼らはなんら否定せず、「じゃあ頑張りなさい」と背中を押してくれました。そんな家族を持った私が、家族をテーマに描いた作品で大賞をいただくことができ心から感謝しています。これからたくさん脚本を書いて、どんなものでも若杉栞南の脚本だとわかるような作品をたくさん残せたら。この賞をこれからのスタートラインだと思って頑張っていきたいと思っております。

――今回の大賞受賞を誰にいちばんに伝えたいですか?

連絡をいただいた時点で、家族に受賞を伝えました。この作品を書くにあたって、家族って何だろうと考えたとき、すごく温かいもので包まれていることに気がつきました。そんな家族の温かさを作品に埋め込むことができたと思ったので、最初に家族に連絡しました。

両親が共働きのため、3人で夕飯を食べたこともほとんどありませんが、例えば受験など大事な場面にはどんなに忙しくても時間を作ってくれるような家族のもとで育ちました。寂しくなかったかといわれればそうではないかもしれませんが、それでも大事なときにはそばにいてくれる家族です。実は、家族全員休みを取ってこの授賞式に来てくれています!

――『テレビ朝日新人シナリオ大賞』に応募したきっかけを教えてください。

実はこの受賞作は、コンクールに応募しようと思って書いたわけではありませんでした。長編に挑戦したのはこれが2度目だったのですが、誰かに読んでもらいたいと初めて強く思えた作品になりました。そんな気持ちから、募集中のコンクールを探したところ、『テレビ朝日新人シナリオ大賞』が募集中であることを知り、ちょうど家族がテーマということを知り、「これは奇跡だ!」と思い、応募させていただきました。

――今後、テレビ朝日のドラマ脚本を担当するとしたらどんな作品を書いてみたいですか?想定する主演俳優も教えてください。

今まで書いた作品はヒューマンドラマが多かったのですが、自分の中で多重人格をテーマにしたドラマを描いてみたいという思いがあります。単なる多重人格の話ではなく、内面にあらわれる人格の中でヒューマンドラマを描けたらと思っています。もしかなうのであれば、仲野太賀さんにお願いできたらと思っております。

■作者プロフィール
22歳/大学生/埼玉県在住

優秀賞

平岡達哉(ひらおか・たつや)/『さすらいのパンツマン』

このような賞をいただきましてありがとうございます。自分の書きたいことを詰め込んだ作品で先生方に選んでいただけたことを光栄に思っております。私は普段、テレビ業界で働いていますが、昔からとにかくドラマ脚本への憧れを持ち続けていました。でもなかなかその機会がなく、私にとってドラマの世界は近いようでとてつもなく遠い存在でした。そんな中、このような大きなきっかけをいただいて何よりうれしく思っております。これからはいただいたチャンスを無駄にしないよう、一日でも早くドラマ脚本家としてデビューし、現場の方から信頼される脚本家として活動できるよう日々精進していきたいと思っております。

――今後、テレビ朝日のドラマ脚本を担当するとしたらどんな作品を書いてみたいですか?想定する主演俳優も教えてください。

深夜ドラマを書いてみたいと思っています。たとえば主人公が社会的につらい立場にいたり、コンプレックスを抱えてもがき苦しんでいるような。そういう若者たちの奥底に秘めた熱い気持ちを描くような作品を描きたいと思っています。岡山天音さんのような俳優さんに出演していただければうれしいですね。

■作者プロフィール
40歳/バラエティー構成作家/東京都在住

優秀賞

宮本真生(みやもと・まうい)/『代表取締役息子』

この度は栄えある賞をありがとうございました。実は2年前、別の賞をいただいたときは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で授賞式も中止になり、後日、自宅に賞状と目録が郵送されてくるという寂しい思いをしたのですが、今回は大々的に授賞式に呼んでいただけてうれしく思っております。ドラマは自分を含めて大勢の人に見てもらうもの。特定の人に突き刺さるような深い作品を作りたいという思いはありつつも、その一方で本質的な意味では誰も傷つけない、令和の脚本を描いていければと思っております。

――今後、テレビ朝日のドラマ脚本を担当するとしたらどんな作品を書いてみたいですか?想定する主演俳優も教えてください。

自分は普段、小説みたいなものを書いていまして、いろいろ小説も読んでいます。もちろんオリジナルも書きたいのですが、面白い原作があれば、挑戦させていただけたら。個人的に黒木華さんの演技が大好きなので、もし作品でご一緒できたら号泣してしまうと思います。

■作者プロフィール
30歳/ゲームプランナー/東京都在住

選考委員の講評

岡田惠和

若杉栞南さんの大賞受賞作『拝啓、奇妙なお隣さま』は、とても面白い作品でした。病室に寝たきりになった3人がいて、そのうち2人は一度も目を覚ますことがなく、基本的には心の声だけで芝居をしてもらうという、プロになって俳優さん...のことを考えるとなかなか書けないタイプの脚本です(笑)。でも読んでいくうちにそんなことはどうでもよくなり、面白いな、できれば映像になったものを見てみたいなと思いました。さまざまな思いをちゃんと整理して書いているところに技術の高さを感じました。

平岡達哉さんの作品『さすらいのパンツマン』は、お笑いがテーマ。実は、笑いをドラマにすることはとても難しいため、若い脚本家さんはなんとなくで逃げちゃうことも多いんです。でも平岡さんは逃げずに書いている。それはとても素敵なことだと思いましたし、説得力もあって好感を持ちました。

宮本真生さんの作品『代表取締役息子』は、優秀な子どもが社長になって、その下に父親が就くという、今の時代、ひょっとしたらあり得るかもしれないファンタジーを、とても気持ちよく描いています。起きることすべてに説得力があり、安っぽい天才みたいになっていない。すべてのキャラクターができあがっていて、いい作品だと思います。

これまで僕ら脚本家は毎週、引っ張りを作って、次の週まで待ち遠しく思っていただけるような作りをしてきましたが、今や10話同時に配信される時代。ドラマは違うフェーズに入ってきたような空気があります。それでもやっぱりエンターテインメントは求められていると思います。一緒に頑張っていきましょう!

井上由美子

本日はおめでとうございます。シナリオコンクールが減る中、後進の発掘に尽くしていただいているテレビ朝日のみなさまに御礼を申し上げたいと思います。先日、アメリカ同時多発テロから21年というドキュメンタリーを見て、その年にテレビ朝日新人シナリオ大賞がはじまったことを思い返しました。そこからずいぶん世の中は変わり、テレビドラマも大きく変わりました。配信やインターネットといったテレビのライバルのようなものができ、ドラマに対して求められるものが変わってきたことを、私自身も感じています。ただ、ドラマでも映画でも、最初の設計図がシナリオであるというのはこれからも変わりませんので、3人の方々にはドラマ界を引っ張る存在になっていただきたいと思います。

若杉栞南さんの大賞受賞作『拝啓、奇妙なお隣さま』はファンタジーですが、主人公の患者たちと家族の感情にリアリティーがあり、悲劇と喜劇、絶望と希望のバランスが巧みでした。家族というテーマを説教くさくなく捕まえていて、この10年ほどの受賞作品の中で最も好きな作品のひとつです。若杉さんの才能が家族の見守りによって生まれたものなのか、自力で積み重ねられたものなのかわかりませんが、才能は重いものなので溺れないように頑張っていただきたいと思います。

平岡達哉さんの作品『さすらいのパンツマン』は、“お笑いを題材に、父と家族”の夢を丁寧に描いた作品。ほのぼのとしたオーソドックスな物語を描くのはとても力が要ること。なにかひとつ家族に対する毒があれば、温かい持ち味がより際立ったかと思います。書きたいものを書けるのは大切なことなので、大事にしていただきたいです。

宮本真生さんの作品『代表取締役息子』は子どもが社長になることを単なるファンタジーではなく、現代的なリアリティーを持って描いており、非常に感心しました。惜しむらくはクライマックスが運動会の借り物競争という定番で、そこも前半のような新鮮なエピソードの積み重ねであれば満点に近かったのではと思います。脇役まで描き込めるのは素晴らしいテクニックなので、持ち味を大切にしてください。

最後にお3方にお願いですが、今回の受賞作を勲章にしないでください。受賞すると、どうしても「あのときよりもっといいものを」「タッチを変えて書かなければ」など、いろいろなことを考えて自由じゃなくなってしまいがちです。明日までは喜びに浸っていただいて、その後は受賞を忘れて新しい気持ちになって次の作品に挑んでいただきたいと思います。それが皆さんの可能性を広げることにつながります。

両沢和幸

若杉栞南さんの大賞受賞作『拝啓、奇妙なお隣さま』は、昏睡状態になった3人の患者がモノローグで対話するところに、見舞いに来た家族の会話が入ってきて、それぞれの事情が描かれていくというなかなか大胆な設定で、映像化するとしたら演出家は苦労するなと思いました。ただ、目覚めて終わりではないところがとても良かったと思います。目覚めた後に、目覚めなかった人たちの家族を訪ねて思いを伝えるなど、後半戦が非常に印象的。とてもユニークな発想で、隅々までアイデアを目配せして書かれた脚本で、大変素晴らしいと思いました

平岡達哉さんの作品『さすらいのパンツマン』は、個人的にはすごく好きでした。ピン芸人を目指している若者と、同じくピン芸人を目指していた父親がパンツ一枚でコンビを組むストーリーです。最近、ドラマにせよ映画にせよ、おとなしい男が主人公という設定が目立ちますが、元気でエネルギッシュな若者を描いた作品なので、個人的に非常に好感が持てました。ご本人も業界で活躍をなさっているようなので、ぜひ元気の出るドラマを実現していただきたいなと思っております。

宮本真生さんの作品『代表取締役息子』は、タイトルから面白そうだなと感じました。父と息子の会社が同じグループになって葛藤するという物語ですが、これからの時代、本当に起きることかもしれないので、それを新しいドラマとして提示できるのが若い世代の感性だなと思いました。

シナリオ大賞が始まって22年、その間に随分ドラマの状況も変わりました。ドラマ界は今、過渡期にあると思います。これからの新しいドラマ作りを3人に期待したいと思います。

第22回『テレビ朝日新人シナリオ大賞』大賞受賞作

■タイトル『拝啓、奇妙なお隣さま』
■作者名:若杉栞南(わかすぎ・かんな)
■内容
車に轢かれたことが原因で遷延性意識障害、いわゆる昏睡状態に陥った青年、山村陸。彼は運ばれた病院で、同じく遷延性意識障害の老人・川口修吉と高校教師である桑部辰郎から話しかけられる。それから彼らは当人しか聞こえない会話を、何も知らない家族のもとで繰り広げていく。

若くして遷延性意識障害を患った陸はその原因を交通事故だと説明していたが、母親の語りかけから自殺未遂であったことが判明する。信じてくれる人がいない孤独の淵で自殺という行動に踏み切ってしまった陸に、同年代の息子を持つ辰郎は大人を代表して謝罪する。辰郎や修吉のような大人に会ったことのなかった陸は次第に彼らに心開き、生きることに前向きになる。
そんな中、経済的な問題による遷延性意識障害の延命治療の中止の事態が辰郎に訪れる。その裏には、息子を育てるという辰郎と妻の想いがあった。しかし当の息子、佑太や陸にはその選択が受け入れられずにいた。辰郎と妻、そして佑太の関係性を彼らが見舞いに来るたびに肌で感じていた陸は、延命治療の中止は桑部家が出した苦渋の決断であることを理解していく。そして佑太は修吉の娘である詩人の史子との対話を経て、状況を受け入れる努力をする。辰郎は死の間際、陸に家族への思いを託し、陸の目覚めを最期の願いとして息を引き取る。

陸は、辰郎の思いを伝えなければという強い思いから目覚めることに成功するが、その瞬間を目にした佑太は「辰郎は死んだのになぜ陸は目覚めるのか」と、その事実に憤りを隠せず、引きこもってしまう。

退院後、陸は託された思いを胸にそれぞれの家に足を運ぶ。陸が伝えた辰郎の言葉は、延命中止という決断をひとり下した辰郎の妻を肯定するもので、彼女はその言葉に救われる。そして、陸の目覚めを快く思っていなかった佑太は、陸から伝えられた辰郎の言葉を耳にして再び歩み始めた。

7年後。陸は高校教師となり、ある期間隣人だった辰郎と修吉を想いながら、友人で詩人の佑太が書いた本を紹介するのだった。

■優秀賞受賞作

■タイトル『さすらいのパンツマン』
■作者名:平岡達哉(ひらおか・たつや)
■内容
家族に内緒でピン芸人を7年続けてきた、細井涼(29)。ライブに出れば万年ビリで、売れる気配はゼロ。性格は、周りを気にしすぎて本音を言えない超小心者。

ある日、同期の人気芸人・パイソンズが自身の生配信に向けて出演者オーディションを開催することに。雑用を命じられた涼が手伝いに行くと、そこに現れたのは、なんとパンツ一丁の父・細井茂(62)。茂は昔からの夢である芸人を志し、養成所に通っていたのだ。さらに、母親と離婚していた事実まで明かされる。涼は、芸人を目指している茂に嫌悪感を、そして離婚を隠し続けていた母には不信感を募らせる。

そんな折、涼は事務所から「次のライブで結果を出さなければクビ」と宣告を受ける。崖っぷちに立たされた涼。一方、がむしゃらに芸を磨く茂。そんな父と向き合っていくうちに、涼の心に変化が。「俺も本音で生きる人生を選びたい。好きなお笑いを諦めたくない」。

迎えた運命のライブ。結果はワースト5。しかし、涼はマネジャーに初めて本音でぶつかり、こう伝える。「あと1カ月ください」。

涼は売れるためのある秘策を思いついていた。それがパイソンズの生配信に、父・茂とゲリラ親子出演するというもの。「いつもいいように使ってきたパイソンズを最大限利用して注目を浴びてやる」そんな起死回生の一手だ。

いざ生配信当日。前代未聞のおバカ親子のゲリラ出演はバズリまくって大成功!そして涼と茂は一躍人気者に。

しかし数日後、ある事実が判明する。なんと茂は余命わずかであった。しかも茂は、過去にお笑い雑誌で涼を見つけ、隠れて芸人をやっていることを昔から知っていたのだ。茂は人生の幕を下ろす前に、もがき苦しむ息子を助けたかった。その想いで芸人の道を選んだのであった。

病床で茂の本音を聞いた涼は、「家族とはいったい何なのか」を改めて考えさせられる。そして訪れる父の死。

捨て身で息子を、そして家族を救ったパンツ一丁の父。救われた息子・涼は、父の死後、ある決断をして舞台に立ち続けることを心に誓う。

■優秀賞受賞作

■タイトル『代表取締役息子』
■作者名:宮本真生(みやもと・まうい)
■内容
生島は大手IT会社ヴァイスエージェント期待の社員。周囲の社員からは羨望のまなざしを向けられているが、多忙のせいで家庭にあまり目を向けられず、家族と少しすれ違っていた。

そんなある日、生島は売上の落ちている子会社へと出向を命じられる。気持ちを切り替え、出向先の社長と顔合わせをする生島であったが、出向先の社長はなんと小学生の息子・悟が社長を務めるサトルゲームスだった。悟が趣味で作ったゲームがゲーム配信プラットフォームで大ヒットし、それを妻の郁恵が法人化したのがサトルゲームスだったのだ。

家では息子、会社では社長の悟に振り回される生島。いろいろと翻弄されるが、年齢のせいで足下を見られがちな悟を必死に支える中で、家族としての仲も深まっていく悟の運動会が直前に迫ったある日。会社の命運を左右するような取引が始まる。

しかし、その顔合わせは偶然にも運動会の日と重なっていた。葛藤する生島だったが、悟からの命令もあり、会議を優先することとなる。

運動会当日。生島は予定通り取引に参加するが、運動会に間に合うことを知るとスーツ姿のまま運動会の会場へと向かう。そのとき、悟は借り物競走で『家族』というお題を引いた直後。母親に声をかけようとした直前に生島が会場へ辿り着き、生島はスーツ姿で借り物競走に参加する。

息を切らして走る中、悟は生島に「どうして来たのか」と疑問を投げかける。すると生島は「家族というのはある意味で会社みたいなもの。自分は代表取締役なのだから悟がどんな大人になるか見守る義務がある」と告げる。2人はそのまま、息の合った走りで見事ゴールした。

運動会が終わっても騒々しい毎日は続いていく。朝、学校に行く息子に手を振り、夕方会社に来る息子に頭を下げる生島。変わってはいるものの、普遍的な親子の絆が出来上がっていた。