サミーの父親と番組ディレクター
NHK『未解決事件 File.17「パリ同時テロ事件 若者たちはなぜ豹変したのか」』が7月17日に放送決定
編集部 2026/7/13 16:00
NHKは、戦後フランス史上最悪とされるテロ事件の真相に迫るドキュメンタリー番組、未解決事件 File.17「パリ同時テロ事件 若者たちはなぜ豹変したのか」を7月17日(金)夜10時45分から総合テレビで放送する。
2015年11月13日、フランス・パリで起きた「パリ同時テロ」。サッカースタジアムでのテロリストの自爆、繁華街のカフェやレストランでの銃撃、そしてライブハウス「バタクラン」での殺りくにより、132人が犠牲となり、400人以上が負傷した。実行犯10人のうち9人は現場で死亡し、生き残った1人にも終身刑判決が下され、事件は司法的には決着した。しかし、本当に解明されたのだろうか――。
番組ディレクターは、当時テロ発生直後から長期にわたりパリを取材し、事件の衝撃に揺れる街の姿を見つめ続けてきた。実行犯が自分と同世代だと知ったことをきっかけに、彼らがなぜ事件を起こしたのか、その軌跡を追いたいと考え続けていたという。そして今回、長年沈黙を守り続けてきた実行犯の父親や兄弟姉妹への取材を実現。激しい批判や偏見にさらされながら生きてきた家族たちが、日本のメディアに初めて重い口を開いた。そこから浮かび上がってきたのは、一般に想像される「テロリスト像」とは大きく異なる姿だった。
ライブ会場「バタクラン」の襲撃犯のひとり、サミー・アミムール
サミーは成績優秀で、人の痛みに敏感な青年だった。貧しい人を助けたいと願い、社会の不条理に強い関心を抱いていたという。家族は、なぜそんな息子が大量殺人に加担したのか、いまなお理解できないと語る。 取材班は、彼が人生の意味を探し続けた日々を丹念にたどる。居場所を求める葛藤、自分のルーツへの模索、インターネット上で出会った思想、シリア内戦への傾倒、そして過激派組織IS(イスラミックステート)による巧妙な勧誘。そこには、一人の若者が少しずつ別の世界へ引き寄せられていく過程があった。
実行犯唯一の生存者、サラ・アブデスラム
ベルギー出身のサラは、ISの勧誘役となっていた幼なじみアバウドの影響を受け、過激的な思想を持つようになった。将来への不安や社会への違和感を抱える中、SNSで発信される「新しい人生」の幻想に引き寄せられていく。パリ同時テロでは実行犯を現場に送り届けた後に逃走し、6年後の裁判で「こんな自分になりたかったわけじゃない」と口にした。関係者への取材からは、本人も全体像を理解しないまま巨大なテロ計画に組み込まれていった実態が浮かび上がった。
銃撃を生き抜いた被害者からの問いかけ
ライブハウスで銃撃に遭遇し大けがを負った女性は、事件を繰り返さないため、ISの戦闘員だった若者との対話を続けている。深い傷を抱えながら、それでも憎しみの連鎖を断ち切ろうとする姿を通して、「テロとは何か」「社会は何を学ぶべきか」を問いかける。
■番組概要
名称:未解決事件 File.17 「パリ同時テロ事件 若者たちはなぜ豹変したのか」
放送予定:7月17日(金) 夜10:45~11:29 【総合】 ※NHK ONEで同時・見逃し配信予定
関連放送:7/11(土)後5:00~5:49 【総合】未解決事件「三億円事件」を再放送 ※NHK ONE で配信予定
URL:「未解決事件」公式ホームページ https://www.web.nhk/tv/an/mikaiketsu/