01 AUG

NHKスペシャル 臨界世界-ON THE EDGE-「縦の支配 中国 ショートドラマの光と影」が放送決定

編集部 2026/8/1 12:00

BSスペシャルで反響を呼んだ“極限の現場”がNスペに登場。新たな取材を追加した決定版として放送される。

【放送予定】
総合(G) 8月2日(日)21:00〜21:49
※NHK ONEで同時・見逃し配信予定

■不況下の中国で生まれた“刹那の快楽” バズりを追い求める狂騒の裏側とは―

今年、BSスペシャルで大きな反響を呼んだ「縦の支配」が、新たな取材を追加しNスペ・シリーズ「臨界世界」として放送される。

空腹と疲労を抱えた労働者たちのひとときの休息の時間、人々の視線はスマホの小さな画面に吸い寄せられる。映し出されるのは「縦型ショートドラマ」だ。1話わずか1分。虐げられた主人公の復しゅう劇、美女が次々と登場する男性向けの作品――強烈な感情を次々とかき立てる物語がとめどなく流れ、人々をとりこにしていく。

その勢いは社会現象となり、中国国内の視聴者は7億人、市場規模は2兆円を突破。今や映画産業をもしのぐ存在となった。

番組が向かったのは、中国最大級のショートドラマ制作拠点となった河南省・鄭州(ていしゅう)。不況のなかで仕事を失った俳優やクリエイター、就職難の若者たちが集まり、「ドラマをバズらせ、大金を手に入れる」という夢に賭けていた。

だが、その熱狂を動かしているのは、人々の好みを分析し「見たくなる作品」を選び出す仕組み=アルゴリズムだった。視聴データを絶対視するクライアントからは絶えずロケ現場や衣装の急な変更、俳優の変更など無茶なオーダーが繰り返され、撮影現場のスタッフは長時間労働を強いられ、疲弊していく。低コストで最大の利益を上げるためのシステムが、人間を追い詰めていた。

■「命を削る制作現場」を率いる監督・鄭亜龍(テイ・アリュウ) それでも人は物語を作り続ける―

かつて映画俳優として活動し、映画監督になることを志して演出を学んできた鄭亜龍。しかし、景気の低迷で映画の仕事は激減し、生きるためにショートドラマ業界に飛び込んだ。

そこは、60話のドラマをわずか5日で撮り切り「命を削る仕事」とも呼ばれる過酷な世界だった。睡眠も休息も惜しんで撮影が続き、実際、過密スケジュールの末に亡くなったある監督は「ショートドラマはビッグデータに支配されている」と書き残していた。

一方で、ショートドラマ市場の熱狂は加速し、毎月1000本を超える新作が配信され、競争は激しさを増していく。亜龍もまた、次々と要求を突きつけるクライアントと板挟みになりながらも、作品を完成させるため奔走していた。

そんな中、亜龍が所属する制作会社からAIでのドラマ制作にかじを切るという知らせが飛び込み、業界にも大きな時代の変化の波が押し寄せる。

それでも亜龍は問い続ける。「人間にしか作れない物語は、まだ残されているのか―」。変わりゆく時代の中で、その答えを探る。

「NHKスペシャル」公式ホームページ
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