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テレビのネット接続率は41.8%に マクロミル、2021年最新テレビ利用動向調査レポート発表

編集部 2021/12/23 18:00

株式会社マクロミル(東京都港区)は、テレビ視聴の利用が拡大する年末年始を目前に、民放テレビ番組、YouTube等の動画サービスのテレビによる視聴状況や、テレビにおける最新の生活者ニーズを探るべく調査・分析を実施。そのレポートを発表した。

レポートによると、コロナ禍での外出自粛による「おうち時間」の増加や、スマートテレビ等のインターネットに接続したテレビの利用が浸透した結果、YouTubeやNetflix、TVer等の動画サービスもテレビ画面で視聴される機会が増加。テレビの用途が多様化し、生活者を取り巻くメディア環境が大きく変化していることを踏まえ、マクロミルでは最新の市場を確認するべく本調査を実施したという。同レポートでは、以下の環境を「テレビのインターネット接続」と定義し、主に5つのポイントについて分析している。

【分析1】「テレビのネット接続率」は41.8%。未接続層でも、若年層を中心に全世代で高い接続意向

現在、全体の93.2%が保有する「テレビ」について、インターネットへの接続状況を確認したところ、ネット接続率は41.8%で、その推定人口は約3,400万人規模。世代別では若年層ほど高く、20代以下では過半数にのぼる。(図2-1、図2-2)

テレビをネットに接続していない人へ今後の意向を尋ねると、27.0%が「接続したい」と回答。世代別では若年層を中心に、50~60代でも22.4%が意向を示しており、テレビのネット接続は今後も幅広い年代で拡大していきそうだ。また、すでにテレビをネット接続している層と、接続していないが今後接続したい層を足すと、4,600万人規模となる。

【分析2】テレビでの動画サービス視聴率は32.5%。YouTubeユーザーの3人に1人は、テレビから視聴

テレビでの動画サービス視聴率は全体の32.5%で、テレビをネット接続している人をベースにすると77.8%の視聴率だった。人口に換算すると2,700万人規模。年代別で見ると30代以下の若い世代でいずれも40%を超え、40代も31.6%、50~60代においても約25%となっている。(図3-1)

動画サービス別に見ると、映画等の長尺のコンテンツが多い「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」「Hulu」のユーザーは、半数以上がテレビで動画を視聴。一方、コンテンツのジャンルや動画の尺が多岐に渡る「YouTube」「TVer」「ABEMA」は3割程度、「ニコニコ動画」「GYAO!」は2割程度に留まった。

下図のバブル(円)の大きさは、各動画サービスをテレビで視聴する人口規模を示している。最大の「YouTube」は、テレビでの視聴率は中程度だったものの、YouTubeユーザー自体が多いため、テレビでの利用者規模にすると23%と突出。以下、「Amazon プライム・ビデオ」16.7%、「TVer」7.4%、「Netflix」6.8%と続いた。(図3-2)

また、今後、テレビで視聴したいと思う動画サービスを尋ねると、「YouTube」が48%、「Amazon プライム」が28%、「TVer」「Netflix」が18%と回答しており、今後もテレビデバイスでの視聴が広がっていくことが予想される。

【分析3】テレビのネット接続者におけるテレビデバイスの視聴シェアは民放番組49.2%、動画サービス50.8%。動画サービスがわずかに上回る

テレビで動画サービスを視聴している人に、民放番組と動画サービスの視聴時間(※)を尋ねると、民放番組が115.2分/日(49.2%)、動画サービスが118.9分/日(50.8%)と、動画サービスがわずかに上回った。特に、テレビでの視聴者規模が大きい「YouTube」は43分/日(18.2%)で全体の約2割を占め、動画サービスがテレビの利用シェアを拡大してきている様子がみてとれる。(図4)

※民放番組と動画サービスの視聴時間を合算し、調査対象者一人あたりに割り戻した視聴時間

【分析4】テレビでの人気コンテンツランキング。民放番組では「速報」系、動画サービスでは「娯楽」系のコンテンツが人気

テレビで視聴される民放番組では、「ニュース・報道」「天気予報」のスコアが突出し、速報性の高いコンテンツが人気で、動画サービスは、「映画」「国内/海外ドラマ」「アニメ」「お笑い・コメディ」といった娯楽系コンテンツが人気を集めた。動画サービスは、ユーザーのニーズや視聴シーンに合わせてコンテンツをセレクトできることから、このような特徴が浮き彫りになったと考えられる。なお、「映画」「ドラマ」「アニメ」は、民放番組と動画サービスとのスコアが近く、タイトル等によって使い分けて視聴されているようだ。(図5)

【分析5】動画サービスをテレビで視聴する良さは、「大画面での臨場感」と「リラックス」

動画サービスをテレビで視聴する理由について尋ねると、「大画面で臨場感を味わう」「リラックスしてみる」がともに4割でトップ。スマホなど別のデバイスよりも“コンテンツをしっかりと注視したい”というシーンに利用されていることがわかった。また、若年層では、他年代よりも「他の作業や行動をしながら見られるため」「番組やコンテンツの世界に浸れるため」等の理由が多く、テレビだからこその「ながら見」や「没入感」といった、動画サービスの新たな視聴シーンが広がっているようだ。

■「2021年 テレビ利用動向調査」概要

【調査主体】マクロミル
【調査手法】インターネットリサーチ
【調査対象と有効回答数】第1~2章:全国18~69歳の男女(20,000人)、第3~5章:ネット接続したテレビで動画サービスを視聴していると回答した人(1,649人)
【割付方法】第1~2章:国勢調査による性別×年代別の人口動態割付、第3~5章:テレビでの動画サービス利用の出現率による性別×年代別割付
【調査期間】2021年11月12日(金)~11月15日(月)