都内初導入!TOHOシネマズ 大井町にDolby Cinema (ドルビーシネマ)が誕生。樋口真嗣監督らがその魅力を語る
編集部 2026/6/11 12:00
TOHOシネマズは、2026年3月28日にオープンした大型複合施設「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」内に、全8スクリーン、1205席を備えたシネマコンプレックス「TOHOシネマズ 大井町」を開業した。
TOHOシネマズ 大井町では、ドルビーラボラトリーズが開発した最新の高品質シアターDolby Cinema(ドルビーシネマ)を、都内のTOHOシネマズとして初めて導入。2026年4月21日には、関係者や報道陣に向けた内覧会が行われた。その様子を紹介する。
スクリーン8のドルビーシネマは264席(一般252席+プレミアボックスシート10席+車椅子2席)を備えるシアターとなっている。
ドルビーシネマの革新性
Dolby Japan シネマ&コンテンツソリューション部 部長の尾崎卓也氏は、ドルビーシネマの特徴について「『ドラマチックな映像体験』、『心揺さぶるオーディオ体験』、そしてそれを実現させるための『究極のシアターデザイン』という3つの要素でシネマ体験に大きな変革をもたらした」と解説した。
映像面では最新鋭のレーザープロジェクター2台で投影し、驚異的なコントラスト比や豊かな色彩表現を実現。また、立体音響技術「ドルビーアトモス」により、座席を囲い込むような音響で映画の中に入り込んだような体験が可能だ。シアターデザインは、観客が映画に集中できるよう黒を基調とした極力シンプルで快適な空間が設計されている。
演出のこだわり「オーディオビジュアルパスウェイ」
スクリーン8までの通路には横長のディスプレイが配置されており、尾崎氏はこれを「オーディオビジュアルパスウェイ」と呼んでいる 。これから始まる作品の特別な体験を暗示するような演出が施されているのが特徴だ。
クリエイターが語るドルビーシネマの衝撃
試写会ではドルビーシネマの性能を存分に引き出したデモンストレーション映像や、映画のワンシーンが上映され、映画監督の樋口真嗣氏と音楽家で作曲家、劇伴作家の岩崎太整氏によるトークイベントも行われた。
樋口氏は「博多にドルビーシネマができた頃からずっと通ってきましたが、この劇場はドルビーシネマの劇場で1番いいと思います」と評価。制作者の意図通りの映像・音響を統一規格として実現できる点に触れ、「このくらいちゃんとやらなきゃダメだという厳しい掟を課されることが、最終的にお客さんの圧倒的な満足感につながる」と持論を展開した。
樋口氏 コメント
「自分の映画の仕事の歴史とドルビーの技術の進歩は重なっています。チャンネル数がどんどん増え、もうこれ以上増やしようがないところまで来ました。最大の魅力は、映画館でないと体験できないぐらいの思い切りのいい“ぶっ込み方”ができることにあります。以前はスピーカーが割れるといったハード的な制約がありましたが、表現の範囲がどんどん広がっています。映画は分かりづらいジャンルですが、制作者が意図した通りの映像を映画館で上映でき、さらに配信でもその意図通りの映像が統一規格として実現できるのはありがたいですね。放っておくと、作る側も上映する側もみんな目先の利益しか考えません。このくらいちゃんとやらなきゃダメだという厳しい掟を課されることが、最終的にお客さんの圧倒的な満足感につながると思います。」
岩崎氏はドルビーアトモスによって、映画が「平面」から「3D」に進化したような感覚があると分析。「すべての音を立体的に配置できるため、体験の度合いが格段に上がった。感謝するしかない」と技術革新を称賛した。
岩崎氏 コメント
「通常のテレビは2chで、サラウンドでも前に3つ・後ろに2つのスピーカーとウーハーの5.1chです。ドルビーアトモスは7.1.4chや9.1.4chという構成で、前方に5チャンネル、さらに天井にも4チャンネルが加わります。すべての音を立体的に配置できるため、例えばライブ会場のど真ん中に入ったり、F1カーがまさに横を走っているような感覚を実現できます。以前のステレオでは、映画は平面的な表現しかできませんでした。ドルビーアトモスによって空間を使えるようになり、映画が平面から本当に3Dになったような感覚になりました。音楽はある方向から鳴り、歓声は後ろから聞こえ、アナウンスは上から降ってくる。体験の度合いが格段に上がった技術革新であり、感謝するしかないです。」
俳優陣による体験コメント
試写会終了後には、来賓の西岡徳馬氏、南果歩氏、別所哲也氏も登壇し、お祝いの言葉を述べた。
西岡氏
「迫力ある映像では本当に空を飛んでいるように感じた。演出も演技もすべてが変わる可能性を感じた、楽しい機会だった」
南氏
「これこそ『没入』と呼ぶべき体験。映画は『観るもの』ではなく『体感するもの』だと実感した」
別所氏
「表現者として新たなチャレンジに身を投じたいと思った。若い映像作家や俳優がこうした技術に触れられる場を作りたい」
最後に、樋口氏から提案のあった『映画泥棒』の映像をドルビー対応させる案について、元映倫委員の別所氏が「映倫に伝えたい」と応じ、会場の笑いを誘って幕を閉じた。