05 NOV

佐藤健、生田斗真、大泉洋ら「東京ドラマアウォード2020」に出席〜授賞式レポート

編集部 2020/11/5 08:00

国際ドラマフェスティバルin TOKYO 2020のメインイベントである「東京ドラマアウォード2020」の授賞式が、2020年10月29日に東京プリンスホテル(東京都港区)で開催された。同アウォードは2008年からスタートし、今回で13回目を迎えた。対象となるドラマは、2019年7月から本年6月までに放送された作品となる。

■世界で高く評価されるコンテンツとしてのドラマを表彰

「東京ドラマアウォード」は、作品の質の高さだけではなく、ドラマの市場性や商業性にもスポットを当て、“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもとで、世界水準で海外にも売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰するものだ。日本の放送コンテンツの世界へのPRと、国際競争力の強化のために創設された。

国際ドラマフェスティバルin TOKYO実行委員会の大久保好男委員長は開会宣言において、「コロナ禍の困難を乗り越えて、世界で高く評価されるコンテンツをたくさん作っていただきたい。日本がドラマ大国になるよう祈念いたします」と述べた。

授賞式は俳優の石坂浩二氏が司会を、テレビ朝日の武内絵美アナウンサーが進行役を務めた。石坂氏は冒頭で、関係者の思いを代弁するかのように、こう語った。

「新型コロナウイルス感染拡大の影響は社会の隅々にまで及び、ドラマ制作の方々も大変な思いをしています。自粛が続いていましたがドラマ制作は再開され、演じる者も作る側も感染拡大防止に務め、素晴らしいドラマを送り届ける努力をしています」

国際ドラマフェスティバルin TOKYO実行委員会の大久保好男委員長
授賞式の様子

■コロナ禍の中、地域活性化につながる地方ドラマも評価

続いて総務省の武田良太総務大臣のビデオメッセージが紹介された。武田大臣は「日本の放送コンテンツは、政府が掲げてきた2020年度までに500億円という海外輸出額目標を2018年度には達成し、着実な成長を遂げている」としたうえで、「地域発の良質なコンテンツが国内外に広く発信されることは、コロナ禍による影響が深刻化している地域の活性化につながることが期待される」と述べた。

ローカル・ドラマ賞としては、NHK福岡放送局が制作した『となりのマサラ』と、テレビ宮崎の『ひまわりっ~宮崎レジェンド』の2作品が表彰された。

『となりのマサラ』は外国人との共生という課題に向かい合いながらも人と人との素朴な交流を描き出したドラマ。テレビ宮崎開局50周年企画のドラマ『ひまわりっ~宮崎レジェンド』は、宮崎を全国にPRするということを目標に制作し、現在は全国にも広がりつつあるという。

【関連記事】全国展開も見据えるドラマ『ひまわりっ』制作の裏側~テレビ宮崎ドラマチーム現地インタビュー~(後編)

■主演女優賞は黒木華、主演男優賞には生田斗真が輝く!

個人賞では、助演女優賞に『これは経費で落ちません!』(日本放送協会)の伊藤沙莉、助演男優賞は『恋はつづくよどこまでも』(TBSテレビ)の佐藤健が受賞した。

主演女優賞は2019年7月期に放送された『凪のお暇』(TBSテレビ)の黒木華。「凪ちゃんの成長がテーマだったので、自分ができる限り素直に演じようと思いました。共演者のみなさんが、演技しやすく作ってくださる方たちで、すごく幸せでした」と語った。

主演男優賞は『俺の話は長い』(日本テレビ放送網)の生田斗真。「自分はそう思わなかったですけれども、家族や友人に“素に近い演技”だったとよく言われました」とコメント。司会の石坂氏は、「素に近いと思わせるのは、いかに“リアルでナチュラルな芝居”だったのかということ」と絶賛した。

主演女優賞は黒木華
司会の石坂浩二と佐藤健

■単発ドラマは『教場』、連続ドラマは『いだてん~東京オリムピック噺~』がグランプリに!

単発ドラマ部門では、優秀賞として『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』(日本放送協会)、『スイッチ』(テレビ朝日)、『アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~』(テレビ東京)、『2020年 五月の恋』(WOWOW)が表彰された。

『2020年 五月の恋』では、収録が完全リモートで行われたため、主演の大泉洋と監督の松永大司氏が「実際に会うのはこの壇上が初めて」といった裏話が明かされた。

同部門のグランプリには『教場』(フジテレビジョン)が選ばれ、第二作の『教場2』(仮)の撮影現場から、監督・プロデューサーの中江功氏とともに、続いて主演の木村拓哉からのビデオメッセージが披露された。

連続ドラマ部門の優秀賞は『これは経費で落ちません!』、『あなたの番です』(日本テレビ放送網)、『俺の話は長い』、『凪のお暇』、『恋はつづくよどこまでも』、『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京)が受賞した。

そして同部門のグランプリには、2019年の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(日本放送協会)が輝いた。主演の一人である中村勘九郎は、「一生の宝物になった作品だと思います。こうやってご褒美までいただけて嬉しいです」と喜びを表した。

『いだてん~東京オリムピック噺~』中村勘九郎

■大変な時代だからこそ、素晴らしいドラマを

授賞式は、日本放送協会の若泉久朗理事による、次の挨拶によって締めくくられた。

「世界に観せたいドラマがある。今年も傑作、力作、そして個人賞には素晴らしい皆様方を選ぶことができました。放送の世界では、ネットへの展開が次々と進んでいます。海外とのボーダレス化が進んで、海外で通用するドラマコンテンツが、ますます必要になってきていました」

司会の石坂氏は、「私たちは大変な時代を過ごしていますが、そうした時代の中にあっても、素晴らしいドラマを作り続けていただくことを、心からお願いしたいと思います」と言葉を添え、授賞式は終了した。

国際ドラマフェスティバルin TOKYO 2020