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動画市場のデバイス拡大に対応するプラットフォームが必要! ブライトコーブ メディアカンファレンス レポート~後編~

編集部 2021/4/14 08:00

動画配信プラットフォームを提供するBrightcove Inc.(以下、ブライトコーブ)は、3月16日にメディアカンファレンスを行い、ブランドの刷新や同社のポジショニング、方針、戦略および新製品やロードマップを発表した。

登壇したのは本社CEOのジェフレイ氏、日本法人代表取締役社長兼本社Senior Vice Presidentの川延浩彰氏、Marketing Managerの大野耕平氏、Director Of Professional Serviceの国谷俊夫氏。

本レポートの前編では、ブライトコーブの概要と動画市場の現状についての説明を取り上げたが、後編では同社が提供する動画の価値を最大限に引き出すソリューションにも触れていく。

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■動画配信におけるOTTの世界観とは

レポート前編において、今後コネクテッドTVが重要なデバイスとなることを取り上げたが、より広義の意味で考えると「OTTというキーワードが重要になってきます」と川延氏は付け加えた。

「OTTとは、Over The Topの頭文字を取ったもので、コンテンツをユーザーに届ける手法として一般的であった電波放送、衛星放送、ケーブル放送などをバイパスとして、インターネットを経由してコンテンツを配信すること」であると、同社の定義を説明した。

スマートフォン、タブレット、PC、そしてコネクテッドTVとさまざまなデバイスを利用するユーザーに対して、これらのデバイスごとに設計をしたり開発をしたりするような状況では、デバイスがさらに広がるOTTの世界観では、「スピード感が追いつかなくなって、機会損失を招く懸念が高まります」と川延氏は指摘する。

この状況に対応し、効率的・効果的な動画配信を行うための答えとして、同社はソリューションとして「BRIGHTCOVE BEACON」を提供している。すでに海外では採用が進んでいて、今後は日本でも積極的に展開を行う予定だという。

 

■日本の動画市場を重要視するブライトコーブ

続いてカンファレンスは、日本国内の導入事例紹介に移った。メディア部門からはOTT領域として、民放公式テレビポータルのTVer、エンタメコンテンツを配信するGYAO、大手SVODのParavi、そして日本経済新聞や朝日新聞などの即時性が求められるコンテンツにも同社のプラットフォームが幅広く採用されていると紹介された。

またSPORTS BULLの事例では、昨夏のインターハイの配信において、ある時間帯において100以上の試合をすべてライブ配信で並行に流すという取り組みも行われたのだという。

エンタープライズでの事例としては、資生堂のコーポレートコミュニケーションの事例、Sansanのセールス&マーケティングでの活用事例が取り上げられた。ソフトバンクのSoftbank World 2020、ソニー・ミュージックソリューションズのライブ動画配信サービス Stagecrowdなど、さまざまなバーチャルイベントでもブライトコーブのサービスが利用されているという。

同社は2021年の日本市場においては、カスタマーエクスペリエンス(CX)、Tier3、オンボーディングの組織を新設し、「今まで以上にこの重要な市場にコミットし、より良い顧客のサポートを行いたい」と、川延氏は日本の動画市場を非常に重要視していることを明らかにした。

■さまざまなニーズに対応する動画配信ソリューション

カンファレンスは続いて、国谷氏によるブライトコーブの製品ロードマップ紹介に移った。まずは「BRIGHTCOVE VIDEO CLOUD」の新機能「China Delivery」。このオプションは、世界最大市場の中国大陸内へ安定した動画配信を実現するソリューションで、「インターネットの世界でビジネス的にも、技術的な規制を乗り越えることができます」という。この機能は今年中に提供される予定。

次に、ライブ配信機能の「BRIGHTCOVE LIVE」に連携する「CLOUD PLAYOUT」。この機能はカンファレンスの前日にプレスリリースが行われたばかりだが、日本国内での提案がすでに開始されている。

国谷氏はこのソリューションに関し、「メディア企業にはすでに上質なコンテンツ資産があり、収益機会をできるだけ多く獲得する必要がありますが、ライブイベントにおいてあらかじめ撮影された動画を、ライブ感を出しながら配信するためには組織的な負担がかなり大きなものとなります」と課題を指摘。

そこで、「CLOUD PLAYOUTは、このような課題を解決するため、複数のVODファイルで番組編成を行い、スケジュールを設定して送出することや、カメラからの生配信を組み合わせることが可能になります」と続け、視聴者のエンゲージメントを高めて新たな収益機会を創出することが可能となることを示した。

■日本市場に合わせた対応を進め、動画活用のリーディングカンパニーへ

また前編で川延氏がコネクテッドTVについて語ったように、コンテンツ配信においては対応デバイスの拡大が必要になるが、拡大しようとするとソフトウェアの品質管理工程数が膨れ上がり、開発コストや技術者の確保で難しい局面に陥るのだという。

国谷氏は、「BRIGHTCOVE BEACON」を紹介し、「これはそのニーズに応えるソリューションであり、動画による収益化を行っている企業は、希望する対象デバイス用に設定されたアプリを生成できます」と説明した。

同ソリューションは日本市場の要望に基づいた対応をしていく予定で、「AVOD、SVOD、TVOD、AuthVODといった複数のビジネスモデルへの対応、企業のウェブストアとの連携、クレジットカードだけではなくキャリア決済など多様な支払い方法への対応を進めていきます」と述べた。

最後に大野氏が、「今回の我々のリブランディングとともに、ブライトコーブはビジネスにおける動画活用のリーディングカンパニーとして邁進していきたい。生まれ変わって、さらに今後も進化していくブライトコーブに今後もご期待いただければと思います」と挨拶を行い、これからも変化発展を続けていく姿に期待を抱かせてカンファレンスは終了した。

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