27 OCT

吉高由里子、菅田将暉、オダギリジョーら「東京ドラマアウォード2022」に出席〜授賞式レポート

編集部 2022/10/27 16:50

国内の優れたドラマ作品を表彰する「東京ドラマアウォード2022」の授賞式が25日、都内で行われ、菅田将暉、吉高由里子、オダギリジョー、松本若菜、満島真之介らが出席。石坂浩二と、フジテレビアナウンサー・生野陽子が司会を担当。吉高由里子が主演したTBSスパークル/TBSテレビの『最愛』が連続ドラマ部門の作品賞でグランプリに輝いた。

■主演男優賞は菅田将暉、主演女優賞は吉高由里子が受賞!

「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」のメインイベントとして行われる同アウォードでは、世界各国での市場性や商業性に評価基準を置き、国内の優れたドラマ作品が表彰される。個人部門では菅田将暉が『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)で主演男優賞を、吉高由里子が『最愛』(TBSスパークル/TBSテレビ)で主演女優賞を受賞した。助演男優賞は『カムカムエヴリバディ』(日本放送協会)でオダギリジョーが、助演女優賞は『やんごとなき一族』(フジテレビ)で松本若菜が受賞した。

 

田村由美によるミステリー漫画をドラマ化した『ミステリと言う勿れ』で主演男優賞を受賞した菅田は、現在別作品の撮影のために染めたというオレンジのヘアで登場。司会の石坂から「新しい芝居だった」と本作での演技を絶賛されると、「原作者の田村由美先生と漫画のキャラクター整くんをミックスした感じで演技をしたのがよかったかもしれません。原作が素晴らしいので、原作を正しく伝えることを意識しました」と照れ臭そうにコメント。「会話劇なのに、ワンシチュエーション。ただただ喋るだけのドラマなので、言葉をちゃんと伝えるというのは大事なところでした」とこだわりを話した。

また、15年前の事件をきっかけに織りなされる男女の心模様を描いたサスペンスラブストーリー『最愛』で主演女優賞を受賞した吉高も、同じく石坂からその演技を絶賛されたが、「1話のときに振りまいた種がどうやって芽が出ていくのかという思いでやっていました」と撮影を振り返った。

『やんごとなき一族』(フジテレビ)で助演女優賞の松本も受賞に感無量の表情。「すごく個性豊かな出演者の中で、私が演じる美代子はなかなかのキャラクターでした。他の皆さんに負けないようにって頑張りました。楽しみながらできたと思います」と話していた。

オダギリは『カムカムエヴリバディ』(日本放送協会)で助演男優賞を受賞。「戦争直後に生まれた世代の役。80代までを演じれて、いろんな経験をさせてもらえた。面白かったです」と感想を述べる。作中、楽器の演奏シーンもあったが、「トランペットの演奏とかめちゃくちゃ練習させられた」と振り返り、「大変だったんですけど、でも『朝ドラってそういうものだ』と言われたので、頑張れるだけ頑張ろうってやっていました」と笑顔で振り返った。

■単発ドラマは『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』、連続ドラマは『最愛』がグランプリに!

オダギリは自身脚本、演出、編集までを担当した『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(日本放送協会)でも単発ドラマ部門の作品賞グランプリを受賞し、この日二つ目のトロフィーを手にした。同作は警察犬ハンドラーとその相棒犬が織りなすユーモア溢れるサスペンス作品だが、オダギリは「好き勝手書かせてもらって、それをプロデューサーチームがいろんなところと戦いながら現実にしてくれたのはありがたかったです」と制作スタッフに感謝の気持ちを述べる。

編集にまで参加したことについては「編集は好きなんです」と述べ、「脚本とか編集とか一人でやる作業が好き。作品も10年くらい温めた作品でした。いろんな役を演じて、この後やるとしたらそろそろ犬くらいしかないなって」と犬役のコンセプトについても明かし、「着ぐるみを着るしかないなって。犬を利用して人間を描けるかなって。そこに興味を持ったのがきっかけでした。犬だからこそ言えることもあるなって思いました」と笑顔で本作へのこだわりを明かした。

単発ドラマ部門の優秀賞に輝いた『ふたりのウルトラマン』(日本放送協会)に主演した満島真之介もこの日、壇上に上がり、「今まで沖縄出身の役をやることがなかったんです。(自身沖縄出身で)標準語を覚えるのに10年近くかかっていたんです。でも、この作品で初めて喜怒哀楽すべて自分が生まれて育った方言でやることができました」と充実の表情で感想を述べる。

同じく単発ドラマ部門の優秀賞の『マイスモールランド』(日本放送協会)の嵐莉菜、奥平大兼も壇上に上がり、嵐は幼い頃から日本で暮らしてきたクルド人の女子高校生役を演じたことについて、「お芝居自体が初めて。サーヤを通じて演じることの楽しさを教えてもらいました」としみじみとコメント。奥平も「実際起きていることを作品を通して知ることができた。知ることの意味を教えてくれた作品でした」と感想を述べた。

『孤独のグルメ2021大晦日スペシャル~激走!絶景絶品・年忘れロードムービー~』(テレビ東京)も単発ドラマ部門優秀賞を受賞。同作に出演する松重豊は年末に放送された同作について問われ、「最初にテレビ東京から話をもらった時、テレビ東京さんはこの枠を捨てたんだなって思いました」とユーモアたっぷりに回顧。「今まで撮ってきたドラマと全く毛色が違う作品で、ただおじさんが食べているだけの作品」と謙遜しつつ、コロナ禍で苦しむ飲食店へのエールという思いも込めて本作に取り組んだことを明かし、「(コロナ禍)だからこそやりたいなという思いは強かったです」と話していた。

主題歌賞は『カムカムエヴリバディ』の主題歌である「アルデバラン」を歌ったAIが受賞した。AIは壇上で同曲を生披露するパフォーマンスを行い、歌い終えると、「今年一番緊張しました」と安堵の表情を見せる。同曲は森山直太朗が作詞作曲を手がけた楽曲だが、AIは曲と出会った時に湧いたというインスピレーションを回顧。「最初に聴いた時からこの曲だって思いました」と素晴らしい楽曲と出会えたことに対して感謝の気持ちを述べていた。

受賞作は以下の通り
■東京ドラマアウォード2022 受賞作品・受賞者

作品賞<連続ドラマ部門>
 グランプリ『最愛』TBSスパークル/TBSテレビ
 優秀賞『カムカムエヴリバディ』日本放送協会
 優秀賞『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』日本テレビ放送網 
 優秀賞『緊急取調室 第4シーズン』テレビ朝日
 優秀賞『シェフは名探偵』テレビ東京/BSテレ東
 優秀賞『ミステリと言う勿れ』フジテレビ
 優秀賞『おいハンサム!!』東海テレビ 
 優秀賞『コントが始まる』日本テレビ放送網

作品賞<単発ドラマ部門>
 グランプリ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』日本放送協会
 優秀賞『ふたりのウルトラマン』日本放送協会
 優秀賞『マイスモールランド』日本放送協会
 優秀賞『津田梅子 お札になった留学生』テレビ朝日
 優秀賞『孤独のグルメ2021大晦日スペシャル~激走!絶景絶品・年忘れロードムービー~』テレビ東京
 ローカル・ドラマ賞『この花咲くや』NHK鹿児島
 ローカル・ドラマ賞『我が家の夏~リバー・サイド・ファミリー~』東海テレビ
個人賞
 主演男優賞 菅田 将暉『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)
 主演女優賞 吉高由里子『最愛』(TBSテレビ) 
 助演男優賞 オダギリジョー『カムカムエヴリバディ』(日本放送協会) 
 助演女優賞 松本若菜『やんごとなき一族』(フジテレビ)
 脚本賞 藤本有紀『カムカムエヴリバディ』(日本放送協会)
 演出賞 塚原あゆ子『最愛』(TBSテレビ)
 主題歌賞AI『アルデバラン』(『カムカムエヴリバディ』主題歌)
 海外作品特別賞『糸が切れてしまった凧』インドネシア、『縁起良き時』台湾、『1000の星の物語』タイ